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2016年7月24日日曜日

Pink Freshの躍進、あばだんごの欧州制覇 --『2GT: KTAR Saga』『PPT Summer Munich』

『KTAR』シリーズの故郷東海岸組と開催地西海岸(南カリフォルニア)組が互いの威信をぶつけあったWii U版(SSB4)大会『2GGT: KTAR Saga』。軍配が上がったのは東海岸、ベヨネッタ使いPink Freshが幾多の強豪をしのぎ見事優勝を果たす。2位につけたのも東海岸のゼロスーツサムスMarssで、Larry LurrやMr. Rを撃破する活躍を見せた。一方はるか地球の裏側ドイツ・ミュンヘンでは日本のあばだんご選手が遠征続きの疲れなどもろともせず、決勝でイギリスのソニックIxisを下しセットを落とすことなくSSB4シングルス1位に輝いた。なおダブルスもドイツのフォックスプレイヤーSodrekと組み優勝し、なんとXシングルスでも優勝を収めた


『2GGT: KTAR Saga』


『Xanadu』シリーズで同じみの顔Pink Freshが「ローカル戦士」から一皮むける大きな一歩を踏み出した。予選を勝者側で抜けると開催地のZan, TyrantさらにオランダからのゲストMr. Rまでも打倒し勝者側決勝へと進む。

勝者側の別サイドではニューイングランドのやんちゃ坊主Marssが猛進を見せる。ベスト48からFalse, SS, そしてLarry Lurrに対しすべてストレート勝利を収め無傷のまま勝者側決勝に駒を進める。

波に乗るMarssゼロサムから最初のゲームを奪い取るのはPink Freshベヨネッタ。両者一歩も譲らずフルセットの末試合を決めたのはPink Freshの前投げ、Marssは敗者側に回る。

予選でZanに敗れ早々に敗者側に回ったVoiDは脅威の粘りでNAKAT, TLTC, Mr. Eをなぎ倒し、Zanからもリベンジを果たす。そして敗者側準々決勝ではMr. Rと息を呑むシークミラーを繰り広げ、3−2で勝利し開催地の意地を見せつけた。敗者側準決勝ではLarry Lurrをストレートで下し、敗者側決勝でMarssを出迎える。

勝利に飢えるMarssの猛攻がVoiDに襲いかかり、VoiDも負けじと攻めの姿勢を見せる。東海岸vs西海岸、最後に軍配が上がったのは東海岸。MarssがPink Freshとの再戦に臨む。

この勝利で再び勢いづいたMarssは1ゲームを先取。しかしPink Freshもそれに飲まれることなく1ゲームを取り返す。だがそこからは空下メテオ+上アピールコンボも交えつつMarssが立て続けに2ゲームを奪い決勝はリセットされる。だがリセットの高揚もつかの間、Pink Freshが冷静に2ゲームを先取し優勝に王手をかけて運命の第3ゲーム、時は減速し加速する--ベヨネッタのウィッチタイム(下B)が上スマへとつながり、Pink Freshが念願の王座に堂々と輝いた。

なおダブルスではVoiD/NAKATペアがMarss/Solペアを下して優勝し、西海岸のプライドを保った。

勝利を噛みしめて



最終結果(シングルス)
1位:Pink Fresh(ベヨネッタ)
2位:Marss(ゼロスーツサムス)
3位:VoiD(シーク)
4位:Larry Lurr(フォックス)
5-6位:Mr. R(シーク), falln(ロゼッタ)
7-8位:Tyrant(メタナイト、シーク), Zan(トゥーンリンク)

トーナメント表(シングルス)


『PPT Summer Munich』


アメリカ・ラスベガスの『EVO』で昨年に引き続き旋風を巻き起こしてきたあばだんごは今度は欧州へと足を伸ばす。舞台はドイツのミュンヘン、銃撃事件がある中トーナメントは無事に進行した。

あばだんごのダブルスパートナーはドイツのフォックス使いSodrek。圧巻のパフォーマンスで1ゲームも落とすことなく完全勝利を果たす。

シングルスでのもちろん安定した実力を魅せつける。Luigi_Playerとのミュウツーミラーで1ゲームを落とすものの欧州最強のゲッコウガと名高いiStudyingやイギリスの新星ソニックIxisらにもストレート勝利し、悠々と栄冠を勝ち取った。

新たな絆

さらにXシングルスにも参戦し旧友ワリオで普通に勝ち進んでしまう。Sodrekに敗れたものの彼が棄権し、事実上の決勝となった敗者側決勝でフランスのスネーク使いElexiaoと対戦。0-2の状態から持ち直して逆転を果たし、3冠という成績でこの大会を終えた。

最終結果(SSB4シングルス)
1位:あばだんご(ミュウツー)
2位:Ixis(ソニック)
3位:quik(ゼロスーツサムス)
4位:Elexiao(ゲッコウガ、パックマン)
5-6位:Sodrek(フォックス、クラウド), iStudying(ゲッコウガ)
7-8位:LoNg0uw(ロボット、クラウド), Patrino(リュウ、フォックス)

トーナメント表

2016年7月19日火曜日

執念がもたらす夢に見た栄冠、Hungryboxが果たす悲願の優勝 --『EVO 2016』DX シングルス

格闘ゲームの祭典『EVO (Evolution Championship) 2016』の最終日がラスベガスのマンダレイ・ベイにて行われた。世界中の観衆が見守る中DXシングルスの決勝トーナメントもこの場で争われ、激動の3時間を経てその頂点が決まる。2,000人が渇望したその座をつかみ取ったのは、このシリーズ幾度も2位という結果に甘んじてきたフロリダのプリン使いHungryboxであった。そしてそのHungryboxと2度に渡りフルセットの死闘を演じ、わずかに力及ばず準優勝となったのは昨年の覇者Armada。スマブラDX15年の歴史の結晶ともいえる今大会はスマブラファンに留まらず数多の人々を魅了したことだろう。


※長いです。

DX シングルス ベスト8


叶わぬ夢と果たされる夢。この場に座す者が背負うものは自身の誇りやスポンサーだけでなはく、それまで彼らが打ち破ってきた選手たちの想い。Plup, Hungrybox, Armada, Mew2King, S2J, Westballz, Mango, PewPewU。この8名が目指すのはもちろんその頂点以外にはありえない。三つの正方形、『EVO』のロゴをモチーフにした巨大なステージの中心に佇むのは小さな椅子、机の上にはブラウン管テレビとゲームキューブ。これがスマブラDXの王座を争う舞台となる。

その舞台に初戦に臨む2名の戦士が姿を現す。緩い立ち居振る舞いの裏には凛と気高きアスリート精神が、爽やかな笑顔の裏には凄烈に燃える魂の闘志が宿る。フロリダ出身、Panda Global所属のPlupは同じくフロリダ出身でダブルスパートナーでもあるHungrybox(Hbox)に立ち向かう。第1ゲーム夢の泉、空中戦で大きく分があるHboxのプリンに対し足場を効率的に利用しながらくらいつくPlupシーク。つかみすかしを誘うHboxの罠にもまるでかかる気配のないPlupにHboxは少し押される展開に。最後はうかつにジャンプを消耗したHboxにすかさずPlupが空前を決め見事第1ゲームを取得。戦場での第2ゲームもPlupが徐々にリードを奪い、虚を突く走り込み下強を空上につなげるとストックカウントはPlup有利で2-1。Hboxもすぐさまストックを取り返すが、重要な復帰阻止をミスしダメージを貯めてしまう。そして空前で崖外に出したHboxに怒涛の針(NB)の雨を浴びせて復帰を阻止、Plupが勝利を噛み締めながら小さくガッツポーズを見せた。

うしっ!

続いてステージに上がるのはタイトル防衛に臨むスウェーデン代表Armada、対するは言わずと知れた生粋のスマブラーMew2King(M2K)。『Smash Summit 2』で見せたストレート勝利を再現すべくマルスでArmadaピーチに挑む。相手が低重力キャラであるため美麗なコンボを決めることはできないが細かく的確にダメージを与え、Armadaの復帰にも積極的にプレッシャーをかけていくM2Kマルス。だがひとたびArmadaがステージの支配を奪うとカブ(下B)がM2Kの行く手を阻み、M2K見る見るうちに追い詰められストックを落としていく。120%を超えた状態でArmadaの下スマを2度生き残るなどその卓越したスキルを魅せつけるM2Kだが、スキルであればArmadaも負けていない。M2Kのシールドにカブをぶつけながら復帰、下スマガード漏れでM2Kを上方に飛ばして先ほどのカブに当てて空Nにつなげバーストを得るArmada。最終ストックはArmadaが下Bで引き当てたビームソードを利用しつつ復帰阻止を決め戦場の第1ゲームを制する。第2ゲームはヨッシーストーリー、引き続きArmadaがリードを奪うがM2Kも崖の傾斜を利用した下強復帰阻止で早期KOを得てくらいつく。さらに復帰しようとするArmadaがカブを投げるのに合わせカウンター(下B)を決めて撃墜、1ストックリードを保ちArmadaを最終ストックに追い込む。しかし横B復帰をミスして自滅すると動揺のためかその後の立ち回りもキレを失い、Armadaがそのまま2ゲームを先取して勝者側決勝へと駒を進めた。

じゃあ始めますか

同じ南カリフォルニアでスマブラ人生を過ごし、ローカル大会でも幾度となく同じブラウン管テレビの前に座してきた。「この男には勝てない」、負の思考が頭をよぎる。そんな中Johny "S2J" KimはいつものようにWestballzの隣に座り指を暖める。だが試合が始まればただそれに集中するのみ、両名は戦場で第1ゲームの幕を開ける。初の大舞台での緊張か序盤は両者やや固い動きになるがすぐにそれはほぐれ、Westballzファルコのお家芸エッジキャンセルも猛威をふるう。S2JフォルコンもWizzrobeをほうふつとさせる択狩りや的を得た行動予測でリードを許さない。そして最終ストック、Westballzの上B復帰がS2Jの膝(空前)とトレードされて両者崖外、再び上Bモーションに入るWestballzをS2Jが空下で奈落に叩きつけ1ゲーム目を取得。「勝利するならここしかない」、もうS2Jの思考に曇りはない。舞台は移って夢の泉、S2Jファルコンは1ゲーム目の勢いのままフルスロットルでWestballzファルコに襲いかかる。攻撃だけでなく防御も光り、Westballzにコンボの起点をまるで与えず隙を見つければ再び猛攻に転じるS2J。Westballzは流れを取り返す糸口を見いだせないままラストストックへ、そして暗転。S2Jの膝2発が鈍い音を立て、宿敵Westballzから念願の勝利をその手で奪い取ってみせた。

堂々とした足取りでステージを去るS2J

敗者側をひた走るMangoの次なる相手は「9位の呪い」をついに打ち破りこの場にたどり着いた「知性のマルス」PewPewU。手堅く立ちまわるPewPewUを相手にしてMangoフォックスも非常にシンプルな試合運びを見せる。ヨッシーストーリーでの1ゲーム目はMangoに軍配が上がり、PewPewUは第2ゲームに戦場を選択。このゲームもMangoが力強い立ち上がりを見せ着実にリードを広げている。しかしPewPewUマルスが上投げから空前空前空下メテオを決め、さらに次のストックも投げから早期撃墜につなげ一転してストック2-1とリードを奪う。Mangoも落ち着いてストックを奪い返すがPewPewUがMangoの受け身方向を読んで再びつかみを得るとMangoは窮地に。崖から通常ジャンプで隙をさらしたMangoにPewPewUが追い打ちをかけ、見事第2ゲームを勝利で終える。最終ゲームは夢の泉、ステージ下が広い特性を利用し復帰タイミングを遅延させるPewPewUの行動を見越してMangoがリフ(下B)メテオ、百戦錬磨の勘を魅せつける。そしてそのまま完全に勢いをつかんだMangoは攻撃にも復帰にも隙がない。再びPewPewUの復帰タイミングを完璧に読んでマルスの最後の命を底に沈め、『EVO』3勝目への希望をつないだ。

ここでは終われない

勝者側決勝、Armadaの隣りに座るのは「神」の誰ではなくこの男Plup。戦場で始まったこの試合序盤にリードを取るのはArmadaピーチ。だがPlupシークもArmadaのペースを徐々につかみ、シールドドロップによる奇襲を次々仕掛けて差を縮めていく。ところが残り2ストックで痛恨の崖絶ミスによりつかみかけたチャンスを落とす。その後も必死にくらいつくPlupであるがArmadaが逃げ切る形で1ゲーム目を制す。2ゲーム目も戦場に戻る両者だが、Armadaピーチの鉄壁の前にPlupは攻撃の起点を見つけられない。焦燥を見せるPlupの行動は単調化し、Armadaは半ば機械的な処理でPlupシークを次々に葬る。3-1ストックの状態で崖外に出されたPlupはこの勝負を諦めそのまま落下、Armadaがセットポイントを得る。追い詰められたPlupはポケモンスタジアム/フォックスというカードを切る。Axeにストレート勝利したこともある彼のフォックスは決して並のフォックスではないが、「並外れた」フォックスでなければ無敵艦隊を沈めることはかなわないであろう。Armadaがこのゲームも悠々と勝利し、いち早く決勝への切符を手に入れた。

見据えるのは次の試合のみ

『WTFox 2』でWizzrobeが果たしたHungrybox撃破にこの男も感化されたはずである。『EVO』初のベスト8ファルコンとしての威信を背負い再びステージに上るS2Jは満を持してHungryboxを出迎える。試合分析に熱心なS2Jは当然例の歴史的な試合も徹底的に分析していたことだろう、ステップを多用しじっと攻撃の起点を探る姿はWizzrobeに重なる。牽制として安全な間合いを取りながら空Nを放つたかと思えばHboxのシールドに低空で擦り着地した直後に下投げ膝、同じ技によるアプローチにも択をかけるS2J。だがHboxもすぐに対応、同じ手は2度と食わず行動を読んで自分の攻めを展開していく。思うように攻められないことへの焦りか緊張か、膝につながる好機を幾度も逃すS2JをHboxは容赦なくたたみかけていく。結局S2Jは最後まで自分の試合を組み立てることができず、戦場での2ゲームを連取し次に駒を進めたのはHboxであった。

ファルコンの誇りを胸に

『EVO World 2007』での邂逅以来この2人のライバル関係はスマブラDX界の一大名物であり続ける。夢の泉でGoがかかったかと思えばそこに広がるのは瞬きすら許されぬ壮絶な戦争。M2Kマルスに一度崖外に出されれば帰るのは至難の業、さらに下段足場が消えた状態でつかまれれば強烈な斬撃の嵐が待ち受ける。Mangoフォックスにつかみをすかそうものなら即座に場外へ運ばれ、復帰中にも空後による奇襲が降ってくる。一進一退を経てお互いラストストック、ステップによる探りあいからM2Kがつかみをすかし、MangoのSJに誘われ回避したところを狩られ大ダメージ。最後はMangoが弱を上スマにつなげて第1ゲームを取得。第2ゲームは終点に似た特性から空中コンボに有利なポケモンスタジアムをM2Kが選択、事実このステジアムはM2Kの単独ライブ会場となる。見る見るうちにMangoフォックスの残機を減らし、Mangoの突然のアピールにもひるまず斬撃を浴びせ勝利。しかし続くプププランドではMangoが猛烈な反撃を展開。つかみからのコンボが怖いなら、つかまれなければいいだけのこと。上Bと横Bの復帰がカバーされているなら、空中回避はどうだ。恐ろしく精細な間合い取りでM2Kにコンボ起点をつくらせず圧倒、復帰阻止も拒否し最後まで流れを維持したMangoが争いに終止符を打った。

次はどいつだ?

「決勝で会おう」という約束は果たせなかった。それはそれで仕方がない、だが先に進むのは俺だ--MangoとHungryboxは奇しくも昨年に続き敗者側で相まみえることになる。救世主ネオの名を掲げるMangoはプリンの支配を止めるべく戦場へと身を投じる。勢いに乗るMangoフォックスは1ストック目をノーダメージで奪い2ストック目も猛襲の手を緩めない。プリンという相手にあわやリフメテオで復帰阻止を決めるかといったところでHboxが壁受け身で九死に一生を得、試合は一旦減速。と思ったら再び急加速、ストックを取り合いMangoが優勢、そのままリードを保ったMangoが上投げ空上コンボで第1ゲームをものにする。

おそらくHboxピックのプププランドが拒否され両者は再び戦場へ戻り、Hboxが重要な読み合いを立て続けに制し序盤リードを奪う。だがMangoもガードされれば死という場面で大胆な上スマ、Hboxの予想の上を行く行動選択でくらいつく。しかしここでHboxが空中ではたく(横B)からこの試合初めてのねむるでMangoを早期撃墜して一気にリードを広げる。最後は根気強くMangoの復帰を阻み、1ゲームを取り返し勝負はポケモンスタジアムへ。序盤でリードを得るMangoだが、Hboxが弱起こしねむるでイーブンに持ち込む。さらにHboxがMangoを崖際でつかみ後ろ投げを予感させつつ上投げ、真上に飛ばされたMangoに再びねむるがささりストックは2-1。崖で待機するHboxの誘いに昨年のようには乗らないMango、しかしHboxが空下反転つかみで逆にMangoを外に出す。そしてステージ上に横B復帰すればそこに待ち受けるのはもちろんあの憎きふうせんポケモン。3度目のねむるがMangoフォックスを葬り、Hungryboxが悲願の優勝へ向け大きな一歩を踏み出した。

ねむるプリン、はねるHbox

敗者側決勝はHboxがPlupにリベンジマッチを挑む形となる。第1ゲーム戦場ではPlupシークの横強をHboxがしゃがんでかわし早々にねむるでバーストし、そのままHbox優勢で試合が進む。強力なねむる反確を持たないシークが相手であるため積極的にねむるを利用していくHbox。加えてPlupのらしくないベク変ミスも重なりHboxがリードを広げるかに思われたがここでPlupの上スマ暴れが的中、さらにカメラ外のHboxプリンを空上でとらえストックは1-1でイーブンに。Plupの致命的なつかみすかしにHboxが反応できなかったことも救いとなり、紙一重でPlupが初戦を勝利で飾る。BO5で拒否ができないため当然Hboxはプププランドを選択、Plupのつかみを誘いしゃがんでねむりあっさり1ストックを取る。Plupも決して焦ることなく地道にダメージを与え、重要な場面ではねむるの恐怖にひるまずつかみも決めて1ストック差のまま最終ストックへ。巻き返しをみせたいところだが、足場でHboxの空上に対する受け身の選択を誤り再度ねむるの餌食となる。ヨッシーストーリーでの3ゲーム目はPlupが自滅により最初のストックを落とし大いに動揺を見せる。忍耐を失いまるで一貫性のないプレイが続くPlupからHboxは容赦なくストックをもぎ取り、加えてしゃがみで挑発してPlupの心理にも追い打ちをかける。

3機残しで敗北したPlupは再びヨッシーストーリーを選ぶが、再びつかみすかしにねむる、下スマにしゃがみカウンターでねむるを当てられ大きく突き放される。このねむるで目が覚めたのか、執拗にしゃがみカウンターを狙うHboxに地上戦を挑むのをやめ空中戦に集中、ストックを2-2に持ち込む。Hboxのねむるすかしにも救われ逆にリードを奪うPlup、大きなダメージビハインドのままHboxは追い詰められる。「追い詰められる」?この男の辞書にそんな言葉はおそらくない、あったとしてもそれは我々のものとは異なる定義であろう。彼にとって「追い詰められる」ことは自分の力を証明する絶好の機会、そして今回もその一つ。足場から降りるPlupに上強を合わせてねむるにつなげる脅威的な判断力がHungryboxにこの試合の勝利、そして再び『EVO』決勝の舞台に立つ権利をもたらした。健闘を見せたPlupは昨年の4位から一つ順位を上げた3位でこの大会を終えた。

必ずまた戻ってくるよ

そして天王山。一年の時を経てこの場で再開を果たす二人。お互いがお互いを倒すために惜しみない研究・訓練を重ねてきた。20万人が見守る試合、その成果を見せるのにうってつけではないか。選ばれたのステージは戦場、Armadaフォックスの横B自由落下とHboxプリンの「ジグリーパフ!」という前座を挟み本戦が始まる。Hboxの復帰阻止が猛威を振るう中Armadaもステージの中心を確保しつつ安全な間合いを取りブラスター(NB)、ステップから好機を見つけてHboxの間合いに入りダメージを蓄積、きっちりバーストまで持っていく。上段足場から空前空N、下段足場に降りて上スマというコンボも光りはじめの1ストック差をなくすArmada。しかし最後はHboxがArmadaがリフで対応しようとする中でも復帰阻止を決めきり重要な第1ゲームをものにした。ポケモンスタジアムでの2戦目、ステージ中心を譲らないArmadaをHboxはステージ端に誘い出そうとするが簡単には乗ってくれない。だったらこっちから近寄ってつかみを誘ってみよう、Hboxの策略に今度ははまり、上投げからねむるを当てられるArmada。昨年の『EVO』ではHboxの崖つかまり遅延にArmadaが下強で対応したが、今度はHboxが逆に下強を誘い出して反確を取る場面も。もちろん復帰阻止にも釣り餌をしこむHbox、崖外に走りだすモーションを見せて瞬時に反転、Armadaの横B復帰にねむるを合わせる。Armadaもいくらか反撃を見せるが力及ばず、Hboxがトーナメントリセットに王手をかける。

後がないArmadaは終点を選択、ステージ中心にはこだわらず距離をとって着実にブラスターを撃ちHboxにアプローチを強いる。逆に誘い出される形となったHboxにArmadaは安全かつ効率的にダメージを与えみるみるリードを広げていく。HboxはArmadaの防御に付け入る手がかりを見いだせず3タテで敗北を喫する。その流れはHboxのホーム、プププランドでも変わらず、あわや4タテといったところからわずかに巻き返すも及ばず、今度はArmadaがタイトル防衛に王手。舞台は戻って戦場、膠着状態が続く中それを破ったのはArmadaフォックスの弱+上スマによるバースト、しかしその後Armadaが手痛い復帰ミスですぐさまストックを落とし試合はイーブン。Armadaはリフを多用しライン確保を徹底、固い守りの体制に入る。Hboxも弱すかしを空後につなげる変則的な連携を交えArmadaの壁を崩しにかかるがリードは奪えず1ストック差のままラストストックに。着実にダメージを与え続けるArmadaフォックスの前にHboxプリンは早くも撃墜%、上投げ空上をSDI(ヒットストップずらし)で生き残りつつなんとか復帰阻止でストック数を並ばせる。そして--。その動作はほんの1/60秒かもしれない。だがそれは、比類なき才覚、何千時間に渡る鍛錬、そしてあらゆる逆境を撥ね退ける鋼の意思が初めて可能にする刹那。Hungryboxの渾身のねむるが稀代の逆転を生み、世界の頂点を決める争いにここで一度リセットボタンが押されることになる。

万感の想いを込めて

第1ゲームは戦場、自分の戦略・技術力への確かな自信か、Armadaはこの期においても大きくプレイスタイルを変えることはなく堅実な立ち回りを維持する。しかし容赦無い空中での追撃の姿勢には勝利に飢える狩人の顔が垣間見える。序盤のHboxの勢いを断ち切り、Armadaが2セット目の初戦を制する。常人にはこれまでと何らかわりのない要塞の如きArmadaフォックスでも、勝利へのかすかな焦りがこの男には見透かされているのだろうか。Armadaのディフェンスを崩す足がかりを見出し始めたHboxが優勢を保ち勝負を決めゲームは1-1。しかし終点という強力なカウンターピックにより再びArmadaがHboxを粉砕し、セットポイントならびにトーナメントポイントを先取。

自分の故郷を信じてプププランドを選択するHboxであるが、第1セットと同じくArmadaがゲームを支配、ねむるすかしも痛手となりストック先行を許す。だがそんなミスに揺さぶられるようではもうこの場にいないであろう。Armadaの起き上がりに今度はきっちりねむるを合わせ、反確上スマとストックを交換し両者の残機は1、ダメージは0%。ダメージ差で先行するのはArmada、Hboxはまたも絶体絶命の窮地に立つ。そして「窮地」はすなわち「好機」、下段足場の真下という位置取りを維持するHboxの策にArmadaが掛かる。上投げでArmadaを足場に追いやり空上、そしてプリンの寝息とほぼ同時に「GAME!」のアナウンスが響く。Armadaが選ぶのはやはりポケモンスタジアム、だがここに来てArmadaのプレイスタイルに陰りが見られる。追撃に夢中になりあっさりとステージの支配権をHboxに明け渡してしまう。そして終幕はすぐそこに--。

何年間であろう、このタイトルに飢え続けるのは。そろそろお腹を満たしてもバチは当たらないだろう。燃え尽き奈落に落ちるはフォックス、最後にスタジアムに立つのは緑ハチマキを頭に結ぶプリン。フロリダ出身のプリン使い兼エンジニア、彼の執念と上を目指し続けるハングリーな心意気に訪れるのは福音。2,000人を超えるプレイヤーがしのぎを削った『EVO 2016』DXシングルス、Juan "Hungrybox" DeBiedmaがその頂きで魂の雄叫びを上げた。

見果てぬ夢ではなかったのだ

最終結果[昨年順位]
1位:Hungrybox(プリン)[2位]
2位:Armada(ピーチ、フォックス)[1位]
3位:Plup(シーク、フォックス)[4位]
4位:Mango(フォックス)[5位]
5-6位:S2J(ファルコン)[17位], Mew2King(マルス)[不参加]
7-8位:Westballz(ファルコ)[13位], PewPewU(マルス)[9位]

トーナメント表

2016年7月17日日曜日

日本の北米侵略、頂点の座はカナダのAllyへ --『EVO 2016』Wii U版 シングルス

世界中の豪傑が火花を散らす格闘ゲーム総合大会『EVO (Evolution Championship) 2016』、Wii U版(SSB4)シングルスは早くもクライマックスを迎えた。1日目を勝ち抜いた32名の怪物によるサバイバル、最後に一人残ったのはカナダが生んだ巨星、マリオ使いAllyであった。Allyに敗れたもののMr. R, あーす, VoiD, そしてZeRoというビッグネームを次々なぎたおし準優勝を得たのは日本のロックマン、かめむし(かめめ)選手。他の日本勢はらないとあばだんごが5位タイ、あーすが9位タイ、KENが13位タイ、古森霧が17位タイという成績を収め、日の丸の底力を世界に知らしめてくれた。



SSB4 シングルス ベスト32 -> 16


初戦は勝者側、今年に入って一気にその頭角を表したVoiDに対するは昨年の『EVO 2015』で一躍脚光を浴びたゲーム&ウォッチ使いRegi。Regiのトリッキーな動きにも一切動揺を見せないVoiDシークが2-0で堂々の勝利。

続いてあばだんごが「最強のフォックス」と名高い難敵Larry Lurrとぶつかる。先月の『CEO 2016』に引き続きあばだんごミュウツーが終始試合の流れをつかみ、2ゲーム目にLarryが繰り出したドンキーにも一切ひるむことなくストレート勝利を飾る。

『GENESIS 3』でのパフォーマンスで世界に名をとどろかせた日本のむらびと使いらないは優勝候補の一角であるNairoと相対する。淀みなく流れるNairoゼロサム(ゼロスーツサムス)の猛攻を紙一重で受け流しつつ自分の攻撃を差し込んでいくらない。Nairoが空上連上Bコンボをミスしたことにも救われゲームカウントは1-1に。息を呑む3ゲーム目ラストストック、Nairoゼロサムの腰にらないの斧(下B)が突き刺さり、らない村長が村の治安を維持してみせた。

拳を可愛く突き上げるらない

Ally(マリオ)はにえとのを破ったディディーdyrをまったく寄せ付けず勝利。Dabuz(ロゼッタ)は日本のクラウド古森霧がステージ選択で仕掛けた心理戦に動揺を見せたが、ゲームに入ると圧倒的な力を魅せつけきっちりと勝利する。X時代からのピット使いあーすはANTiを敗者側に送り込んだロゼッタ/ルキナプレイヤーXaltisを悠々と下しベスト16入りを決める。

続いて登場したのは初の海外遠征に臨む日本代表かめむしとX時代から世界を渡り歩くオランダ代表Mr. R。持ち前のスタイリッシュな連携でかめむしロックマンを翻弄してリードするMr. Rシークだが、かめむしのダウン連コンボが美しく決まると流れがリセットされる。不運な自滅によりこのゲームを落とし、さらに次のゲームも早々に自滅し動揺がみられるMr. R。そんなオランダ代表にかめむしは再び容赦なくダウン連コンボを決め、最後の上強のフォームを再現するかのようにガッツポーズを見せた。

前日ZeRoに勝利して勢いづくMr. Eはニューヨーク地区の同士Vinnieとの戦いに挑む。乱暴にも思えるMr. EマルスのオフェンスをVinnieシークは丁寧な対応でかわしていく。Mr. Eは二度の空N先端当てで1ゲームを取ったものの力及ばず、Vinnieが勝者側を勝ち進む。

一方で敗者側ではZeRoがHyugaと古森霧を下し敗者側マラソンを続ける。日本のソニックKENもTyrantとdyrを破ってベスト16に。またTrelaがESAMから2-1で勝利をつかみ、さらにMr. Rからもフルセットの末勝利し望みをつなぐ。その他Nairo, Larry Lurr, Mr. E, Marssが敗者側ベスト16に残留した。

SSB4 シングルス ベスト16 -> 8


ベスト8の座、すなわちメインステージに立つ権利を争う戦いは午前中とは思えないほど熾烈なものとなる。

勝者側第1試合は日本人同士の戦い、あばだんごvsらないとなった。国内の戦績ではらないに分があるカードではあるが海外遠征に強いのがあばだんごという男であり勝負は蓋を開けてみるまでわからない。あばだんごミュウツーはねんりき(横B)でらないむらびとの空前空後やはにわ(横B)という主要な置き技を徹底的に封じにかかり、らないは解答を見いだせず1ゲーム目を落とす。だが2ゲーム目には飛び道具のタイミングに択をかけ、あえてねんりきを誘い出してアプローチするなど早くも適応をみせて勝ち星を取り返すらない。戦場での3ゲーム目ではあばだんごがステージ特性を活かして終始ラインを確保、らないはなかなか立ち入る隙を見つけられずリードを許す。最後はらないがハニワで着地のタイミングをずらそうとしたところにあばだんごが上スマを合わせ、昨年に引き続き日本のホープがいち早くベスト8入りを決めた。

渾身の上スマッシュ

『WTFox 2』で初のメジャータイトルをものにし波に乗るDabuzの前に立ちはだかるのは他でもないAlly。AllyマリオはDabuzの呼吸を完全に掌握したかのごとく針の穴を通すような精彩さでロゼッタとチコに割り込み、後ろ投げの反動を利用しチコを次々葬る。それでもDabuzは忍耐を失うことなくAllyの立ち回りが粗くなる瞬間を見定めて反撃していく。第2ゲームで序盤リードを奪うDabuzであったが肝心の一発を決められず、Allyマリオの後ろ投げがDabuzを敗者側へと送り込んだ。

そしてまたしても日本人同士が勝者側で相対することになる。かめむしロックマンは国内戦では負け越しているあーすピットに満を持して挑む。Mr. Rのような派手さはなくとも揺らぐことのない確固たる基盤を持つあーすとの大乱闘は非常に根気を要する戦いとなる。幾百、あるいは幾千の細かな読み合いを両者一歩も譲らずゲームカウントは1-1。あーすはステージの傾きを利用してかめむしのロックバスター(いわゆる豆)を封じる狙いかライラットクルーズを選択、再び精神を削る読み合いが始まる。一進一退の末両者最終ストック高%、かめむしがメタルブレード(NB)を当てて空後へとつなげ、ピットの力ない呻き声とともに勝者をたたえる歓声が会場に響き渡った。

勝者側最終試合ではVoiDとVinnieのシークミラーが繰り広げられる。昨年であれば互角かあるいはVinnieのほうが格上であったかもしれない。だがVinnieが引退を宣言したり撤回したりしている間にもVoiDは日々研鑽を重ねてきた。その月日が彼にもたらした疑いようのない実力は確かにこの試合に表れる--低空ふみつけ復帰阻止、虚を突く上スマ先端当て、逆境を好機へと変える降下空上。まさに圧巻と言うべきパフォーマンスで1ストックも落とすことなく勝利をおさめたCounter Logic Gamingの若きエースがメインステージへの切符を手に入れた。

敗者側ではLarry LurrはX時代からのライバルNairoを2-1で撃破し勝者側から送られてきたVinnieと闘う。Larryが熱く闘志を燃やす中Vinnieは押し返す気力も欠けていると見え、ベスト8の座はあっさりとLarryへと明け渡された。

一方でZeRoがKENを下して再び日本人選手、あーすと対戦する。ここに現れたのは『CEO 2016』のZeRoでもなければ『WTFox 2』のZeRoでもない。敗者側での連戦を経て彼が今身にまとうのは絶対王者の風格。「地球」を冠する相手を完封する彼の姿は地球一のスマブラーの座に相応しい。全力での戦い、そしてレッドブルによる乾杯を通じて結ばれた王者との絆を手土産に、あーす選手はトーナメントを後にした。

「スマブラの未来に」

マルス使いの弟Pugwestを持つMarssにとってMr. Eのマルスは脅威ではないか、2-0で悠々勝利を収め、ベスト8を賭けてらないと対峙する。Nairoとの激戦を勝ち残ったばかりのらないはMarssゼロサムが執拗に狙いに行く早期KOへの仕掛けをひらりとかわし続ける。Marssのむらびと経験不足も目立ちらないが危なげなく勝ち残り、あばだんごとかめむしに続いて次なる戦いに駒を進める。

Dayルカリオを下し快進撃を続ける「最強のリュウ」TrelaであったがDabuz打倒には力及ばず9位で大会を終える。ベスト8最後に残された切符を握りしめ、Dabuzは他の7名とともに運命の決戦へと臨む。

SSB4 シングルス ベスト8


続きはまた後日!(需要があれば...)

最終結果
1位:Ally(マリオ)
2位:かめむし(ロックマン、クラウド、ヨッシー)
3位:ZeRo(ディディー、シーク)
4位:VoiD(シーク)
5-6位:あばだんご(ミュウツー、ロゼッタ), らない(むらびと)
7-8位:Larry Lurr(フォックス、ドンキー), Dabuz(ロゼッタ)

トーナメント表(公式のものが未更新のためLiquipediaから)

2016年7月11日月曜日

Wrathの脅威、『沈黙』のソニック

Midwest Mayhem 4』で6WXがソニックを操りWii U版(SSB4)シングルス優勝を果たす一方でアトランタで行われたローカル大会『Divine Intervention』でもあるソニック使いが勝利した。

この大会ではスマブラDXの「五神」の一角として知られるプリン使いHungryboxがFatalityを3−2で下す活躍を見せて勝者側決勝に進み、かのソニックプレイヤーと対峙する。

才覚に満ちる神童Wrathが駆使するソニックは百戦錬磨の巨神Hungryboxに対しどのようなプレイを魅せてくれたのだろうか。


誰もがその光景に息を呑む。深淵な心理戦を匠に仕掛け対戦相手、運営、そして観衆すらも「沈黙」の泉に飲み込まんとするWrath。だがHungryboxもWrathの支配から逃れるべく鋼の精神で抵抗してみせる。しかし永遠にも思える戦いの果て、揺るがぬ支配についに屈服したHungryboxは自らその命運を断った。

沈黙を操る神の子Wrathは今週末の『EVO』にも降臨する。立ち向かう戦士たちはもちろん、我々見守る側も相応の覚悟が必要となるであろう。

2016年7月10日日曜日

6WXソニックが念願のタイトルを手に --『Midwest Mayhem 4』

アメリカ中西部の月例大会『Midwest Mayhem 4』が開幕し、各種目の王座が争われた。特にWii U版(SSB4)種目では地元プレイヤーの他多数の世界的タレントが参加し熱戦が繰り広げられた。そんな中でソニックを操る6WXがJJROCKETS, Ally, Hyugaらを下し堂々の1位に輝いた。ダブルスではAlly/Hyugaペアが1ゲームも落とすことなく圧巻のパフォーマンスで優勝を果たした。

SSB4 シングルス TOP 8

ZinotoがSeagull Joeに1-2で敗れる波乱があったものの他の上位陣は順当に駒を進める。ベスト8勝者側にはAlly, 6WX, Seagull Joe, Hyugaが残り、敗者側にはDarkshadLegend, Pink Fresh, Zinoto, tyroyが残留した。

開催地シカゴのプレイヤーJJROCKETSやNedが姿を消す中望みを託されたtyroyはZinotoという大きな壁にぶち当たる。マリオ、シーク、カムイとあらゆるサブキャラを試すがどれもZinotoディディーには通用せず、0-3で敗退を喫する。

続く試合はPink Fresh vs DarkShadLegend、ベヨネッタ対リュウという非常に変動的なカードとなる。Pinkベヨネッタが空中即死連携を決めればDarkShadリュウは弱上強連からの昇竜拳をぶっ放す。Pinkが崖際で弱上強連から脱しようとベク変すればそれを逆手に取ってDarkshadは空下メテオを当て、Pinkもウィッチタイムで意表をついてバーストを返す。フルセットの戦いの末、Pinkベヨネッタの空後がDarkshadリュウの復帰にきれいに刺さり勝者が決まった。

勝者側では今大会最有力とみられるAllyが6WXと対決。6WXソニックの自滅もありすま村でしっかりと1ゲーム目を取得するAllyマリオだが、ここからは非常に苦しい戦いを強いられる。6WXピックのダックハントでは6WXが序盤リードを奪うとステージの広さや高い足場を利用し待ちの姿勢に入る。最後まで6WXを捉えられないAllyはリードを取られたまま無念のタイムアウトでゲームを落とす。続くゲームはAllyが比較的ソニックを捉えやすい戦場を選択。しかしここでも序盤にリードを許し、最終ストックでは徐々に差を詰めるものの肝心のバースト技を当てられない。159%-147%という状態でまたしてもタイムアウト負けとなり追い詰められる。ここでみんなの切り札クラウドを繰り出すAllyだがそれでも6WXのスピードは止められず、3-1で勝ち進んだのは孤高のソニック使いであった。


一方でHyugaトゥーンリンクは相変わらずの計算された飛び道具利用とバースト機会を逃さぬ神眼でSeagull Joeにストレート勝利し勝者側決勝へ。

そして敗者側準々決勝ではなんと決勝カードと見られていたAlly vs Zinotoという試合が行われた。モントリオールに近いこともありミシガン地区との交流も深いAllyはZinotoとはよき友でありライバルでもある。車での移動中さえもともにプレイするという二人の駆け引きの深淵はもはや当事者にしかわかるまい。そんな両者の激しい殴り合いは、Zinotoディディーのフリップ(横B)にマリオの上Bが綺麗に合わさってフィニッシュ。3-1でAllyが勝利し、友を置いて先に進む。

Seagull Joeは対ベヨネッタにより有利とみてかディディーを選択しPink Freshを迎え撃つ。この選択が奏功してか、バナナの処理に戸惑うPinkにうまくつけいったSeagullが1ゲーム目を取得。しかしここからはPinkがゲームプランを練り直して2ゲームを奪い返し、最後はSeagullのフリップに正面から横スマを放ちSeagullディディーを粉砕した。

6WX対Hyugaの勝者側決勝はすま村で開幕。Hyugaが動く足場の上で弓(NB)、爆弾(下B)、空前という一糸乱れぬコンボで1ストック目を取るものの、6WXも隙のない復帰阻止でHyugaから2ストックを奪いこのゲームを制する。Hyugaの神眼も音速を前にしては精度を欠くのかなかなか6WXソニックを捉えることが出来ない。ステージの支配権はHyugaトゥーンリンクにあるように見えるがそもそもソニックは端を好む生き物なので気にもとめない。Hyugaも懸命にくらいつくものの力及ばず、このせっとは6WXに軍配が上がる。

敗者側準々決勝ではAllyがPink Freshに対し終始リードを許さず、3-1で勝ち進みHyugaを出迎える。ここでは先程の試合からの開放感を楽しむかのごとくHyugaがリズムよく飛び道具や空中攻撃を放っていく。当たれば死が待つ爆弾の雨を避けながらAllyもお決まりの上スマで反撃する。だがやや慎重さに欠けるAllyの立ち回りを見逃すHyugaではなく、3-1でAllyを打ち破り6WXとの再戦に臨む。


運命の決勝、ここでは勝者側決勝とは打って変わりHyugaが力強い立ち上がりを見せる。勝者側の余裕からくる気の緩みかHyugaの仕掛けに次々にはまる6WXはあっさりとストレート負けでリセットを許してしまう。さらに第2セットの1ゲーム目もHyugaが勝利し勢いに乗る。このまま押し切りたいHyugaだが敵の勢いを殺すのはソニックのお家芸でもある。一転して堅い防御的な立ち回りに切り替えた6WXはプププランドでの2ゲーム目を勝利で飾ると続けて村と街での第3ゲームも勝ちきり、優勝に王手をかける。

第4ゲームは再び村と街、Hyugaが粘り強く自分のプレイを組み立て最初のストックを奪うとそのリードを死守。タイムリミットも迫る中6WXは必死にアプローチを試みるものHyugaを崩すことは出来ずゲームを落とし、勝負は第5ゲームライラットクルーズへ。最初にストックを奪うのは6WXだがHyugaもダメージを30%台に抑えて奪い返しお互い最終ストック。6WXが根気強く徐々にリードを広げるが自身も撃墜%にじりじり近づく。極度のプレッシャーの中その瞬間が訪れる--ステージ端から中心に移行しようするHyugaのジャンプに空上が合わさり、さらに下アピールまできっちりと決まると6WXの優勝、そしてHyugaの準優勝が確定した。


最終結果
1位:6WX(ソニック)
2位:Hyuga(トゥーンリンク)
3位:Ally(マリオ、クラウド)
4位:Pink Fresh(ベヨネッタ)
5-6位:Seagull Joe(ソニック、ディディー), Zinoto(ディディー)
7-8位:DarkShadLegend(リュウ), tyroy(マリオ、シーク、カムイ)

トーナメント表

2016年7月4日月曜日

『WTFox 2』 2日目 Wii U版/ DX シングルス TOP 8

アメリカ・テネシー州で開催された総合スマブラ大会『WTFox (What The Fox) 2』が熱狂のうちに幕を下ろした。Wii U版(SSB4)シングルスではZeRoを破ったDabuzとMr. Rが決勝を争い、優勝を手にしたのはDabuzとなった。DXシングルスではMang0がArmadaをストレートで下す快進撃で『DreamHack Austin』以来のメジャータイトルをものにした。またMew2KingがHungryboxから3-0で今年初となる勝利を奪う活躍を見せた。昨日大金星を挙げたWizzrobeはMang0, Mew2King相手にフルセットまで持ち込んだものの一歩及ばず4位で大会を終えた。

SSB4 シングルス TOP 8

ベスト8勝者側に残ったのは下馬評通りZeRo, Mew2King, Dabuz, Mr. Rの4名。敗者側にはDarakShadLegend, ScAtt, Player-1, ScAttが残った。 

ZeRo(ディディー) vs Mew2King(クラウド)ではZeRoが『Get On My Level』のリベンジを果たしストレート勝利を飾る。Dabuz(ロゼッタ)とMr. R(シーク)の戦いは精神をすり減らす長期戦の末3-2でDabuzに軍配が上がる。

ロックマン使いScAtt、ファルコンメインFatalityがそれぞれDarkShadLegend(リュウ)、Player-1(ディディー)をそれぞれ力強く下しベスト6へと駒を進める。Mew2Kingは依然としてScAttロックマンへの対応策を見出だせず、幾度も低%復帰阻止をくらい1ストックも奪うことが出来ないまま敗北を喫する(最終ゲームはロゼッタを繰り出したが空振りに終わった)。一方でFatalityはシークへのカウンターピックとしてメタナイトを使用するがハイリスクで一貫性を欠く立ち回りはMr. Rに通用しない。ファルコンに戻してもやはりMr. Rの防御を崩すには至らず、こちらも完封で(道連れ空下メテオで落としたストックをカウントしなければ)Mr. Rの勝利となる。

幾度となくこの男に優勝への道を閉ざされてきた。だが重ねてきた研鑽の日々はきっと不可能を可能にしてくれる--。Dabuzの強い意志はコントローラを伝わり宇宙の旅人へと注がれる。彼の操るロゼッタは宿敵ZeRoの操るディディーに対し一歩もゆずらない堅固な守りを展開する。一方でZeRoはチコの処理のタイミングを見誤るなど不安定な試合運びが目立つ。とはいえやはりZeRoはZeRoであり、バーストの機会は逃すことなく確実にものにし、終点と戦場でゲームは1-1に。だがやはり不安が残るのか、ZeRoはクラウドを選択して次のゲームへと臨む。非常に的を射たリミットブレイク利用や執拗なまでの空中攻撃のプレッシャーでZeRoクラウドはDabuzの壁にヒビを入れる。しかしそのヒビはヒビのままで終わることになる--最後まで自分の信じるキャラ、スタイルを貫いたDabuzが3-2でついにZeRoから勝利を奪ってみせた。

敗者側準決勝ではScAttが自身を敗者側に追いやったMr. Rと再び相まみえる。1ゲーム目を2タテで落とし、ロックマンがやはり通用しないとみたScAttはリュウを繰り出す。しかし空上から下スマにつなげてバーストを得るような男相手にはその火力を存分に活かすこともできず、Mr. Rの上スマがScAttの4位敗退を告げた。

続いて敗者側決勝、Mr. RがZeRoを戦場で出迎える。ZeRoディディーは先程の負けを感じさせない力強い立ち上がりをみせるが、らしくない自滅により1ゲーム目を落とす。続くプププランド戦ではMr. Rが序盤のリードを奪いZeRoは後ろからくらいつく展開となる。Mr. Rのベク変により下強上スマがはまらないとみて下強空後を当てに行くなど判断力はさすがであるが、序盤のビハインドが響きこのゲームも落としてしまう。追い詰められたZeRoだが、プププランドでの再戦では接戦を紙一重で制して1ゲームを取り返す。ダックハントでの第4ゲームでは横強空上でMr. Rシークが最初のストックを取り、ZeRoディディーも下強上スマですぐさま反撃する。息を呑む一進一退の攻防の末、崖奪い空後でゲーム、そして試合を勝ち取ったのはオランダの雄Mr. Rであった。

そして決勝戦は再びこの二人、DabuzとMr. Rによって争われる。1ゲーム目はMr. Rが突拍子もなくリンクを持ちだすが、あまり仕上がっている様子ではなくあっさりと落としてしまう。シークに戻り、横Bや横スマなどあまり使用頻度の高くない技を随所に織り交ぜDabuz打倒の糸口を探るMr. R。対するはあくまで堅い防御と地道な空中プレッシャーを貫くDabuz。このゲームはもちろん美しさを競うゲームではない。「地味で退屈」と言われようが「派手で変則的」といわれようが、相手のストックを多く奪ったものが勝者である。そしてその勝者の名はSamuel Robert Buzby、またの名をDabuzという。


最終結果
1位:Dabuz(ロゼッタ)
2位:Mr. R(シーク、リンク)
3位:ZeRo(ディディー、クラウド)
4位:ScAtt(ロックマン、リュウ)
5-6位:Mew2King(クラウド、ロゼッタ), Fatality(ファルコン、メタナイト)
7-8位:DarkShadLegend(リュウ), Player-1(ディディー)

トーナメント表


DX シングルス TOP 8

ベスト8の争いは敗者側Hungrybox vs SFATからスタート。戦場の第1ゲーム、開幕からねむる(下B)を2連続で当てたHungryboxプリンはそのまま勢いを保ちSFATフォックスを4タテで下す。終点での第2ゲームはSFATも持ち直して勝ちを収めたものの、プププランドでは完敗を喫する。第4ゲームポケモンスタジアムは互角の戦いになるも、最後はHungryboxが押し切って3-1で勝者となる。

DuckとThe Moonの戦いはDuckが大いに苦戦を強いられる。上からの復帰の選択肢に欠けるサムスというキャラの弱点を徹底して攻めるThe Moonマルス。Duckは幾度も復帰中The Moonの下強をくらいストックを落とし、地上戦での挽回もかなわず0-3で敗北しステージを後にする。

『Smash Summit 2』での3-0が記憶に新しいMew2King とArmadaが勝者側でぶつかる。前回猛威を振るったマルスでArmadaのピーチに向かっていく。終点ではさすがのパフォーマンスでArmadaにリードを許さずきっちり勝利するMew2King。しかしArmadaピックのプププランドでは広大なステージをArmadaピーチが完全に支配しMew2Kingを4タテする(最後はMew2Kingの試合放棄だが)。戦場では一進一退の末Mew2Kingがステップから果敢な横スマでArmadaの最終ストックを奪い取る。第4ゲームArmadaはカブ(下B)を抜くスペースを確保するためかポケモンスタジアムを選択。事実間合いをとって大量のカブでプレッシャーをかけ、Mew2Kingは押し返すことが出来ず敗北。なにか強い裏付けがあるのかそれともやけになったのか、Mew2Kingはヨッシーストーリー+シークを選択する。序盤はリードを奪い観衆の疑問を払拭するが、その後はすぐ劣勢となりあえなくゲームを落とし、敗者側に送られる。

続いてステージに上がるはMang0、例のごとく遅れてWizzrobeが登場。ゲームに入るまではじれったいほど準備に時間をかけるWizzrobeだが一度GOがかかればその動きは一瞬で最大まで加速する。Mang0フォックスに対し昨日のHungrybox戦で見せた「待ち」の姿勢とは打って変わって果敢なアプローチを見せるWizzrobeファルコン。1ゲーム目プププランドはMang0が非常にスマートな立ち回りでWizzrobeを抑えこみ勝利する。だが2ゲーム目の戦場ではWizzrobeの投げからの受け身狩りやガードキャンセル空下がきっちりはまり、膝(空前)でフィニッシュを決めた。続くヨッシーストーリーは終始互角の戦いとなるが、最後はMang0がシンプルにリフメテオで復帰阻止を決めてゲームカウントは2-1に。再びプププランドに戻る両者だが、ゲーム開始とともにWizzrobeの膝、下投げ、膝カス当てがMang0フォックスのストックを5秒で奪う。そのまま勢いに乗るWizzrobeがMang0を押し切る形でこのゲームを奪い、勝負は第5ゲーム夢の泉へ。ここではMang0のステップからの多彩な連携、冷静な復帰阻止、美しい絶リフ上スマが輝きを放ち、圧巻のパフォーマンスでWizzrobeファルコンを打ち砕いた。

Mew2KingはHungryboxに対し今回ははじめからフォックスを当てる。開始早々横Bで自滅すると会場から落胆のため息が漏れるが、それはのちに感嘆のため息に変わることになる。徹底的にブラスター(NB)でダメージを重ねるのはいつものとおりだが、今回はきっちりステージの中心を維持しHboxに復帰阻止の起点を与えないMew2King。単純な上スマを狙うだけでなく降下空上などを織り交ぜて次々ストックを奪うと気づけば逆転、そして勝利。Hboxは迷わずプププランドを選択し、開幕から2回ねむるを当ててリードを奪う。だがMew2KingはHbox相手に危険な状況から何度も復帰し徐々に差を詰め勝負はラストストックへ、そして勝利。憤怒の雄叫びをあげジャケットを叩きつけるのはHbox。だがこうなったMew2Kingを誰が止められるだろうか。ステージは再びプププランド、Hboxは一発目のねむるがチップとなり不運な立ち上がりとなる。だがHboxもそう簡単に心を折られはせず勝負は再び最終ストックにまでもつれこむ--そしてまたその瞬間が訪れる。Leffem, Armada, ZeRo...。プリンの起き上がりにフォックスに上スマが刺さると、Mew2Kingの劇的な3-0勝利の歴史にHungryboxの名が刻まれた。



この後Mew2KingはWizzrobe(The Moonに3-1で勝利)に3-2で勝利するも敗者側決勝ではArmadaに1-3で再び敗北、3位に終わる。Mang0はフォックスとマルスでArmadaのフォックス/ピーチを寄せ付けない非常に不可解かつ安定したプレイで勝者側決勝を3-1,決勝を3-0で制し優勝を成し遂げた。彼は終了後のインタビューでArmadaは本調子じゃなかったと言及しつつ、「俺にはマルスがあるから終点を選んでもむだだぜ」と語りEVOに向けての意気込みを見せた。

最終結果
1位:Mang0(フォックス、マルス)
2位:Armada(ピーチ、フォックス)
3位:Mew2King(マルス、シーク、フォックス)
4位:Wizzrobe(ファルコン)
5-6位:Hungrybox(プリン), The Moon(マルス)
7-8位:SFAT(フォックス), Duck(サムス)

トーナメント表

2016年7月3日日曜日

『WTFox 2』 1日目 DX シングルス/ダブルス他

昨年初開催ながら多くのドラマを生み高い評価を得たシリーズの第2回『WTFox (What The Fox) 2』が開幕し、今回も1日目から戦いは白熱を極めた。DXシングルスはベスト8まで出揃ったが、ここまでの中でなんとWizzrobeがHungryboxをストレートで下す稀代の大金星を収めた。Hungryboxはその後敗者側でWestballzを撃破してベスト8には進んだものの、明日の展開が非常に気になるところだ。Wii U版(SSB4)ダブルスではZeRo/Mr. RがDabuz/Mew2Kingを破り優勝し、DXダブルスではArmada/Mew2Kingが予想外の健闘を見せたSFAT/dizzkidboogieペアを凌いでチャンピオンとなった。

DX シングルス TOP 32 -> 8

今大会は前回に引き続きベスト32が揃った時点からBO5(5番勝負)というフォーマットで、面白い試合を長時間楽しむことが出来た。

勝者側1回戦、Armadaは地元テネシーのピーチメインIoriを3-0で悠々と倒し続く試合はDuck vs Colbol。ド派手な殴り合いではなく緊迫した探り合いを続ける両者の試合はフルセットにもつれ込むが、Duckサムスが1-3ストックから逆転を果たしColbolフォックスを打ち破った。

続いてステージに上がるのはWestballzとThe Moon、こちらも激闘を繰り広げる。今年に入って着実に実力を伸ばしてきたThe Moonの白マルスは基本に忠実な立ち回りでWestballzファルコの変幻自在なプレイに惑わされることなく対応していく。戦場に加えてWestballzの故郷ヨッシーストーリーでも勝利を収めたThe Moonは第5ゲーム、終始リードを保ち最後は下強復帰阻止でWestballzを泉の底へと葬った。



遅刻によりダブルス欠場となったMang0がシングルスで姿を見せたと思えば伝説のKenカラーマルスでDarkatmaのピーチとシークをストレートで粉砕し勝ち進む。Mew2KingもフォックスでPrice Abuプリンを終始圧倒し順当にベスト16へ。その他Hungrybox, Wizzrobe, SFATも勝者側に残った。

ベスト16の初戦はArmada vs Duckという低重力キャラ勝負となる。精神を削られる長時間の戦いの中根気強いラインの奪い合いが続くが、やはり最後に支配権を得るのはArmadaピーチか。Duckも各ゲームくらいつくものの力及ばず、Armadaが3-0で一足早くベスト8入りをものにした。

Mang0はSFATを相手にしても再びマルスを使用して戦いを挑む。プププランドの1ゲーム目はややMang0の不安定さが目立ちSFATが制すが、徐々に勢いに乗り感覚をつかんだMang0は自分こそが伝説だと言わんばかりの猛攻でSFATにプレッシャーを与える。もちろんSFATも確かな実力を備えた世界屈指のフォックス使いである。彼はMang0の不可解な行動にも混乱せずしっかりとその隙を狩っていき大きなリードは奪わせない。だが波に乗るこの男を止めるのは至難の業か、戦場で1ゲーム、ポケモンスタジアムで2ゲームを取得しMang0がArmadaに続いて勝ち上がる。

続いてMew2KingがThe Moonと対峙し、戦場の第1ゲームはシーク vs マルスとなる。Westballz戦で自信をつかんだThe Moonが非常に隙のないゲームプランを組み立てMew2King相手に支配権を奪い、空下メテオにより勝利を得る。すると迷うことなくMew2Kingは終点マルスミラーを選択してスタートボタンを押す。彼の十八番は観衆を失望させることはなく、彼の(マルスの)斬撃と美声が奏でる心地よいリズムをThe Moonに乱すことはかなわない。このゲームに続きヨッシーストーリー、ポケモンスタジアムでも接戦の末勝利すると、Mew2Kingのレアな雄叫びが会場に鳴り響く。


先にステージにあがり精神統一を図るHungryboxに続いてWizzrobeが登場し、丁寧にメガネを拭いて臨戦態勢に入る--そしてメガネの奥には静かな闘志が灯る。Wizzrobeファルコンの「忍耐」を具現化した立ち回り、ステップから空中攻撃への恐ろしく滑らかな移行は本気でHboxを倒す意志を感じさせる。終始つかみに頼らない戦いでHboxを最終ストックまで追い込んだかと思えば最後に完璧なタイミングで彼のプリンをつかみ、下投げ膝(空前)で見事戦場での第1ゲームを制した。Hboxのカウンターピック、プププランドでもWizzrobeのパフォーマンスは衰えない。決して自由度の高くないファルコンの復帰にも巧みに択をかけ容易に復帰阻止させないWizzrobeにHboxは珍しく焦燥の色を見せる--そしてそれこそがWizzrobeの狙いである。焦りから行動が単調になったHboxに再び下投げ膝が刺さり、Wizzrobeが2-0というリードを獲得する。

しかし鋼の精神こそがHungryboxの実力のゆえんであり...といつもなら続くところだが今回は違う。舞台が再び戦場に戻っても勝負の支配権は未だにWizzrobeが離さない。「神」と称されるプレイヤーからのストレート勝利を目前にすれば緊張で手が震えてもおかしくはない、しかしWizzrobeの動きに狂いはない。それは自分が神を倒すに足る人物だという自覚か、あるいは傲慢か。Wizzrobeは崖際からのファルコンキック(下B)で最初のストックを奪い、続いてHboxのねむる(下B)を生き延びてつかみを得たかと思えばそこからバーストにまで持っていく。Hboxもこのゲームは効率よく復帰阻止を決めて両者譲らず勝負はラストストックの戦いへ。決して「傲慢」などではなかったのだ--Wizzrobeファルコンの空上連が膝へと繋がり、Hboxプリンはなすすべなく彼方へと吹き飛ばされる。Wizzrobeは表情ひとつ変えないまま大きく落胆するHungryboxを後にして前へと進む。


ベスト8の最後の望みを託す敗者側、SFATがColbol(マルス)を3-1で破って勝利。続くDuck vs Druggedfox(フォックス)ではDuckが復帰阻止をいくつもミスする不調が続くも3-2で明日への切符をもぎとった。現在急上昇中の二人The Moonとdizzkidboogie(アイクラ)の戦いではThe Moonがお手本のようなアイクラ対策を見せ、3-1で彼に軍配が上がる。Hungryboxも先程の試合から立ち直り、Westballzという難敵相手に安定したプレイでストレート勝利、敗者側マラソンに望みをつなげる。

勝者側ベスト8:Armada(ピーチ), Mew2King(シーク、マルス), Wizzrobe(ファルコン), Mang0(マルス)
敗者側ベスト8:SFAT(フォックス), Hungrybox(プリン), The Moon(マルス), Duck(サムス)

トーナメント表

DX ダブルス

アイクラはダブルスには向かないというのは単なる思い込みかも知れない。そう思わせてくれたのがSFATとdizzkidboogieというダークホースペアであった。PewPewUとのペアが有名なSFATだが、パートナーによらずその力を最大限発揮させるダブルスの基礎力のようなものがあるとすれば彼はそれに卓越しているのだろう。相方だけでなく、相方の相方(ナナ)も守りながら休むことなく駆けまわり、チームコンボでのバーストチャンスがあれば確実にものにしていくSFAT。ダブルスでWobbling(ぱしぱし)がこれほど何度も決まることはなかなかないのではないか。もちろんdizzkidもただSFATにキャリーされるだけではなく後援に回りながらステージをコントロールする。

そんな二人は勝者側決勝まで突き進みArmada/Mew2Kingというラスボスペアとなんとフルセットの激闘を演じ、第5ゲームもArmada側を最終ストックまで追い詰めるという活躍を見せた。惜しくも2-3で敗れその後決勝での再戦もストレートで敗北してしまったとはいえ、彼らのパフォーマンスは今後のダブルスメタに少なからず影響を与えるだろう。

最終結果
1位:Armada/Mew2King
2位:SFAT/dizzkidboogie
3位:Wizzrobe/Colbol
4位:Hungrybox/Iori

トーナメント表

2016年6月27日月曜日

『CEO 2016』 3日目 Wii U版 シングルス TOP 16

『CEO 2016』スマブラWii U版(SSB4)の勝者が決定した。Smashboardsのランキングトップ30のうち20名以上がずらりと顔を揃えるこの大会で決勝まで生き残ったのはなんとその中にはいない2名であった。「全キャラ使い」のユーティリティプレイヤーとして知られるANTiと、X時代からディディーコングを使用し続けるミシガンの英雄Zinotoが決勝を争う。結果Zinoto打倒に最適なキャラを見つけ出したANTiが初のシングルスメジャータイトルを獲得した。3位にはDabuzが続き、そして日本のあばだんご選手が4位という結果を収めた。もう一人日本人で残ったにえとの選手は13位タイの成績で大会を終えた。



SSB4 シングルス TOP 16

ベスト16は敗者側から幕を開け、1戦目から緊迫する戦いが繰り広げられる--ある意味で。言わずと知れた王者ZeRoに対するは悪名高いソニック使いWrath、「ガン待ち」というほかない戦法でZeRo(と観衆)を苦しめる。だがZeRoディディーもさすがの忍耐強さでこれを乗り切り、タイムアウトにより1ゲームを落としたものの3-1で勝利しベスト8に王手をかけた。

続いてメキシコのトゥーンリンク使いHyugaとロックマンを操るScAttがぶつかる。今大会HyugaはNairoを下し、ScAttはFOWを下しており、下克上の闘志あふれる2人はお互い一歩もゆずらない。フルセットの激戦を経て、次に駒を進めたのはトゥーンリンクの使い手であった。

VoiDシークがfallnのロゼッタを3-1で倒し、次の試合はにえとの vs sajとなる。昨日ESAMを破った地元フロリダのベヨネッタ使いsajに対しにえとのディディーは1ゲーム目を手堅く制する。だがsajもバナナ転倒にウィッチタイム(下B)を当てるプレイや1.1.5時代をほうふつとさせる空中コンボを決めてくらいつく。不運な自滅も響き勝負は第5ゲームにもつれこむ。ダックハントでのラストストックの戦い、にえとのが崖際でジャンプを消耗したところにsajが猛烈な低空復帰阻止でたたみかけ、にえとのは2-3で惜しくも敗北を喫しベスト8入りを逃す。



様々なキャラを操る多彩さが有名な2人、FalseとANTiが勝者側の1戦目となる。マリオを使うANTiに対しFalseはマルスとルイージを繰り出すが、どちらのキャラも万全の仕上がりには見えずミスも目立ち、ANTiが3-0でFalseを敗者側へと送り込んだ。さらにMr .RシークがNAKATのフォックス/ピカチュウを抑えこみこちらも3-0で終了。

一方でZinotoディディーとLarry Lurrフォックスの試合は熾烈を極める。終点、すま村をZinotoが制し、村と街、プププランドをLarryが制して勝負は終点に戻って第5ゲームへ。Zinotoがバナナ下強横スマで、Larryが空後でそれぞれストックを奪いストックカウントは1-1。そして最後にストックを取ったのはLarryの空中回避を読んだ空上であった。

『Apex 2015』『EVO 2015』『Pound 2016』に続き4度目の対戦となるあばだんごとDabuz、勝ち星では2-1とあばだんごが優勢。前回に引き続きメタナイトでDabuzのロゼッタを迎え撃つあばだんご選手。おそろしく効率的にチコを処理し空上連+上Bコンボの起点を狙いに行くあばだんごであるが、Dabuzも当然対策をしていないわけではない。なるべくステージ端で戦い、空上連の起点を当てられてもステージ外へのベク変でコンボを拒否するDabuzにあばだんごは戦略転換を迫られる。だが最後まで解答を見つけられないあばだんごはかろうじて1ゲームは奪うもののDabuzのロゼッタ/オリマー(あばだんごが勝った次のゲームのみ使用)に1-3で敗北し敗者側に回る。

そして大会は残るベスト8入りを決める敗者側ラウンドへ。Falseシークが他のキャラに比べ良好な仕上がりをみせてsajのベヨネッタ/ピーチを3-1で撃破。続くNAKAT vs HyugaでNAKATはトゥーンリンクのコンボを警戒してかネスを選択して闘う。各ゲーム健闘を見せるNAKATだがどのゲームも最後の一撃を当てるのはHyugaのトゥーンリンク、ストレート勝利でメキシコ代表がベスト8入りを果たす。

予選で敗者側に落とされてから粘りを見せるZeRoの前にLarry Lurrという巨大な壁が立ちはだかる。冷静に忍耐強く機会をうかがうZeRoディディーに対してLarryフォックスはパッションで猛進する。ZeRoを上Bで打ち上げたかと思えばリフメテオ(※これはSSB4の記事である)で地に落とす。さらに最後は低空踏みつけで王者から驚異のストレート勝利をおさめベスト8の地位を得る。ZeRoは参加したSSB4シングルス大会ではじめてのベスト8前での敗退を喫することになる。

続いてあばだんごが最近急激に力を挙げている美しきシーク使いVoiDと対戦する。村と街での1ゲームではあばだんごミュウツーがVoiDシークをきっちり抑えこみ勝利。プププランドでの次のゲームはVoiDがサブのフォックスにキャラに変更し、上B打ち上げ花火で1ゲームを取り返す。だがあばだんごもすぐさま適応し戦場での第3ゲームは2機残しで勝利する。追い詰められたVoiDは終点で再びシークに戻し、ここでは持ち前の美しいプレイスタイルを存分に魅せつける。針(NB)から空上をつなげる巧みな連携であばだんごの2ストック目を奪い、運命の勝負は再びプププランドへ。ここはあばだんごミュウツーのホームグラウンド、上Bエッジキャンセルによる変幻自在の立ち回りと上方向のバースト力(上投げ、上スマ)が光り、彼にベスト8入りを決める大きな勝利をもたらす。


SSB4 シングルス TOP 8

ここまで生き残り、メインステージのボクシングリングに立つことを許されたのはわずかに8名。勝者側にはANTi, Mr. R, Zinoto, Dabuzが、敗者側にはLarry Lurr, あばだんご, False, Hyugaが名を連ねた。

まずリングに上がったのはオランダのスタイリッシュシークMr. Rと「全キャラ使い」の異名を取るANTi。ANTi(ここではマリオ)は容易にバーストへのセットアップを作らせない立ち回りと恐ろしく大胆かつ的を射た読みで非常に高いスマブラの基礎力を魅せつける。Mr. Rも身体に染み付いたシーク操作であらゆる行動を織り交ぜてANTiを惑わすが、3-0でANTiに軍配が上がる。

Zinotoにつづいて登場したのはデータスマブラーDabuz, ノートPCを抱えながらボクシングリングに上がる。ディディーに関するデータには事欠かないはずだが、Zinotoのディディーはそれでは説明できないということだろうか。Zinotoは緩慢な立ち回りで試合をスローダウンさせたかと思えばわずかな間隙をついて急加速、次々とDabuzロゼッタのストックを奪う。不運な自滅も響いて1ゲームを落とすが2-1でZinotoがリーチをかけるとDabuzはX時代のメインで今もサブとして使用するオリマーを繰り出す。Dabuzオリマーがつくりだすピクミンの壁をあと一歩のところで攻略できず、Dabuzが3-2で逆転勝利を果たす。

日本でじっと見守る「大家族」のため(?)闘うあばだんごはLarry Lurrと相対する。上投げと空下メテオでLarry Lurrのフォックスを素早く葬るあばだんごに対しLarryは満を持してドンキーを繰り出す。村と街での第2ゲーム、終始優勢を保つあばだんごミュウツーであるが、ドンキーのほぼ即死投げコンボ、リフティング上投げ空上で2ストックを取られ敗北。だが次のゲームプププランドではまるでそんな隙を与えず、再び空下メテオで地に落として勝利するとLarryはフォックスに回帰。すま村での第4ゲーム、さらにストックカウントは1-1、両者KO%、滾る緊張、息を呑む観衆、そして終幕--あばだんごミュウツーの上投げが刺さりLarry Lurrフォックスは星となる。

敗者側第2戦は敗者側HyugaとFalseの争い。Falseは1ゲーム目シークを当てるがHyugaの巧みな飛び道具使いと非常に精緻に計算されたく近接戦を崩すことができず敗北。続いてマルスを繰り出すがこれもうまくはまらず糸口を見出だせないまま0-2と追い詰められる。ここでMr. Rがセコンドに入り(ここではセコンドは許可されている)助言を与えるとFalseは再びシークを選択してHyugaトゥーンリンクに立ち向かう。だが助言一つで崩せる相手ではないか、3ゲーム目もHyugaが終始圧倒する形でメキシコにまた一つ勝利をもたらした。

ここから先の戦いは言葉で語るのもおこがましい。ぜひその目で彼らの勇姿を見届けて欲しい(力尽きましたすみません...)。

ベスト8動画リスト

波乱に次ぐ波乱で世界を騒然とさせた今大会。これがただの神のきまぐれなのか、それとも新たな秩序なのかはまだわからない。次の超級メジャー大会、『EVO 2016』でその答えはわかるかもしれない。


最終結果
1位:ANTi(マリオ、ディディー、クラウド)
2位:Zinoto(ディディー)
3位:Dabuz(ロゼッタ、オリマー)
4位:あばだんご(ミュウツー、メタナイト、パックマン)
5-6位:Mr. R(シーク), Hyuga(トゥーンリンク)
7-8位:Larry Lurr(フォックス、ドンキー), False(シーク、マルス、ルイージ)

トーナメント表
https://smash.gg/tournament/ceo-2016/brackets/11789/45259/150418

2016年6月26日日曜日

『CEO 2016』 2日目 DX シングルス TOP 8 DX/Wii U版 ダブルス

フロリダで開催される格闘ゲーの祭典『CEO 2016』2日目後半にはDX, Wii U版(SSB4)のダブルス種目とシングルスのベスト8が執り行われた。DXダブルスではHungrybox/Mew2KingペアがPlup/Axeを下し優勝し、SSB4ダブルスでは黄金ペアAlly/Mew2KingがダークホースANTi/Larry Lurrコンビを長い戦いの末破ってタイトルを獲得。DXシングルスではHungryboxが決勝でMew2Kingから勝利し、またしても安定したパフォーマンスと逆境強さでメジャーの頂点に輝いた。

DX/SSB4 ダブルス

DXダブルスの勝者となったのはHungrybox/Mew2Kingという五神ペアで、Hungryboxプリンのダブルスでの凶悪さ(シングルスもだが)が光った。もう一方の本命PewFAT(PewPewU/SFAT)はPlup/Axeという隠れた強敵にうまく対応できず敗北し3位に終わる。

SSB4ダブルスではX時代から続く長年のペアAlly/Mew2Kingが多くの死闘を生き延び見事頂点まで上り詰める。2位に踊り出たのはANTi/Larry Lurrで、敗者側から驚異の粘りを魅せつけた。ANTi/Larryはダブルマリオ、あるいはマリオ/フォックスでMr. E/DKwill, Dabuz/Hyuga, Pugwest/Marss, Mr. R/Tweekという恐ろしい面々を次々なぎ倒す。さらには敗者側決勝で1度は敗れたZeRo/Nairoコンビにも、マリオでNairoクラウドを徹底して復帰阻止する戦略がはまり3-1でリベンジを決めた。Ally/Mew2Kingからも3-2で1セットは奪うものの最後はわずかに力及ばず、1-3で準優勝を得るにとどまった。

日本から参戦してベスト16までのこったにえとの/うめきペアはMr. R/Tweekに敗れ9位という結果に終わった。

DXダブルス最終結果
1位:Hungrybox(プリン)/Mew2King(シーク)
2位:Plup(シーク)/Axe(ピカチュウ)
3位:SFAT(フォックス)/PewPewU(マルス)
4位:Reno(シーク)/Lucky(フォックス)

SSB4ダブルス最終結果
1位:Ally(マリオ)/Mew2King(クラウド)
2位:ANTi(マリオ)/Larry Lurr(マリオ、フォックス)
3位:ZeRo(ディディー)/Nairo(クラウド、ゼロサム)
4位:Mr. R(シーク)/Tweek(クラウド)

トーナメント表

DX シングルス TOP 8

678人にものぼる参加者のうちメインステージ、ボクシングリングにまでたどり着いたのはわずかに8名。ここまでくれば誰もが目指すは頂点、意地と意地のぶつかりあいは凄烈な火花を散らす。

第1戦は勝者側準優勝、最近ではおなじみとなりつつあるHungrybox vs SFATとなる。直近の『Low Tier City 4』でもフルセットにまで持ち込んだだけに今回も堅実なゲームプランと針の穴を通すような復帰でじわじわとHboxを削る。しかしまたしてもストックリードを活かせず、重要な場面で決め切ることができないSFATフォックスはゲームを奪うことなく敗者側に送られてしまった。

続いてリングに上がるのは両方のダブルス種目を制し勢いに乗るMew2King、そして2ヶ月ぶりの大舞台で闘志みなぎるPlup。「投げ連なし」のシークミラー第1ゲームは戦場で開幕、一進一退の攻防が繰り広げられる。ここではPlupがじわじわとステージコントロールを固め、最後はM2Kの上B発動に空後を合わせる華麗な復帰阻止でこのゲームをものにする。華麗な復帰阻止といえば終点での第2ゲーム、ステージに戻ると見せかけてMew2Kingを崖におびき寄せ空前で捉えるというプレイが観客をどよめかせた。はじめはリードを許すM2Kも必死に食らいつき、Plupが下スマ復帰阻止をミスしたことにも救われラストストックで勝負はイーブン、そして生き残ったのはMew2Kingであった。夢の泉の第3ゲームはお互いやや不安定な試合運びが目立つが、ここでは僅差でPlupが勝利。

続く戦場の第4ゲームもストックカウント2-2までは互角の戦いとなるが、Mew2Kingが自身の住処である崖に向かうところをPlupがとっさに捉えてM2Kはそのまま落下、大きなリードを許す。会場から落胆のため息が漏れるが、Mew2Kingにはまったく折れる様子がなく、つかみからの美しいお手玉コンボですぐさまストックを取り返す。Mew2Kingコールが響く中流れは完全に彼のものとなるがPlupの精神力もあなどれず、こちらもつかみひとつからダメージを重ね崖外に出たのはM2K。振り返り下スマで勝負は決まるはずだったがまたしてもこれをミスしてMew2Kingが九死に一生を得、そのチャンスを活かしてこのゲームをかすめ取る。戦場に戻って最終ゲーム、またしても激闘の末ストックカウントは1-1、そして1-0に--カウントを1に保ったのはMew2Kingの赤シークであった。



敗者側ではベテランアイクラ使いChudatと新進気鋭のShroomedが相対する。メインのシークでの対アイクラに不安があるのかサブのマルスを繰り出すShroomedは夢の泉での第1ゲームを落とし、戦場の第2ゲームを取り返す。続くゲームではChudatが自身のピックした終点で力強い勝利を挙げて先にセットポイントを得る。追い詰められたShroomedはここからいつになく慎重で忍耐強い試合運びを見せてヨッシーストーリーで勝利、最後のポケモンスタジアムはラストストックの戦いへ。しばらく苦戦したのちナナの撃墜に成功するShroomedに対しChudatポポも粘りをみせるが、最後はShroomedマルスの横スマッシュがChudatを切り裂き、優勝への道を切り拓いた。

世界のファルコンプレイヤーの期待を背負うWizzrobeはアリゾナ出身の「ザ・ピカチュウ使い」Axeと当たる。ステージ上もステージ外もとびまわるポケモンを捉える機会を持ち前の忍耐強さでじっとうかがうWizzyだがAxeもそうそう隙は見せない。Wizzrobeもヨッシーストーリーで1ゲームを奪ったものの、Axeが戦場、終点、プププランドを制しWizzrobeを、そしてキャプテン・ファルコンを大会から葬った。

敗者側準々決勝SFAT vs ShroomedではSFATが怪物じみた潜在能力を遺憾なく発揮する。対シークのゲームプランは完璧といったところか、ヨッシーストーリー、戦場、プププランドでも終始安定してShroomedをリードする。結果3-0で悠々とShroomedシークを粉砕したSFATが敗者側準決勝への 切符をいち早く手に入れる。

Axe対ShroomedはAxeのホームグラウンド夢の泉で開幕し、ピカチュウがド派手なパフォーマンスで会場をわかせる。あわや4機残しといった圧倒的な試合運びで勝利をおさめると、その勢いで戦場の第2ゲームも3機残しで制してしまう--だが勝利に燃えるPlupはこのまま終わらない。再び戦場、Plupそれまで決められていなかった投げ連を次々と決め、空中でもAxeピカチュウを捉え始める。ラストストックでAxeピカチュウ下強のチップにも救われ、Plupが1ゲームを取り返し続くゲームは上スマKOが恐ろしいポケモンスタジアムへ。ここでは復帰阻止されるAxeというレアな光景を何度も目にすることになり、効率的にストックを奪ったPlupがリードを保ちさらに1ゲームを奪い返す。運命の最終ゲームはお互い一歩も譲らずポケモンスタジアムでのラストストック、Plupがシークつかみを得ると一気にAxeピカチュウにダメージがたまる。最後はステージの低いバーストラインがPlupに味方し、DA+空上が彼に逆転勝利をもたらした。落胆するAxeを後にし、Plupは歩みをすすめる。





そこまでの道のりは決して平坦ではなかったが、勝者側決勝に残ったのはやはりこの2人であった。Mew2Kingは例のごとくほぼ対プリン専用となっている緑フォックスでHungryboxのバンダナプリンに挑む。距離をとってレーザーでダメージをためて上スマor上投げ空上、かつてはそんな単純な戦略でも彼に勝利出来たかもしれない。だが彼が今対面しているのは2016年のHboxである。レーザーでダメージをためることすらもなかなかできず、ためられたとしてもバースト技がまずヒットしない。ポケモンスタジアムで1ゲームは取ったものの実力差は明確で、3-1でHungryboxが決勝進出を決めた。

翻って敗者側決勝、闘志みなぎるこの2人、PlupとSFATの戦いが戦場で開幕した。やはりSFATの対シークは非常に安定しており、Plupもくらいつくものの1ゲーム目はSFATの手に。シークで分が悪いとみたPlupはかつてのメインキャラ、Leffenを倒したことでも有名なサムスを繰り出す。相変わらず切れのある絶空+強攻撃を起点としたステージ上ゲーム、的確にジャンプをつぶす空前、飛び道具も交えたトリッキーな復帰阻止がSFATのフォックスを翻弄する。夢の泉で1ゲームを取り返し、終点ではなんとストックカウント4-1でPlupがほぼ勝ちを決めたように見えた。しかしSFATは恐ろしい粘り強さでPlupの飛び道具の合間を縫って(あるいはリフで跳ね返して)安全かつ猛烈な攻めを展開、次々とストックを奪い返していく。そして最後はPlupがシールドをといた瞬間に上スマで飛び込み、奇跡的な逆転劇を生み出した。第4ゲーム(ヨッシーストーリー)は一転して一進一退のままラストストックへ、極度の緊張下でお互いやや不安定なプレイもある中、このゲームおよびこの試合に終止符を打ったのはSFATの空上であった。Plupは笑顔でコントローラーを片付けるが、その表情の裏にある感情を知ることは出来ない。

波に乗るSFATはMew2Kingのシークにも手堅く勝利をおさめる。だが彼にはもう1つの切り札がある--終点で英雄王マルスがお目見えする。彼がひとたびフォックスをつかめば撃墜までの道筋が鮮やかに目に見える。SFATも的確なベク変で容易にはノックアウトされないが、的確さで上回るのはMew2Kingであった。美しき黒マルスのパフォーマンスは終点だけにとどまらず、SFATピックのプププランドでも2ゲームをものにして3-1でHungryboxへの再挑戦権を獲得する。

まさかそんなはずはないだろう--ウォームアップから聞こえてくるのは鋭い斬撃の音。まさかそんなはずはないだろう--ゲームが始まって画面に映るのは先程までフォックスを切り刻んでいた王子様ではないか。Mew2Kingがプリンに対してマルスを当てるのはここ数年見たことがなく、会場やtwitchチャット(そして筆者)からも興奮の歓声が轟く。とはいえやはりつかみに強く依存する彼の通常のマルスはプリン、特にHungryboxのプリンにはそのまま通用することはないか。Hboxがあっさり1ゲーム目を取ると観衆からもため息が漏れる。次のゲームはシークを試すもののやはり結果はHboxの勝ち。先程に続きスタジアムフォックスで1ゲームは取ったものの力及ばず、Hungryboxがまたしてもアメリカのメジャータイトルを我がものにした。


Hungryboxにやけくそでマルスを当てても勝てないのは当然と言える。しかし彼が操る多くのキャラの中でひときわ彼のポテンシャルを感じさせるのがこのキャラであり、ぜひとも対Hungryboxを本気で研究してみてほしいと願う。


最終結果
1位:Hungrybox(プリン)
2位:Mew2King(シーク、マルス、フォックス)
3位:SFAT(フォックス)
4位:Plup(シーク、サムス)
5-6位:Shroomed(シーク、マルス), Axe(ピカチュウ)
7-8位:Chudat(アイクラ), Wizzrobe(ファルコン)

トーナメント表
https://smash.gg/tournament/ceo-2016/brackets/11787/45263/150460

『CEO 2016』 2日目 Wii U版/DX シングルス TOP 64

総合格闘ゲーム大会『CEO 2016』の熱気はトーナメントに残る選手が減っていくごとに増していく。2日目にはDXシングルス/ダブルスがすべて終了し、Wii U版(SSB4)はダブルスが終了、残すはシングルスベスト16のみとなった。ここでは1日目前半の様子を振り返る。


SSB4 シングルス TOP 64 -> 16

なんという大会だろうか--昨日の予選でも想定外の展開が相次いだが、ここに巣食う魔物はこれだけでは満足しなかったようだ。

まず敗者側第1ラウンドで敗れ姿を消したのがなんとカナダの巨人Allyである(相手は同じくマリオ使いZenyou)。勝者側ではにえとのが地元フロリダのルフレ使いDathに僅差で敗れ、ラスベガス地区1位のネスを操るFOWがロックマンプレイヤーScAttに0-2で敗北、加えてVinnie(シーク)がNick Riddle(ゼロスーツサムス)から勝ち星を奪われ敗退。この結果にえとのとうめきが敗者側第2ラウンドで当たることになり、にえとのがうめきを置いて先へと進んだ。さらに同ラウンドでRain選手もdyrとのセットを1-2で落としトーナメントを後にする。

そして勝負は明日のベスト16への切符をかけた勝者側第2ラウンドへ。ユーティリティプレイヤーFalseがシークを操りTweekクラウドを2-0で力強く下し、もう1人のユーティリティプレイヤーANTiがマリオでなんとVoiDシークを2-0で倒す展開に。またディディー使いZinotoが現在世界2位のNairoゼロサムを2-0で打ち負かした。にえとのを破ったDathは欧州を背負うシーク使いMr. Rにこれまた良い勝負をみせるが惜敗に終わる。その他Larry Lurr(フォックス), Dabuz(ロゼッタ), NAKAT(フォックス)そしてあばだんご(ミュウツー)が順当に明日へと駒を進めた。



敗者側第3ラウンドは概ね下馬評どおりに進むが、FOWがファルコンメインFatalityから1-2で負けを喫し、またMarssがfalln(ロゼッタ)に1-2で敗れてまさかの早期敗退となってしまう。そして迎えた敗者側第4ラウンド、予選から敗者側マラソンを強いられたZeRoはこの日は1ゲームも落とすことなく破竹の勢いで明日に希望をつなぐ(このラウンドではDathを下した)。にえとのディディーはTheReflexWonderワリオのおなら(下B)の恐怖にも打ち勝ち2-1で勝利し、VoiDもFatalityを2-0で下しトーナメントに残る。Nairo, ESAM, Tweekも順当にベスト16入りを果たす--はずであったのだが。

メキシコのトゥーンリンク使いHyugaが『GENESIS 3』での下克上を再現してNairoゼロサムを2-1で撃破、さらにベヨネッタ使いsajがESAMの操るピカチュウをウィッチタイム上スマで葬り去ると会場から歓声がまきおこった(3ヶ月前なら考えられなかったことだが)。またTweekはロゼッタ使いfallnに1-2で敗れて17位で大会を終えた。その他ScAttとWrath(ソニック)がベスト16へと歩みを進めた。

結果をまとめると以下のようになる。番狂わせについて「BO3であまり使用されないキャラに当たると対応できない」という理由で「狂わされた」方に同情するのもいいが、それよりも「あまり使用されないキャラ」の可能性を信じて追求する選手の心意気を讃えたい。さて日本勢は不運なつぶしあいもあったが、4人のうち勝者側敗者側で1人ずつベスト16入りを決めており明日のパフォーマンスにも期待したい。

ベスト16勝者側:False(シーク), ANTi(マリオ), NAKAT(フォックス), Mr. R(シーク), Zinoto(ディディー), Larry Lurr(フォックス), Dabuz(ロゼッタ), Abadango(ミュウツー)
ベスト16敗者側:ZeRo(ディディー), Wrath(ソニック), VoiD(シーク), falln(ロゼッタ), Nietono(ディディー), saj(ベヨネッタ), ScAtt(ロックマン), Hyuga(トゥーンリンク)

本日敗退した主要選手:Ally, Vinnie, FOW, Marss, Tweek, ESAM, Nairo, うめき、Rain

トーナメント表
https://smash.gg/tournament/ceo-2016/brackets/11789/45259/150418


DX シングルス TOP 64 -> 8

こちらはSSB4大会に比べればまだ「穏やか」なトーナメントではあるが、各対戦の熾烈さはまったく負けていない。

諸事情により(気になる人は「Mew2King catfish」で検索)棄権を表明して撤回に至ったMew2Kingであるが、コンディションは至って好調のようであった。ベテランアイクラ使いChudatを下し、続いて相対するのは『Get On My Level』で敗北した中米出身のファルコン使いn0ne。そんな彼に今回は2-0でリベンジを果たすと、続いてShroomedとのシークミラーも3-0のストレート勝利を飾り悠々とベスト8進出を決める。一方Hungryboxはベスト8がかかる試合でマルス使いPewPewUと当たり、フルセットの激闘を鋼のメンタリティで攻略してみせた。またSFATもThe MoonやWizzrobeを下し勝者側ベスト8へ。



約2ヶ月ぶりにメジャー大会に姿を見せたPlupも堅調に勝者側を勝ち進み、3-0でDruggedfoxのフォックスを破ってベスト8に入る。なおこのセットは彼のフォックスを観ることが出来る珍しい機会だった。珍しい機会といえば敗者側Nintendude vs Swedish Delightでは、高度な心理戦の末ピーチミラーが繰り広げられる不可解な状況に。その後Nintendudeはメインのアイクラに戻ったがSwedish(シークメイン)はピーチで続行し、結果勝利を収めた(ピーチ対アイクラはピーチ有利とされるためアイクラにピーチを当てるのは合理的ではある)。

ベスト64第1ラウンドで敗者側にまわったChudatであるが、ここから驚異の粘りを見せる。Alex19, Gahtzu, Druggedfoxなどの難敵の壁を次々クライム(あるいはハンマーで破壊)し、『CEO 2010』ぶりとなる本シリーズベスト8入りを決める。伝説のピカチュウ使いAxeもファルコを織り交ぜつつKjh, Laudandus, そしてPewPewUからセットを奪いメインステージへの切符をつかむ。そしてWizzyことWizzrobeもS2JやLuckyまでも沈めたアイクラ使いdizzkidboogieをストレートで粉砕しまたしてもメジャーの舞台で上位8名の栄誉を獲得した。その他ShroomedもSwedish Delightとの投げ連シークミラーを3-1でものにして順当に駒を進めている。

ベスト16の時点でシークx6、アイクラx3、フォックスx2、ファルコンx2、プリンx1、ピカチュウx1、マルスx1というなかなか珍しいキャラ構成となった本大会。目を見張るような番狂わせこそなかったものの興味深いマッチアップや手に汗握るフルセット勝負にあふれたベスト64であった。ベスト8もすでに終了しているが、その振り返りは後ほど。

ベスト8勝者側:Hungrybox(プリン), SFAT(フォックス), Plup(シーク), Mew2King(シーク)
ベスト8敗者側:Chudat(アイクラ), Shroomed(シーク), Axe(ピカチュウ/ファルコ), Wizzrobe(ファルコン)



2016年6月25日土曜日

『CEO 2016』 1日目 Wii U版/DX シングルス他

世界最大級の格闘ゲーム総合大会『CEO 2016』の火蓋が切って落とされ、予選プールから大きな盛り上がりを見せた。Wii U版(SSB4)シングルスでは数多くの番狂わせが会場を騒然とさせ、この大会に潜む魔物の存在が垣間見えた。一方DXシングルス、各ダブルス種目では大方予想通り上位プレイヤーたちが順当にベスト64に駒を進めている。日本から参戦しているあばだんご、にえとの、うめき、Rain各選手はSSB4シングルスで全員予選を突破しベスト64入りを果たし、ダブルスでもうめき/にえとのペアがベスト16入りを決めた。


※昨日の記事でDX出場選手の中にLeffen, Mang0が含まれていましたがこの時点ですでに両名の棄権は決定していました。申し訳ありません。


SSB4 シングルス

この大会は予選から波乱の様相を呈する。まず王者ZeRoがパルテナ使いPrince Ramenに0-2で敗れた瞬間をもし見逃したのであればすぐ見るべきであろう。


彼はこの後敗者側で勝ち進み無事ベスト64に進出した(予選最終戦も非常に接戦だったがZeRoが紙一重で制した)が、頂点までの道のりは険しいものとなるだろう。しかし彼は極度のプレッシャーにも決して屈しない精神力の持ち主である。実際昨年の『The Big House 5』でも予選で敗者側に落とされてから立ちはだかる有力選手達を次々なぎ倒し優勝まで持って行ったこともある。この段階で「彼の時代は終わった」などと嘆くのはあまりにも時期尚早であろう。

さて番狂わせはこれだけでは終わらない。そんなZeRoを直近で2度破っているAllyも予選で敗れ敗者側での突破となり、さらにVinnieやMarssまでもが敗者側でのマラソンを余儀なくされている。少なくとも彼らは予選を突破しておりまだいくらでも可能性は残されているが、一方で完全に道が閉ざされてしまったプレイヤーもいる。その中にはZeRoから「最強のリュウ」と称されたTrela、「最強のアイク」との呼び声の高いRyo、さらには言わずと知れたトップランカー6WXやMVDまで含まれている。

そんな中日本勢は異邦の地で実力を存分に発揮し、あばだんご、にえとの、Rainの3名が勝者側で予選突破、うめきもDKWillに敗れたものの敗者側で希望をつないでいる。

次々と沈み行く将もいれば新たに名を挙げる雑兵もいよう。彼らが下克上をなすのか、はたまた序列が保たれるのか--その答えはもうすぐ明かされる。

DX シングルス

エントリーしていなかったArmadaに加えLeffen, Mang0も不参加を表明し、さらにMew2Kingも大会途中で棄権したため(その理由はこちらから)例年に比べやや注目度の下がる今大会。とはいえそれでもランキングトップ50名のうち約30名が参加するこのトーナメントが刺激的でないはずはないだろう。SSB4ほどではないが、こちらも先の『Low Tier City 4』で活躍を見せたESAM、Armadaに次ぐとされるピーチの使い手MacDが予選落ちするなどいくつか予想外の展開もあった。

今後の見どころとしては(かなり個人的かもしれないが)キャプテン・ファルコン勢Wizzrobe, S2J, n0ne, Gahtzuらがどこまでいけるかにまず注目したい。また大規模な大会に姿を見せるのが4月の『Smash Summit 2』依頼となるPlupの復帰戦の行方も気になるところ。


結果一覧

スケジュール等はこちら。(変更の可能性あり)

2016年6月21日火曜日

『Low Tier City 4』 DX/Wii U版 シングルス他

DX、Wii U版(SSB4)、Project M(PM)の世界的な精鋭たちが集結した『Low Tier City 4』の熱い2日間が終幕した。DXダブルスでは南カリフォルニアコンビMang0/LuckyがESAM/Hungryboxを破り、SSB4ダブルスでは世界トップ2のOPコンビZeRo/NairoがダークホースTrela/Cosmosを紙一重で下しそれぞれ優勝した。シングルスではHungrybox(DX), ZeRo(SSB4)が安定したパフォーマンスでそれぞれMang0, Nairoに勝利して優勝を収めた。PMでは並みいる強豪をなぎ倒しThundeRzReiGNがシングルスの、Lunchable/Dakpoがダブルスのタイトルを獲得した。

DX シングルス


ベスト8勝者側には下馬評通りMang0, Wobbles, Hungrybox, Luckyが残る。一方敗者側にはWizzrobe, Uncle MojoのほかSSB4プレイヤーの印象のほうが強いESAMや、格上JAVIを倒して勝ち上がったTai(Tajではない)というメンバーが名を連ねた。

勝者側準決勝1戦目はHungrybox vs Lucky、はじめの2戦は一進一退の攻防が続きセットカウントも1-1に。だがLuckyフォックスのカウンターピックステージ、ポケモンスタジアムではLuckyの恐れを知らぬ猛攻にHboxプリンはなすすべなくなんと4機残しでLuckyが勝利する。この勢いのままさらに戦場での第4ゲームもリードを許し追い込まれるHboxだが、持ち前の鋼の精神でバーストを焦るLuckyの隙を冷静についてゲームを奪い返す。第5ゲームもラストストックの戦いとなるがここでもHboxの精神力がLuckyを上回り、彼の勝利の雄叫びが会場に響いた。

もう一方の勝者側準決勝はMang0フォックスとWobblesアイクラ(アイスクライマー)の対決となる。Wobblesの名前を冠するアイクラの無限つかみハメWobblingの対策を聞かれて"You just drill"「空下すればいいんだよ」と答えたことで有名なMang0。その言葉の通り空下+リフで効率よくナナとポポを切り離すMang0にWobblesはWobblingに頼らない戦いを余儀なくされる。もちろんそのようなセットアップに頼らずとも戦えるからこそ彼はこの場にいられるのであり、アイクラの長い絶レンジを駆使したトリッキーな立ち回りや流れるような復帰阻止でMang0を苦しませる。だがやはり実力は一歩及ばずか、3-0でMang0が勝者側決勝進出を決める。

敗者側ではESAMとTaiが相対する。XやSSB4のトッププレイヤーとして有名なESAMだが、ここ最近はサムスメインとしてDXの大会にも積極的に参加して急激に力を上げている。今大会でもそのポテンシャルの片鱗を魅せつけてここまで勝ち上がり、対サムス経験に乏しいと見受けられるTaiマルスも3-0で下してさらに上を目指す。彼の次の相手は同じくPanda GamingのWobblesとなるがここでもその力を存分に発揮する。下スマというポポナナの分断に有用な技があり、自由度の高い復帰があり容易に復帰阻止されないというサムスのキャラ特性をしっかり活かしWobblesに試合を運ばせないESAM。Wobblesも忍耐強く少ない好機を確実にものにして対抗するがわずかに及ばず、3-2でESAMに軍配があがった。

最近のメジャー大会でベスト8の常連となっているWizzrobeは地元テキサスの有力プレイヤーUncle Mojoを3-1で倒して勝ち進む。だが次の相手は南カリフォルニアの巨人Luckyである。2ゲームをLuckyが連取してこのまま試合が終わるかに思えたがここからWizzyの内なる炎が燃え上がる。ステップからのつかみを起点とした地上戦はもちろん、空上、低空膝(空前)や膝での後方飛ばしなど状況に応じた多彩な復帰阻止。Wizzrobeの真価が徐々にその姿を現し、連続で3ゲームをものにしてLuckyから勝利をもぎ取った。

『Get On My Level』での勝利を再現するべくMang0はHungryboxと対峙する。だが前回の対決で功を奏したレーザー中心のディフェンシブなスタイルではなく今回Mang0は平常通りのアグレッシブな攻めを展開する。しかしこれがあまりうまくはまらず2ゲームを落とすと一転してレーザー中心にスタイルを移す。だがプリンの上投げをベク変しない、ガードするプリンに上スマを放つ、崖際からプリンの待ち受ける方向に回避するなどHboxのねむる(下B)のセットアップに連続ではまりあっという間にこのゲームも落としMang0は敗者側に送られる。

敗者側準決勝はESAM vs Wizzrobeというおそらく誰も予想しない組み合わせとなった。ここではWizzrobeの計算されたゲームプランにESAMは付け入る隙を見出だせず、苦し紛れに繰り出したフォックスも粉砕され3-0でWizzrobが敗者側決勝に駒を進める。Mang0から何としても勝ち星を得たいWizzyだが相手はファルコンのことは知り尽くした五神の一角であり、それはどう見積もっても容易に成し遂げられるものではない。Mang0がストレートでWizzrobeを下し、Wizzrobeがステージを去る中Mang0はそのままHungryboxを出迎える。

先ほどの試合を反省してか、いつになく慎重で忍耐強い試合運びを見せるMang0は戦場での1ゲーム目を取得。プププランドでの第2ゲームはHboxプリンのホームグラウンドとあってHboxが取り返すが、自身のホームグラウンドヨッシーストーリーでMang0は勝ちを収めたい所。それまでと同様に慎重な試合運びを続けるMang0であるが、忍耐勝負であればそれはむしろHungryboxの十八番であろう。空上バーストというレアな瞬間が訪れ、3-1でこの試合、このセット、そしてこの大会を制したのはこの男、Hungryboxであった。




最終結果
1位:Hungrybox(プリン)
2位:Mang0(フォックス)
3位:Wizzrobe(キャプテン・ファルコン)
4位:ESAM(サムス)
5-6位:Wobbles(アイスクライマー)、Lucky(フォックス)
7-8位:Tai(マルス)、Uncle Mojo(フォックス)


SSB4 シングルス


今回はZeRoが王者の力強さを存分に観衆と対戦相手に魅せつけ、『PAX Arena』以来となるメジャー大会優勝を果たした。それに続くは世界2位のNairoとここまでは下馬評どおりの順位。しかし3位に入ったのはメキシコのトゥーンリンク使いHyuga、そして4位で終えたのはメジャー大会初参戦のダークホース、カムイ使いCosmosであった。HyugaはMVDやESAMを下す躍進を見せ、Cosmosも初の大舞台とは思えない落ち着いたプレイで猛威をふるう。

X時代からドンキーに忠誠を誓うプレイヤーDKWillが7位に終わるなか、これまたメキシコからやってきたフォックス/ピカチュウ使いMookやルカリオ/ゲッコウガ使いGibusいったあまり名の知られていないプレイヤーがMJGやMVDなどを上回る成績を残した。

ZeRoは大会後のインタビューでは疲弊した表情で「Nairoは本調子じゃなかった」と語り今回の結果にあまり満足はしていない様子だった。しかし大きなプレッシャーの中昨年に引き続き2連覇を成し遂げた彼は間違いなく賞賛に値し、今週末の超級メジャー、『CEO 2016』でも彼のパフォーマンスに期待したい。

最終結果
1位:ZeRo(ディディーコング)
2位:Nairo(ゼロスーツサムス)
3位:Hyuga(トゥーンリンク)
4位:Cosmos(カムイ)
5-6位:Mook(フォックス、ピカチュウ)、ESAM(ピカチュウ、カムイ)
7-8位:DKWill(ドンキーコング)、P2P with Gibus(ルカリオ、ゲッコウガ)

『Apex 2016』 3日目 Wii U版/DX シングルス

『Apex 2016』全日程が終了し、シングルス種目の結果も出揃った。DXは大方の予想通りMew2Kingがトーナメント中1ゲームも落とすことなく優勝を飾った。Wii U版(SSB4)では決勝戦でDabuzが勝者側のままVoiDを3-2で下し栄冠に輝く。日本勢は唯一ベスト8に残ったにえとの選手が敗者側で意地の粘りを見せて3位という結果を収めた。


DX シングルス TOP 4



参加した数少ないトップ100ランカーの面々が順当にここまで残った。勝者側はMew2King, The Moon、敗者側はMafia, DJ Nintendoがそれぞれぶつかる。勝者側の戦いは大きな見せ場もなくM2Kが3-0で勝利する。

一方でMafia vs DJ、MafiaピーチがDJフォックスを圧倒する思わぬ展開に。DJの空上をMafiaはコンスタントにSDI(ヒットストップずらし)で拒否、スウェーデン人を彷彿とさせるカブでの狙撃など効率的な復帰阻止を見せてMafiaが2ゲームを連取する。追い詰められたDJはサブのピカチュウにキャラ変更し戦場へ、ラストストックの接戦の末上スマで1ゲームを取り返す。しかしピカチュウにも不安を覚えたのか今度はマリオを選択して姫を倒しに行く。マント(横B)でピーチのカブ(下B)を華麗に処理する好プレーもあったものの最後はDJの自滅によりMafiaが敗者側決勝に駒を進めた。

このピーチ対マルスのバトルは忍耐強さが試されるものとなった。The MoonマルスはコンボがはまらないMafiaピーチに対して弱や強攻撃で細かく相手を削り、一方Mafiaは浮遊で間合いを図りカブで牽制しながら隙を狩りに行く。結果この争いに競り勝ったのはMoon、Mafiaもプププランドで1ゲームを奪うものの力及ばず3位でフィニッシュ。

決勝戦は勝者側決勝の再戦となるが、さすがにM2Kはまるで格が違う。この試合も3-0で勝利し1ゲームも落とすことなく大会を終え、Mew2KingがついにApexシリーズシングルス種目で初の優勝を果たした。


最終結果
1位:Mew2King(シーク、マルス)
2位:The Moon(マルス)
3位:Mafia(ピーチ)
4位:DJ Nintendo(フォックス、ピカチュウ、マリオ)


SSB4 シングルス TOP 8

SSB4の"Apex"を決める最後の闘いはデータスマブラーDabuzと笑顔がまぶしいSuperGirlKelsの対戦で幕を開ける。すま村での第1ゲーム、はじめはお互い慎重に出方をうかがう展開が続くがKelsソニックの空後がDabuzロゼッタを撃墜して均衡を破る。しかしチコの処理に苦慮するKelsは不運な自滅もあり波にのることができない。ホーミングアタック(NB)でのなめらかな復帰で観客をわかせたのもつかの間、Dabuzロゼッタの空下の跳ね返りによりKelsソニックは星になってしまう。終点での第2ゲーム、SuperGirlKelsはもはやチコを無視する勢いで空中機動力を活かしロゼッタに直接猛攻を仕掛けに行く。崖の真下から復帰しようとするDabuzにトランポリン(上B)、トランポリン、下スマというこの上なく美しい復帰阻止を決めるKelsだがその後またしても復帰ミスで自滅してしまう。このように今ひとつ勢いを味方につけられないスーパーガールは大いに健闘を見せたものの0-3で敗者側に送られる。

もう一方の勝者側準決勝はMarss(ZSS) vs VoiD(シーク)、すま村で"Go"がかかったかと思うと全力の殴り合いが繰り広げられる。飛び道具で牽制しあう状況かと思えば目にも留まらぬ近接コンボが展開されるこの試合は片時の油断も許されない。一瞬でも気を抜けばZSSの下スマにかかる、シークの跳魚(下B)が飛び込んでくる、ZSSのGC(ガードキャンセル)上Bに弾き飛ばされる、強化されたシークの下スマに射抜かれる。そして気づけば試合は2-2で最終ゲーム最終ストック、減速することを知らないこの勝負、終わりを告げる鮮烈な赤い稲妻が放たれる--VoiDシークの両腕から。

敗者側Mew2King vs James、クラウドミラーになることが心p..予想されたがJamesはディディーを選択する。昨今の「敗者側M2K」は決して侮ってはいけない。非常に効果的なリミットブレイクおよび無謀にも見える果敢な復帰阻止が光り3-0で敗者側を突き進む。

そしてにえとのの本日第1戦、対するは若干18歳の神童Tweek。この試合もディディー対クラウドとなるが、今回支配権を握ったのは大剣ではなくバナナの皮であった。気持ちの良いダンクや回避を読んだ溜め下スマが決まり2ゲームを連取するにえとの選手。地元の期待を背負うTweekは強い意志の力で1ゲームを奪い返すもののにえとのディディーの下強上スマがその力を跳ね返し3-1で日本勢の希望をつないだ。


敗者側準々決勝第1戦は昨日世界を驚かせた対戦のリベンジマッチ、Mew2King vs SuperGirlKelsとなる。じゃんけんでは惨敗したM2Kだが試合に入ると文字通り輝きを放つ。これまでの試合ではむしろリミットブレイクをすぐ解放するスタイルであったが、この試合ではソニックのスピードに対応するためかブレイク状態をキープして戦うMew2Kingクラウド。一方Kels側はこれまで魅せてきたようなキレのある復帰阻止もなく同じパターンのバースト技にも引っかかり集中力が尽きているように見える。昨日の番狂わせの再現はかなわず、Mew2Kingが3-0でリベンジを果たす。

敗者側準々決勝第2戦はにえとの vs Marss、Marssのアグレッシブなスタイルににえとのはなかなか自分の試合を展開できない。バナナでステージを支配したいがMarssは終始完璧な対処を見せ逆に積極的に利用していく。1ゲーム目はその勢いのままMarssのZSSが奪うが、試合が進むに連れて彼の動きはやや緩慢になりミスも目立つように。その変化を見逃すにえとのではなく一気に自分の流れにもっていき続く2ゲームを連続で制す。追いつめられて目が覚めたか、次のプププランドでの第4ゲームはMarssが再び激しいプレッシャーをにえとのに与えていく。にえとのも食らいつき1ストック高%の争い、Marssが崖奪いでにえとのを足場に追いやり先回りで空上を合わせてにえとのを吹き飛ばした。しかしMarssのエネルギーもここで尽きてしまったか、第5ゲームでは甘いつかみすかしを連発するなどらしくないプレイが続き、一方で集中力を保ちきったにえとのが手堅く試合を決めてしまう。


勝者側決勝はVoiDがDabuzから初の勝利をつかみとるべく神経を研ぎ澄ましメインステージでコントローラーを握る。今回は波に乗るシークで第1ゲームを戦うが、Dabuzロゼッタに攻撃展開の糸口を見出だせず2機残しで敗れる。第2ゲームの前VoiDがフォックスにキャラ変更するとDabuzはすぐさま愛用のThinkPadを開きマッチアップデータを確認している様子。データのダウンロードは100%といったところか、このゲームもJV2ストック(1機残しだがダメージは0%)でDabuzの勝利。しかしVoiDから伝わるのは試合用データなんて必要ない、その場でデータを集めればよいという意志。プププランドの第4ゲーム、VoiDフォックスはロゼッタとチコをうまく分断し、ロゼッタがチコを手元に戻す隙をついて空後で1ストック目を奪う。そしてストックのリードを利用した自滅覚悟の超低空空前からのふみつけがきまり、こちらもJV2ストックでゲームを取り返す。

その後再びThinkPadを凝視するDabuzにVoiDはあきれ顔で、メイン画面に映るタグ入力を利用して「(ゲーム間にメモを確認することに関して)ルールをつくってください」と訴える場面も。さらにVoiDはDabuzをからかうかのごとく、彼がThinkPadを閉じた瞬間を見計らってミュウツーにキャラ変更。Dabuzは再びデータを確認し始めたが、運営にせかされてやっとゲームが始まる。VoiDは1ストック目を自滅で落とすもミュウツーの火力を活かし前強でストックを取り返し徐々に差を縮める。そしてVoiDミュウツーが150%を超えたホカホカ状態で94%のDabuzロゼッタをつかんで上投げのモーションに入りこれはバーストかと思われた--しかしそこに助けに入ったのは星の子チコ。間一髪で生き延びたDabuzが空NでVoiDの最終ストックをものにし、結果3-1で決勝進出を決める。




そしてにえとのは敗者側決勝、Mew2Kingと再びのクラウド戦に臨む。村と街での第1ゲーム、Me2Kがまたも果敢な復帰阻止を見事決めたかと思いきや自身も復帰をミスし勝負は1-1ストックでリセットされる。一進一退の末にえとのディディーがまたもやクラウドを空下で地に落とし、1ゲーム目を制して好調な立ち上がりを見せた。第2ゲームも激しい読み合いがつづき息を呑む戦いとなる。にえとのが復帰阻止にいけば逆にMew2Kingが崖奪いで復帰阻止に入り、Mew2Kingがにえとのの下強からの下スマをベク変で拒否すればにえとのはMew2Kingのその場回避を読んでつかみを当てるそのつかみからの後ろ投げはバーストに繋がり、にえとのディディーがM2K打倒に王手をかける。3ゲーム目は1ゲーム目と同じパターンでM2Kクラウドが低空復帰阻止を決めるが、今度はもともと高%であったため狙いどおりのリセットだったといえる。最終ストックの戦いはにえとのが一歩リード、M2Kが復帰後崖をつかみその後の行動に迷い無敵時間を切らす瞬間をにえとのは見逃さなかった。Rain選手のリベンジをにえとの選手が3-0で果たし、ついに敗者側決勝にまで上り詰めた。


DetonatioN Gamig vs Counter Logic Gamingは村と街で開幕、VoiDはフォックス、にえとのはディディーで参戦する。TANIステップ上強などを駆使しトリッキーな立ち回りを見せるVoiDフォックスににえとのは苦戦、1ゲーム目はVoiDに軍配があがる。フォックスでのライラットクルーズに不安があるのかVoiDはここでまたキャラ変更を行い、今度はシークに切り替える。このゲームもにえとのはバナナを出す暇も少なくなかなかステージをコントロールできない。それでも上強でのバーストなどとても冷静な行動選択でくらいつくにえとの、しかし冷静さならVoiDも負けない。空中で追い打ちをかけるにえとのにカメラ外から空下で奇襲、跳ね返されたにえとのが焦って空中回避するのを待って空上で撃墜する判断力には感嘆せざるを得ない。ついにあとがなくなったにえとのは瞑想モードに入り集中力を最大限に高める。だがそれもこの男の前には意味を成さないのだろうか、このゲームVoiDシークにはもはや一分の隙も見受けられず、3-0で勝者となったのはCounter Logic Gamingの使者であった。にえとの選手はこの種目での自己の海外遠征最高順位(Apex 2015での5位)を更新する3位で大会を終える。


大会の最終戦は再びDabuz vs Voidとなる。VoiDは第1ゲームでフォックス、第2ゲームでミュウツーを繰り出すがやはり力及ばず2ゲームを失い絶体絶命の状況に。そんな中最後に運命をたくしたのは自身のメインキャラクター、シークであった。ここからのVoiDはチコを落ち着いて処理する一方、チャンスがあると見ると危険なロゼッタチコの配置にも関わらず攻めに転じるなど攻守を的確に切り替えていく。そして忍耐強く好機を待ち、それを逃すことなく確実にバーストを決めていったVoiDは立て続けに2ゲームを奪い返し、Dabuz相手に第5ゲームにまで持ち込んだ。しかしもちろんDabuzも勢いだけで押しきれるような相手ではない。戦場という広いステージでシークがバーストに苦しむのを利用し、Dabuzは多少の反撃をおそれずややリスクの高い行動を選択してプレッシャーをかける。事実VoiDは一向にDabuzのストックを奪えず大きなリードを許し、最後はDabuzロゼッタチコの3連弱が大会の終わりを知らせる。セットを落とさずすべてのプレイヤーを下したDabuzはスマブラXやダブルス種目を含めてはじめてApex優勝の栄冠を手に入れた。



最終結果
1位:Dabuz(ロゼッタ&チコ)
2位:VoiD(シーク、フォックス、ミュウツー)
3位:にえとの(ディディーコング、シーク)
4位:Mew2King(クラウド)
5-6位:SuperGirlKels(ソニック)、Marss(ゼロスーツサムス)
7-8位:James(クラウド、ディディーコング)、Tweek(クラウド)

2016年6月20日月曜日

『DreamHack Summer 2016』 DX シングルス、Leffenインタビュー

欧州最大級のeSports総合イベント『DreamHack Summer 2016』が開催され、そのうちの1種目スマブラDXシングルスの勝者が決定した。Armadaが大会直前に棄権する中もはや敵なしといった様子でLeffenが悠々とタイトルをものにした。ドイツ出身でLeffenのメインダブルスパートナーであるIceが2位、Project Mのスネークが有名なイギリスのProfessor Proが3位を獲得した。

2月のB.E.A.S.T 6以来の地元での直接対決が期待されたLeffenとArmadaであったが、Armadaが体調不良を理由に大会前日に棄権を発表し対決は再びおあずけとなった。

(ArmadaはDreamHackに来ないらしい。ミュウツーで行こうかな(爆笑))


Leffenのことはさておきベスト6には『Amsah Tech(Amsah受け身)』の生みの親Amsah、DXアドベンチャーモードのスピードラン世界記録保持者としても知られるFuzzyness、PMでは過去に「世界最強のスネーク使い」とも呼ばれDXでもイギリスランク1位を誇るProfessor Pro、Armadaの弟Andoroid、Leffenの長年のダブルスパートナーIceという個性あふれるメンバーが名を連ねた。

ベテランシークプレイヤーAmsahは今大会重要な場面で幾度も自滅する不調に見まわれ、LeffenとFuzzynessに0-3, 1-3で敗れてAndroidとともに5位タイで大会を終える。ベスト4は全員フォックス使いとなったが、各プレイヤー間の実力にはやはり大きな開きがあるようだ。Fuzzynessを3-0で下したProfessorはIceに0-3でストレート負け、そしてそのIceはLeffenとの1セット目に0-3で敗北している。

LeffenとIceの決勝、Leffenが確実に2ゲームを取得し優勝に王手をかけると、そこに表れたのは幻のポケモンであった。彼はここ最近配信でよくこのキャラクターをプレイしておりどこまでが本気でどこまでが冗談かはわからないが、事実Ice相手に互角に近い戦いを見せる(ちなみに前日のフレンドリーマッチではProfessor Proに勝利していた)。しかしさすがにIceも意地を見せてここは勝ちをもぎとり、さらに勢いに乗って次のゲームも勝利する。だが落ち着きを取り戻したTeam SoloMidの精鋭が第5ゲームをあっさりと取り切り優勝を決める。

試合後のインタビューでは相変わらずのLeffen節が炸裂。興味深い内容があったので以下その一部を紹介する。



Leffen「(ミュウツーを出した理由について聞かれる前に)配信中に約束したんだ。決勝でそれまで1ゲームも落とさずに2-0になったらミュウツーを使うって」

Isyan「他のプレイヤー相手ならまだしもIceに対してそれはどうなんだい、彼はチームメイトだろう」

Leffen「もし(それまでの試合で)気持ちが高まっていたらそうはしなかったよ」

Isyan「高まらなかったんだ(笑)」

Leffen「(笑)」

Isyan「それにしてもなんでそんなにいろんなキャラクターを扱えるのか理解できないよ」

Leffen「うん、まあ基本的にゲーム内どのキャラクターを使ったとしてもヨーロッパのプレイヤーには一切負けないと思う」

(Isyanとtwitchチャット「おっと...」)

Leffen「これは別にヨーロッパのプレイヤーを見下してるとかじゃなくて、DXでは(上位プレイヤーと下位プレイヤーの)技術力の差っていうものがとても大きいってことなんだ。技術力が少しでも相手より高ければあらゆるキャラクターでその相手を倒すことができるんだ」

Isyan「なるほど、失礼な発言にも聞こえるけれど、反論することもできないね」

Leffen「でも全キャラの中でアイクラだけは上手く使えないんだ。Wobbling(つかみハメ)はできるからあとはそれにつなげるセットアップを練習すればいいんだけど」

Isyan「それは見てみたいね(笑)」

Leffen「無理だね。炎上してスポンサー失っちゃうし(笑)

Isyan「いやいやいや(笑)」

Leffen「みんなのアイクラ嫌いは異常だからね。自分のこと中堅プレイヤーだと思い込んでる人ほどWobblingに文句を言うね。でもWobblingは実際ブリザードとかそこにつながるセットアップさえ気をつければ避けられるし、ナナを撃墜すれば封じられるし、全く一方的でどうしようもないものなんかじゃないんだ。むしろそれに比べればファルコのレーザーとかリフからのコンボのほうがよっぽど防ぎようがないじゃないか。ファルコやフォックスと戦うときに『よし、リフは一切くらわないぞ』みたいには行かないだろう。ここには駆け引きも何もないんだ」

Isyan「たしかにね。これがきみの言いたいことに合ってるかはわからないけど、mang0が言っていた『シークに下投げから受け身追いされるよりもアイクラにWobblingされるほうがマシ』みたいなことに近いのかな。やり方が違っても実質的には同じことをしているような」

Leffen「そうそうそんな感じ(笑)。そもそもそういう考え方が全体的に僕にはおかしく思える。厳密なコンボ、『確定コンボ』って呼ばれるようなものは当てられた側は本当に何もすることができない。だいたいWobblingに文句を言うレベルのDXプレイヤーはスマブラ4とかXとかを毛嫌いする傾向があるけど、そっちのゲームのほうがよっぽど駆け引きが多いじゃないか。ほとんどの連携技はベク変で抜け出せるし、空中回避するしないの読み合いもある。でもDXには確定コンボがたくさんあって、それはもはや相手がミスするかしないかの問題でしかない」

Isyan「そういえばtwitterでもその話題があったよね」

Leffen「ていうかそろそろトーナメントの話をしようよ(笑)」

Isyan「そうしようか(笑)」



Leffenはナルシストでエゴの強い人物という印象が強い(これも事実だが)がこのようにコミュニティが抱える矛盾や問題点を屈託なく指摘できる数少ない人物でもある。今後も彼のプレイはもちろん、彼の発信する意見にも注目していきたい。






2016年6月19日日曜日

『Apex 2016』 2日目 Wii U 版 シングルス他

スマブラ総合大会『Apex 2016』 2日目には各タイトルシングルス種目が行われ、ベスト8までが決定された。Wii U版(SSB4)では日本から参加したにえとの、うめき、Rain選手が全員勝者側でベスト32まで残るものの北米トッププレイヤーたちの厚い壁に阻まれ、結果ベスト8まで進んだのはにえとののみとなった。この中でMew2Kingなどを破り、SuperGirlKelsがApex史上初めて女性としてベスト8に進出する快挙を成し遂げた。DXシングルス、64シングルスは大きな波乱もなく上位プレイヤーたちがベスト8に出揃った。

ベスト32までは日本人3選手および北米上位プレイヤーたちが特に危なげもなく順当に駒を進める(Tweekが予選でZoraiに敗れるという番狂わせはあったが)。しかしここからこの大会は一転しのぎを削る死闘が続き、誰も予想しない波乱も起きることとなる。

SSB4 シングルス TOP 32


Dabuzがルカリオ使いDayを2-0で片付け、次の試合Mew2King vs SuperGirlKelsもMew2Kingが素早く終わらせてしまうだろうとほとんどの観衆が予想していただろう。Mew2Kingが1ゲーム目は奪ったものの試合展開は驚くほど互角。そして次の試合SuperGirlソニックはM2Kクラウドの甘い復帰に横スマを合わせて2つのストックを奪い、観衆の表情は一変する。ライラットクルーズでの第3ゲーム、M2Kも当然先ほどの結果を学習し復帰方法を変化させるも、SuperGirlもまた異なる復帰阻止でM2Kの意表をつく。最後はまたしてもソニックの横スマがクラウドをバーストゾーンに送り込み、カナダの”スーパーガール”が”キング”相手に大金星を挙げた。




試合後インタビューで「スマッシュコミュニティの中で最もポジティブと言われるようなその心構えはどう維持するのか」という問いに対し、彼女は「ネガティブになる理由がわからない。誰もが私にMew2Kingは倒せないと言うだろうが、自分もそう考えたらただ負けるだけ」「自分のやりたいことがこれだと決めたらそれをやるだけ。それに気づけば何が起きたって自分を保っていられる」と語った。

DetonatioN Gamingにえとのは昨日のダブルスで猛威を振るったMr. Eと対峙するが、ここでは実力差を魅せつけ2-0できっちり勝利する。続いてRainはロボットプレイヤーMister Ericと当たりクラウドで立ち向かう。ロボットへという大会で当たることの少ないキャラへの対応に一時は苦戦するが、2-1で勝利をつかむ。2人の勝利に続きたいうめきだが、対するは地元トライステート地区のNo. 1、ゼロスーツサムス使いMarssという難敵。試合前インタビューで「ピーチの対策はできている」と語ったMarssはそれを試合で証明し、終始ゲームを支配し2-0でうめきを下す。

大会は勝てばベスト8の勝者側準決勝という佳境へ入り、ここからはBO5(5番勝負)となる。にえとのは世界ランクトップ3に数えられるロゼッタ使いDabuzと戦う。ディディーは不利と見てシークを選択したにえとのだが、Dabuzの完成された試合運びに対し一貫した戦略を立てられず立て続けに2ゲームを落とす。3ゲーム目には徐々にチコへの対応にも慣れを見せ、効率的な復帰阻止により3タテも阻止する。しかし対応に対応するのが世界トップの力、にえとのもはじめはリードを奪うものの最後にはDabuznの上スマにより敗者側に送られてしまった。

続く試合では波に乗るSuperGirlKelsがネスプレイヤーThe Great Gonzalesを3-1で下しベスト8にへの切符を手にした。女性プレイヤーのこれまでのApex最高成績は全種目総合して9位(Crisman, 2009 DXダブルスとXaltis, 2015 X ダブルス)であったため(※)、この時点で最高記録更新が決まる。もちろんこれまでの大会とは規模が違うため純粋に比較はできないが、これだけ上位選手が集まる大会でのベスト8は間違いなく大きな功績である。明日の活躍にも期待したい。

SmashWikiに記録されている限り


日本勢で勝者側に唯一残ったのはRain選手。Counter Logic Gaming所属のシーク使いVoiDにこれまたクラウドを当てる。1ゲーム目は空下メテオでVoiDの1ストック目を早々に葬り、そのリードを活かし見事勝ち星を得る。しかしステージ上の立ち振る舞いや忍耐力明ではVoiDが一枚上手で、この後のゲームで彼のシークは効率よくダメージを重ねつつわずかな隙を見逃さずバーストを決めていく。VoiDの支配するペースにRainはついていくことができず、1-3で敗北を喫する。ここで日本勢は全員敗者側にまわり後のない戦いを強いられる。

Marssは6WXを破る番狂わせを見せたJames(ディディー、ルイージ)と当たるが、ここでもMarssの余裕のあるスタイリッシュなプレイ(BMともいう)が炸裂し3-1でベスト8進出をものにする。敗者側では6WXを3-0で破って勝ち進んだうめきとにえとのがぶつかる不運な展開に。ここではにえとのが格上たる風格でうめきにストレート勝利してベスト8の座を獲得し、両者は笑顔で握手を交わした。



そしてRainはJohn NumbersやPugwestを倒して勝ち上がってきたMew2Kingに挑む。クラウドミラーをしかけるRainはM2Kの自滅もあり(彼のツイートいわく、自分と相手のクラウドを見間違えたとのこと)1ゲーム目を勝ち取るものの、ミラーマッチでこのキャラの経験差が如実に表れ2ゲームを奪い返される。追い詰められたRainはディディーにキャラ変更をしたもののM2Kの勢いは止められず、1-3でステージを後にした。

結果トーナメントに残った日本勢はにえとの選手のみ、それも敗者側で後がない状況だがそんなな中でこそ真価を発揮するのが日本人プレイヤーであろう。今夜23時からの彼の勇姿をぜひとも最後まで見届けたい。スケジュール等はこちらから。

ベスト8進出プレイヤー
勝者側:Dabuz, SuperGirlKels, VoiD, Marss, James, Mew2King, Tweek, にえとの

結果一覧

2016年6月18日土曜日

『Apex 2016』 1日目 Wii U版 ダブルス他

シリーズ7回目となるスマブラ総合大会『Apex 2016』が開幕し、各タイトルダブルス種目が執り行われた。日本から参戦したにえとの/うめきペアが決勝で難敵Mew2King/VoiDを紙一重で下し見事Wii U版(SSB4)ダブルスで優勝を果たした。64ダブルスはcobr/Star King、DXダブルスはDJ Nintendo/The Moonがそれぞれタイトルを獲得した。

運営組織が一新された『Apex』は今回見違える成長を見せてくれた--会場は確保されていたし、配信開始の遅延も昨年の24時間からなんと3時間に短縮されたのだ。この結果に慢心せず2日目はさらなる向上に努めて欲しい。本当に。

SSB4 ダブルス


日本からの刺客にえとの/うめきが順当にベスト8に駒を進める中、本命と見られていたMew2King/VoiDおよびMarss/Pugwestが早々に敗者側に送られる波乱の展開に。

VoiDペアを敗者側に落としたのはX時代に「最強のディディー」として知られたADHDとこれまたXのトッププレイヤーMr.Eのコンビであった。本作での競技シーンではこれまで際立った功績を挙げていない両名であったが、今大会でそのポテンシャルを遺憾なく発揮し勝者側決勝まで突き進む。

にえとのペアの最初の試練は勝者側準決勝となる。相手は地元トライステート地区のトップランカーコンビMarss/Pugwestを打ち破ったRaptor/Dioペア。すま村での第1ゲーム、Raptorヨッシーのトリッキーな動きに翻弄されたにえとの側は次々ストックを削られ、にえとのが最終ストックで1 on 2(Dioは2ストック)の状況に追い込まれる。にえとのディディーがここからさすがの忍耐力で反撃しRaptorとの1ストック勝負にまで持ち込んだものの最後はこれまた虚を突くRaptorの下Bにより1ゲーム目を落とす。しかしギミックに惑わされ続けるにえとのやうめきではなく、その後は落ち着いた適応を見せて3-1で勝者側決勝へ。

一方敗者側、Marss/Pugwestが息を呑むチームコンボ(と執拗なアピール)を交え容赦なく敵をなぎ倒し敗者側準決勝へ。Raptor/DioがMew2King/Voidと当たるが、集中力の切れが目立ち1ゲームを奪うものの2度めの番狂わせは起こせなかった。

そして勝者側決勝にえとの/うめきvsADHD/Mr. Eが幕を開ける。 ADHD側はADHDディディーがバナナ(下B)や機動力を活かしてステージをコントロールし、Mr .Eマルスが先端の強力なバースト力でキャリーするというゲームプランを確立する。一方にえとの側はなかなか戦い方を見出だせない様子で2ゲームを連取され3ゲーム目もうめきが1 on 2に追い込まれる。しかしMr .Eによる味方を撃墜するオウンゴールがあり1 on 1になるとうめきデイジー(※ピーチ)が巻き返し、パラソル(上B)最終ヒットでついに1ゲームを取り返す。流れが変わりつつある中村と街での第4ゲームは両者譲らずにえとの/Mr. Eの1 on 1となる。緊迫した高%の戦い、バナナによるMr .Eの転倒起き上がりににえとのディディーが下スマを合わせまたもにえとの側がゲームを決める。最終ゲームはADHD側に焦りが見られ、対して落ち着きを保ったにえとの/うめきがディディー横スマ+デイジーパラソルというチームコンボでフルセットを制し決勝に歩みをすすめる。



敗者側準決勝ではMew2King/VoiDとMarss/Pugwestが相対する。MarssとPugwestは固い絆のチームでありトッププレイヤーの即席コンビには負けない、などと考えるのは非常に甘い。Mew2Kingがダブルスにかける思いは人一倍であり、当然今回も万全の備えで臨んでいるはずだ。ゲームが終わるごとに険しい顔で事細かにパートナーに指示を出す彼の姿がそれを物語る。また信頼できるパートナーがいるときの彼のパフォーマンスは凄まじく、今回もそれを存分に魅せつけ、『完勝』という言葉がふさわしい戦いで地元のエースを粉砕した(Marss側も1ゲームは取得している)。その勢いは敗者側決勝vs ADHD/Mr. Eでも衰えることなく、ADHD側のクラウド対策不足も目立ち3-0の勝利でチーム日本との決勝の舞台へ。


波乱もあったとはいえ最後に残ったのはやはりこの2チーム。日本のスマブラ界に2013年64シングルス(貴公子)以来の栄光をもたらすべくにえとの/うめきがM2K/VoiDを勝者側で出迎える。終点での第1ゲームは乗りに乗るVoiD側がなめらかな試合運びで危なげなくチーム日本を下す。M2Kクラウドのチャージを封じる狙いか、第2ゲームでもにえとの側は終点をピックする。うめきの崖空下とディディーの空下でクラウドを早々に潰すことに成功した二人はそこで得たリードを活かしきりゲームカウントは1-1に。日本プレイヤーがあまり慣れていないであろうという想定からか続くゲームM2K/VoiDはライラットクルーズを選択。VoiDシークの華麗な針跳魚(NB+下B)や崖空下による復帰阻止も光り、最後はM2Kの画竜点睛(リミットブレイク下B)がゲームを決める。後のなくなった日本側は第4ゲーム再び終点に戻る。うめきデイジーがにえとのディディーの復帰をパラソルでアシストする並外れたチームワークを見せる場面もあったが、やはりアメリカ側が一枚上手なのか、両者が敗者側となり勝負は運命の2セット目にもつれ込む。

2セット目は再び終点でスタート、ここでまたしてもVoiD側が並外れた個人技と連携をあますところなく魅せつけ完勝を収める。暗雲が漂う中日本側はすま村でアメリカ側に挑むが、この選択が吉と出る。クラウドが移動する足場で安全にチャージできてしまうことから対クラウドでは避けられがちなステージだが、M2Kがチャージに専念する隙を活かしてVoiDに猛攻をしかける事ができたにえとのとうめきがこのゲームを制した。続くライラットクルーズでの第3ゲーム、一進一退の攻防が続くが徐々に日本側がリードを取り、VoiDとの2 on 1で少しヒヤリとする場面もあったがしっかりと勝利、優勝に王手をかける。しかし安々と勝利を明け渡すチームアメリカではなく、ライラットクルーズで1ゲームを奪い返すと勝負はクライマックス、最終セット最終ゲームへ。にえとの/うめきは先程勝利したすま村を選択し、最終戦とは思えないほど落ちついたプレイで力強い立ち上がりを見せる。にえとのを起点としたチームコンボが次々に光り、最後もディディー空上+デイジーパラソルが美しく決まると、日本の刺客がGENESIS 3に続いて北米の地でダブルス優勝を成し遂げた。




最終結果
1位:にえとの/うめき
2位:Mew2King/VoiD
3位:ADHD/Mr. E
4位:Marss/Pugwest
5-6位:Raptor/Dio, BC Luck/Biddy
7-8位:LAG Chaos/Tokyo, Noe3/Naga's Voice

DX ダブルス


SSB4ダブルス決勝で敗れた悔しさに浸るまもなくこのDXダブルス勝者側決勝の席につくMew2Kingであったが、そんな状況にも慣れている彼はしっかり切り替えて相手のDJ Nintendo/The Moonを3-1で下す。しかし決勝で再び同チームとあたると勝負は一進一退の末フルセットに。DJ NintendoのフォックスがM2Kのシークを1 on 1で破り、こちらのダブルスも2セット目に突入した。さすがのM2Kも疲労の色を隠せず、Jflexも連戦に耐えぬく体力が不足していると見え、結果3-0で勝利したのはDJとMoonのペアであった。

日本時間今夜23時からはシングルスがスタートし、こちらも日本勢の活躍から目が離せない。スケジュール等はこちらから。