2016年6月26日日曜日

『CEO 2016』 2日目 DX シングルス TOP 8 DX/Wii U版 ダブルス

フロリダで開催される格闘ゲーの祭典『CEO 2016』2日目後半にはDX, Wii U版(SSB4)のダブルス種目とシングルスのベスト8が執り行われた。DXダブルスではHungrybox/Mew2KingペアがPlup/Axeを下し優勝し、SSB4ダブルスでは黄金ペアAlly/Mew2KingがダークホースANTi/Larry Lurrコンビを長い戦いの末破ってタイトルを獲得。DXシングルスではHungryboxが決勝でMew2Kingから勝利し、またしても安定したパフォーマンスと逆境強さでメジャーの頂点に輝いた。

DX/SSB4 ダブルス

DXダブルスの勝者となったのはHungrybox/Mew2Kingという五神ペアで、Hungryboxプリンのダブルスでの凶悪さ(シングルスもだが)が光った。もう一方の本命PewFAT(PewPewU/SFAT)はPlup/Axeという隠れた強敵にうまく対応できず敗北し3位に終わる。

SSB4ダブルスではX時代から続く長年のペアAlly/Mew2Kingが多くの死闘を生き延び見事頂点まで上り詰める。2位に踊り出たのはANTi/Larry Lurrで、敗者側から驚異の粘りを魅せつけた。ANTi/Larryはダブルマリオ、あるいはマリオ/フォックスでMr. E/DKwill, Dabuz/Hyuga, Pugwest/Marss, Mr. R/Tweekという恐ろしい面々を次々なぎ倒す。さらには敗者側決勝で1度は敗れたZeRo/Nairoコンビにも、マリオでNairoクラウドを徹底して復帰阻止する戦略がはまり3-1でリベンジを決めた。Ally/Mew2Kingからも3-2で1セットは奪うものの最後はわずかに力及ばず、1-3で準優勝を得るにとどまった。

日本から参戦してベスト16までのこったにえとの/うめきペアはMr. R/Tweekに敗れ9位という結果に終わった。

DXダブルス最終結果
1位:Hungrybox(プリン)/Mew2King(シーク)
2位:Plup(シーク)/Axe(ピカチュウ)
3位:SFAT(フォックス)/PewPewU(マルス)
4位:Reno(シーク)/Lucky(フォックス)

SSB4ダブルス最終結果
1位:Ally(マリオ)/Mew2King(クラウド)
2位:ANTi(マリオ)/Larry Lurr(マリオ、フォックス)
3位:ZeRo(ディディー)/Nairo(クラウド、ゼロサム)
4位:Mr. R(シーク)/Tweek(クラウド)

トーナメント表

DX シングルス TOP 8

678人にものぼる参加者のうちメインステージ、ボクシングリングにまでたどり着いたのはわずかに8名。ここまでくれば誰もが目指すは頂点、意地と意地のぶつかりあいは凄烈な火花を散らす。

第1戦は勝者側準優勝、最近ではおなじみとなりつつあるHungrybox vs SFATとなる。直近の『Low Tier City 4』でもフルセットにまで持ち込んだだけに今回も堅実なゲームプランと針の穴を通すような復帰でじわじわとHboxを削る。しかしまたしてもストックリードを活かせず、重要な場面で決め切ることができないSFATフォックスはゲームを奪うことなく敗者側に送られてしまった。

続いてリングに上がるのは両方のダブルス種目を制し勢いに乗るMew2King、そして2ヶ月ぶりの大舞台で闘志みなぎるPlup。「投げ連なし」のシークミラー第1ゲームは戦場で開幕、一進一退の攻防が繰り広げられる。ここではPlupがじわじわとステージコントロールを固め、最後はM2Kの上B発動に空後を合わせる華麗な復帰阻止でこのゲームをものにする。華麗な復帰阻止といえば終点での第2ゲーム、ステージに戻ると見せかけてMew2Kingを崖におびき寄せ空前で捉えるというプレイが観客をどよめかせた。はじめはリードを許すM2Kも必死に食らいつき、Plupが下スマ復帰阻止をミスしたことにも救われラストストックで勝負はイーブン、そして生き残ったのはMew2Kingであった。夢の泉の第3ゲームはお互いやや不安定な試合運びが目立つが、ここでは僅差でPlupが勝利。

続く戦場の第4ゲームもストックカウント2-2までは互角の戦いとなるが、Mew2Kingが自身の住処である崖に向かうところをPlupがとっさに捉えてM2Kはそのまま落下、大きなリードを許す。会場から落胆のため息が漏れるが、Mew2Kingにはまったく折れる様子がなく、つかみからの美しいお手玉コンボですぐさまストックを取り返す。Mew2Kingコールが響く中流れは完全に彼のものとなるがPlupの精神力もあなどれず、こちらもつかみひとつからダメージを重ね崖外に出たのはM2K。振り返り下スマで勝負は決まるはずだったがまたしてもこれをミスしてMew2Kingが九死に一生を得、そのチャンスを活かしてこのゲームをかすめ取る。戦場に戻って最終ゲーム、またしても激闘の末ストックカウントは1-1、そして1-0に--カウントを1に保ったのはMew2Kingの赤シークであった。



敗者側ではベテランアイクラ使いChudatと新進気鋭のShroomedが相対する。メインのシークでの対アイクラに不安があるのかサブのマルスを繰り出すShroomedは夢の泉での第1ゲームを落とし、戦場の第2ゲームを取り返す。続くゲームではChudatが自身のピックした終点で力強い勝利を挙げて先にセットポイントを得る。追い詰められたShroomedはここからいつになく慎重で忍耐強い試合運びを見せてヨッシーストーリーで勝利、最後のポケモンスタジアムはラストストックの戦いへ。しばらく苦戦したのちナナの撃墜に成功するShroomedに対しChudatポポも粘りをみせるが、最後はShroomedマルスの横スマッシュがChudatを切り裂き、優勝への道を切り拓いた。

世界のファルコンプレイヤーの期待を背負うWizzrobeはアリゾナ出身の「ザ・ピカチュウ使い」Axeと当たる。ステージ上もステージ外もとびまわるポケモンを捉える機会を持ち前の忍耐強さでじっとうかがうWizzyだがAxeもそうそう隙は見せない。Wizzrobeもヨッシーストーリーで1ゲームを奪ったものの、Axeが戦場、終点、プププランドを制しWizzrobeを、そしてキャプテン・ファルコンを大会から葬った。

敗者側準々決勝SFAT vs ShroomedではSFATが怪物じみた潜在能力を遺憾なく発揮する。対シークのゲームプランは完璧といったところか、ヨッシーストーリー、戦場、プププランドでも終始安定してShroomedをリードする。結果3-0で悠々とShroomedシークを粉砕したSFATが敗者側準決勝への 切符をいち早く手に入れる。

Axe対ShroomedはAxeのホームグラウンド夢の泉で開幕し、ピカチュウがド派手なパフォーマンスで会場をわかせる。あわや4機残しといった圧倒的な試合運びで勝利をおさめると、その勢いで戦場の第2ゲームも3機残しで制してしまう--だが勝利に燃えるPlupはこのまま終わらない。再び戦場、Plupそれまで決められていなかった投げ連を次々と決め、空中でもAxeピカチュウを捉え始める。ラストストックでAxeピカチュウ下強のチップにも救われ、Plupが1ゲームを取り返し続くゲームは上スマKOが恐ろしいポケモンスタジアムへ。ここでは復帰阻止されるAxeというレアな光景を何度も目にすることになり、効率的にストックを奪ったPlupがリードを保ちさらに1ゲームを奪い返す。運命の最終ゲームはお互い一歩も譲らずポケモンスタジアムでのラストストック、Plupがシークつかみを得ると一気にAxeピカチュウにダメージがたまる。最後はステージの低いバーストラインがPlupに味方し、DA+空上が彼に逆転勝利をもたらした。落胆するAxeを後にし、Plupは歩みをすすめる。





そこまでの道のりは決して平坦ではなかったが、勝者側決勝に残ったのはやはりこの2人であった。Mew2Kingは例のごとくほぼ対プリン専用となっている緑フォックスでHungryboxのバンダナプリンに挑む。距離をとってレーザーでダメージをためて上スマor上投げ空上、かつてはそんな単純な戦略でも彼に勝利出来たかもしれない。だが彼が今対面しているのは2016年のHboxである。レーザーでダメージをためることすらもなかなかできず、ためられたとしてもバースト技がまずヒットしない。ポケモンスタジアムで1ゲームは取ったものの実力差は明確で、3-1でHungryboxが決勝進出を決めた。

翻って敗者側決勝、闘志みなぎるこの2人、PlupとSFATの戦いが戦場で開幕した。やはりSFATの対シークは非常に安定しており、Plupもくらいつくものの1ゲーム目はSFATの手に。シークで分が悪いとみたPlupはかつてのメインキャラ、Leffenを倒したことでも有名なサムスを繰り出す。相変わらず切れのある絶空+強攻撃を起点としたステージ上ゲーム、的確にジャンプをつぶす空前、飛び道具も交えたトリッキーな復帰阻止がSFATのフォックスを翻弄する。夢の泉で1ゲームを取り返し、終点ではなんとストックカウント4-1でPlupがほぼ勝ちを決めたように見えた。しかしSFATは恐ろしい粘り強さでPlupの飛び道具の合間を縫って(あるいはリフで跳ね返して)安全かつ猛烈な攻めを展開、次々とストックを奪い返していく。そして最後はPlupがシールドをといた瞬間に上スマで飛び込み、奇跡的な逆転劇を生み出した。第4ゲーム(ヨッシーストーリー)は一転して一進一退のままラストストックへ、極度の緊張下でお互いやや不安定なプレイもある中、このゲームおよびこの試合に終止符を打ったのはSFATの空上であった。Plupは笑顔でコントローラーを片付けるが、その表情の裏にある感情を知ることは出来ない。

波に乗るSFATはMew2Kingのシークにも手堅く勝利をおさめる。だが彼にはもう1つの切り札がある--終点で英雄王マルスがお目見えする。彼がひとたびフォックスをつかめば撃墜までの道筋が鮮やかに目に見える。SFATも的確なベク変で容易にはノックアウトされないが、的確さで上回るのはMew2Kingであった。美しき黒マルスのパフォーマンスは終点だけにとどまらず、SFATピックのプププランドでも2ゲームをものにして3-1でHungryboxへの再挑戦権を獲得する。

まさかそんなはずはないだろう--ウォームアップから聞こえてくるのは鋭い斬撃の音。まさかそんなはずはないだろう--ゲームが始まって画面に映るのは先程までフォックスを切り刻んでいた王子様ではないか。Mew2Kingがプリンに対してマルスを当てるのはここ数年見たことがなく、会場やtwitchチャット(そして筆者)からも興奮の歓声が轟く。とはいえやはりつかみに強く依存する彼の通常のマルスはプリン、特にHungryboxのプリンにはそのまま通用することはないか。Hboxがあっさり1ゲーム目を取ると観衆からもため息が漏れる。次のゲームはシークを試すもののやはり結果はHboxの勝ち。先程に続きスタジアムフォックスで1ゲームは取ったものの力及ばず、Hungryboxがまたしてもアメリカのメジャータイトルを我がものにした。


Hungryboxにやけくそでマルスを当てても勝てないのは当然と言える。しかし彼が操る多くのキャラの中でひときわ彼のポテンシャルを感じさせるのがこのキャラであり、ぜひとも対Hungryboxを本気で研究してみてほしいと願う。


最終結果
1位:Hungrybox(プリン)
2位:Mew2King(シーク、マルス、フォックス)
3位:SFAT(フォックス)
4位:Plup(シーク、サムス)
5-6位:Shroomed(シーク、マルス), Axe(ピカチュウ)
7-8位:Chudat(アイクラ), Wizzrobe(ファルコン)

トーナメント表
https://smash.gg/tournament/ceo-2016/brackets/11787/45263/150460

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