アメリカ・テネシー州で開催された総合スマブラ大会『WTFox (What The Fox) 2』が熱狂のうちに幕を下ろした。Wii U版(SSB4)シングルスではZeRoを破ったDabuzとMr. Rが決勝を争い、優勝を手にしたのはDabuzとなった。DXシングルスではMang0がArmadaをストレートで下す快進撃で『DreamHack Austin』以来のメジャータイトルをものにした。またMew2KingがHungryboxから3-0で今年初となる勝利を奪う活躍を見せた。昨日大金星を挙げたWizzrobeはMang0, Mew2King相手にフルセットまで持ち込んだものの一歩及ばず4位で大会を終えた。
SSB4 シングルス TOP 8
ベスト8勝者側に残ったのは下馬評通りZeRo, Mew2King, Dabuz, Mr. Rの4名。敗者側にはDarakShadLegend, ScAtt, Player-1, ScAttが残った。
ZeRo(ディディー) vs Mew2King(クラウド)ではZeRoが『Get On My Level』のリベンジを果たしストレート勝利を飾る。Dabuz(ロゼッタ)とMr. R(シーク)の戦いは精神をすり減らす長期戦の末3-2でDabuzに軍配が上がる。
ロックマン使いScAtt、ファルコンメインFatalityがそれぞれDarkShadLegend(リュウ)、Player-1(ディディー)をそれぞれ力強く下しベスト6へと駒を進める。Mew2Kingは依然としてScAttロックマンへの対応策を見出だせず、幾度も低%復帰阻止をくらい1ストックも奪うことが出来ないまま敗北を喫する(最終ゲームはロゼッタを繰り出したが空振りに終わった)。一方でFatalityはシークへのカウンターピックとしてメタナイトを使用するがハイリスクで一貫性を欠く立ち回りはMr. Rに通用しない。ファルコンに戻してもやはりMr. Rの防御を崩すには至らず、こちらも完封で(道連れ空下メテオで落としたストックをカウントしなければ)Mr. Rの勝利となる。
幾度となくこの男に優勝への道を閉ざされてきた。だが重ねてきた研鑽の日々はきっと不可能を可能にしてくれる--。Dabuzの強い意志はコントローラを伝わり宇宙の旅人へと注がれる。彼の操るロゼッタは宿敵ZeRoの操るディディーに対し一歩もゆずらない堅固な守りを展開する。一方でZeRoはチコの処理のタイミングを見誤るなど不安定な試合運びが目立つ。とはいえやはりZeRoはZeRoであり、バーストの機会は逃すことなく確実にものにし、終点と戦場でゲームは1-1に。だがやはり不安が残るのか、ZeRoはクラウドを選択して次のゲームへと臨む。非常に的を射たリミットブレイク利用や執拗なまでの空中攻撃のプレッシャーでZeRoクラウドはDabuzの壁にヒビを入れる。しかしそのヒビはヒビのままで終わることになる--最後まで自分の信じるキャラ、スタイルを貫いたDabuzが3-2でついにZeRoから勝利を奪ってみせた。
敗者側準決勝ではScAttが自身を敗者側に追いやったMr. Rと再び相まみえる。1ゲーム目を2タテで落とし、ロックマンがやはり通用しないとみたScAttはリュウを繰り出す。しかし空上から下スマにつなげてバーストを得るような男相手にはその火力を存分に活かすこともできず、Mr. Rの上スマがScAttの4位敗退を告げた。
続いて敗者側決勝、Mr. RがZeRoを戦場で出迎える。ZeRoディディーは先程の負けを感じさせない力強い立ち上がりをみせるが、らしくない自滅により1ゲーム目を落とす。続くプププランド戦ではMr. Rが序盤のリードを奪いZeRoは後ろからくらいつく展開となる。Mr. Rのベク変により下強上スマがはまらないとみて下強空後を当てに行くなど判断力はさすがであるが、序盤のビハインドが響きこのゲームも落としてしまう。追い詰められたZeRoだが、プププランドでの再戦では接戦を紙一重で制して1ゲームを取り返す。ダックハントでの第4ゲームでは横強空上でMr. Rシークが最初のストックを取り、ZeRoディディーも下強上スマですぐさま反撃する。息を呑む一進一退の攻防の末、崖奪い空後でゲーム、そして試合を勝ち取ったのはオランダの雄Mr. Rであった。
そして決勝戦は再びこの二人、DabuzとMr. Rによって争われる。1ゲーム目はMr. Rが突拍子もなくリンクを持ちだすが、あまり仕上がっている様子ではなくあっさりと落としてしまう。シークに戻り、横Bや横スマなどあまり使用頻度の高くない技を随所に織り交ぜDabuz打倒の糸口を探るMr. R。対するはあくまで堅い防御と地道な空中プレッシャーを貫くDabuz。このゲームはもちろん美しさを競うゲームではない。「地味で退屈」と言われようが「派手で変則的」といわれようが、相手のストックを多く奪ったものが勝者である。そしてその勝者の名はSamuel Robert Buzby、またの名をDabuzという。
最終結果
1位:Dabuz(ロゼッタ)
2位:Mr. R(シーク、リンク)
3位:ZeRo(ディディー、クラウド)
4位:ScAtt(ロックマン、リュウ)
5-6位:Mew2King(クラウド、ロゼッタ), Fatality(ファルコン、メタナイト)
7-8位:DarkShadLegend(リュウ), Player-1(ディディー)
トーナメント表
DX シングルス TOP 8
ベスト8の争いは敗者側Hungrybox vs SFATからスタート。戦場の第1ゲーム、開幕からねむる(下B)を2連続で当てたHungryboxプリンはそのまま勢いを保ちSFATフォックスを4タテで下す。終点での第2ゲームはSFATも持ち直して勝ちを収めたものの、プププランドでは完敗を喫する。第4ゲームポケモンスタジアムは互角の戦いになるも、最後はHungryboxが押し切って3-1で勝者となる。
DuckとThe Moonの戦いはDuckが大いに苦戦を強いられる。上からの復帰の選択肢に欠けるサムスというキャラの弱点を徹底して攻めるThe Moonマルス。Duckは幾度も復帰中The Moonの下強をくらいストックを落とし、地上戦での挽回もかなわず0-3で敗北しステージを後にする。
『Smash Summit 2』での3-0が記憶に新しいMew2King とArmadaが勝者側でぶつかる。前回猛威を振るったマルスでArmadaのピーチに向かっていく。終点ではさすがのパフォーマンスでArmadaにリードを許さずきっちり勝利するMew2King。しかしArmadaピックのプププランドでは広大なステージをArmadaピーチが完全に支配しMew2Kingを4タテする(最後はMew2Kingの試合放棄だが)。戦場では一進一退の末Mew2Kingがステップから果敢な横スマでArmadaの最終ストックを奪い取る。第4ゲームArmadaはカブ(下B)を抜くスペースを確保するためかポケモンスタジアムを選択。事実間合いをとって大量のカブでプレッシャーをかけ、Mew2Kingは押し返すことが出来ず敗北。なにか強い裏付けがあるのかそれともやけになったのか、Mew2Kingはヨッシーストーリー+シークを選択する。序盤はリードを奪い観衆の疑問を払拭するが、その後はすぐ劣勢となりあえなくゲームを落とし、敗者側に送られる。
続いてステージに上がるはMang0、例のごとく遅れてWizzrobeが登場。ゲームに入るまではじれったいほど準備に時間をかけるWizzrobeだが一度GOがかかればその動きは一瞬で最大まで加速する。Mang0フォックスに対し昨日のHungrybox戦で見せた「待ち」の姿勢とは打って変わって果敢なアプローチを見せるWizzrobeファルコン。1ゲーム目プププランドはMang0が非常にスマートな立ち回りでWizzrobeを抑えこみ勝利する。だが2ゲーム目の戦場ではWizzrobeの投げからの受け身狩りやガードキャンセル空下がきっちりはまり、膝(空前)でフィニッシュを決めた。続くヨッシーストーリーは終始互角の戦いとなるが、最後はMang0がシンプルにリフメテオで復帰阻止を決めてゲームカウントは2-1に。再びプププランドに戻る両者だが、ゲーム開始とともにWizzrobeの膝、下投げ、膝カス当てがMang0フォックスのストックを5秒で奪う。そのまま勢いに乗るWizzrobeがMang0を押し切る形でこのゲームを奪い、勝負は第5ゲーム夢の泉へ。ここではMang0のステップからの多彩な連携、冷静な復帰阻止、美しい絶リフ上スマが輝きを放ち、圧巻のパフォーマンスでWizzrobeファルコンを打ち砕いた。
Mew2KingはHungryboxに対し今回ははじめからフォックスを当てる。開始早々横Bで自滅すると会場から落胆のため息が漏れるが、それはのちに感嘆のため息に変わることになる。徹底的にブラスター(NB)でダメージを重ねるのはいつものとおりだが、今回はきっちりステージの中心を維持しHboxに復帰阻止の起点を与えないMew2King。単純な上スマを狙うだけでなく降下空上などを織り交ぜて次々ストックを奪うと気づけば逆転、そして勝利。Hboxは迷わずプププランドを選択し、開幕から2回ねむるを当ててリードを奪う。だがMew2KingはHbox相手に危険な状況から何度も復帰し徐々に差を詰め勝負はラストストックへ、そして勝利。憤怒の雄叫びをあげジャケットを叩きつけるのはHbox。だがこうなったMew2Kingを誰が止められるだろうか。ステージは再びプププランド、Hboxは一発目のねむるがチップとなり不運な立ち上がりとなる。だがHboxもそう簡単に心を折られはせず勝負は再び最終ストックにまでもつれこむ--そしてまたその瞬間が訪れる。Leffem, Armada, ZeRo...。プリンの起き上がりにフォックスに上スマが刺さると、Mew2Kingの劇的な3-0勝利の歴史にHungryboxの名が刻まれた。
この後Mew2KingはWizzrobe(The Moonに3-1で勝利)に3-2で勝利するも敗者側決勝ではArmadaに1-3で再び敗北、3位に終わる。Mang0はフォックスとマルスでArmadaのフォックス/ピーチを寄せ付けない非常に不可解かつ安定したプレイで勝者側決勝を3-1,決勝を3-0で制し優勝を成し遂げた。彼は終了後のインタビューでArmadaは本調子じゃなかったと言及しつつ、「俺にはマルスがあるから終点を選んでもむだだぜ」と語りEVOに向けての意気込みを見せた。
最終結果
1位:Mang0(フォックス、マルス)
2位:Armada(ピーチ、フォックス)
3位:Mew2King(マルス、シーク、フォックス)
4位:Wizzrobe(ファルコン)
5-6位:Hungrybox(プリン), The Moon(マルス)
7-8位:SFAT(フォックス), Duck(サムス)
トーナメント表