2016年6月21日火曜日

『Apex 2016』 3日目 Wii U版/DX シングルス

『Apex 2016』全日程が終了し、シングルス種目の結果も出揃った。DXは大方の予想通りMew2Kingがトーナメント中1ゲームも落とすことなく優勝を飾った。Wii U版(SSB4)では決勝戦でDabuzが勝者側のままVoiDを3-2で下し栄冠に輝く。日本勢は唯一ベスト8に残ったにえとの選手が敗者側で意地の粘りを見せて3位という結果を収めた。


DX シングルス TOP 4



参加した数少ないトップ100ランカーの面々が順当にここまで残った。勝者側はMew2King, The Moon、敗者側はMafia, DJ Nintendoがそれぞれぶつかる。勝者側の戦いは大きな見せ場もなくM2Kが3-0で勝利する。

一方でMafia vs DJ、MafiaピーチがDJフォックスを圧倒する思わぬ展開に。DJの空上をMafiaはコンスタントにSDI(ヒットストップずらし)で拒否、スウェーデン人を彷彿とさせるカブでの狙撃など効率的な復帰阻止を見せてMafiaが2ゲームを連取する。追い詰められたDJはサブのピカチュウにキャラ変更し戦場へ、ラストストックの接戦の末上スマで1ゲームを取り返す。しかしピカチュウにも不安を覚えたのか今度はマリオを選択して姫を倒しに行く。マント(横B)でピーチのカブ(下B)を華麗に処理する好プレーもあったものの最後はDJの自滅によりMafiaが敗者側決勝に駒を進めた。

このピーチ対マルスのバトルは忍耐強さが試されるものとなった。The MoonマルスはコンボがはまらないMafiaピーチに対して弱や強攻撃で細かく相手を削り、一方Mafiaは浮遊で間合いを図りカブで牽制しながら隙を狩りに行く。結果この争いに競り勝ったのはMoon、Mafiaもプププランドで1ゲームを奪うものの力及ばず3位でフィニッシュ。

決勝戦は勝者側決勝の再戦となるが、さすがにM2Kはまるで格が違う。この試合も3-0で勝利し1ゲームも落とすことなく大会を終え、Mew2KingがついにApexシリーズシングルス種目で初の優勝を果たした。


最終結果
1位:Mew2King(シーク、マルス)
2位:The Moon(マルス)
3位:Mafia(ピーチ)
4位:DJ Nintendo(フォックス、ピカチュウ、マリオ)


SSB4 シングルス TOP 8

SSB4の"Apex"を決める最後の闘いはデータスマブラーDabuzと笑顔がまぶしいSuperGirlKelsの対戦で幕を開ける。すま村での第1ゲーム、はじめはお互い慎重に出方をうかがう展開が続くがKelsソニックの空後がDabuzロゼッタを撃墜して均衡を破る。しかしチコの処理に苦慮するKelsは不運な自滅もあり波にのることができない。ホーミングアタック(NB)でのなめらかな復帰で観客をわかせたのもつかの間、Dabuzロゼッタの空下の跳ね返りによりKelsソニックは星になってしまう。終点での第2ゲーム、SuperGirlKelsはもはやチコを無視する勢いで空中機動力を活かしロゼッタに直接猛攻を仕掛けに行く。崖の真下から復帰しようとするDabuzにトランポリン(上B)、トランポリン、下スマというこの上なく美しい復帰阻止を決めるKelsだがその後またしても復帰ミスで自滅してしまう。このように今ひとつ勢いを味方につけられないスーパーガールは大いに健闘を見せたものの0-3で敗者側に送られる。

もう一方の勝者側準決勝はMarss(ZSS) vs VoiD(シーク)、すま村で"Go"がかかったかと思うと全力の殴り合いが繰り広げられる。飛び道具で牽制しあう状況かと思えば目にも留まらぬ近接コンボが展開されるこの試合は片時の油断も許されない。一瞬でも気を抜けばZSSの下スマにかかる、シークの跳魚(下B)が飛び込んでくる、ZSSのGC(ガードキャンセル)上Bに弾き飛ばされる、強化されたシークの下スマに射抜かれる。そして気づけば試合は2-2で最終ゲーム最終ストック、減速することを知らないこの勝負、終わりを告げる鮮烈な赤い稲妻が放たれる--VoiDシークの両腕から。

敗者側Mew2King vs James、クラウドミラーになることが心p..予想されたがJamesはディディーを選択する。昨今の「敗者側M2K」は決して侮ってはいけない。非常に効果的なリミットブレイクおよび無謀にも見える果敢な復帰阻止が光り3-0で敗者側を突き進む。

そしてにえとのの本日第1戦、対するは若干18歳の神童Tweek。この試合もディディー対クラウドとなるが、今回支配権を握ったのは大剣ではなくバナナの皮であった。気持ちの良いダンクや回避を読んだ溜め下スマが決まり2ゲームを連取するにえとの選手。地元の期待を背負うTweekは強い意志の力で1ゲームを奪い返すもののにえとのディディーの下強上スマがその力を跳ね返し3-1で日本勢の希望をつないだ。


敗者側準々決勝第1戦は昨日世界を驚かせた対戦のリベンジマッチ、Mew2King vs SuperGirlKelsとなる。じゃんけんでは惨敗したM2Kだが試合に入ると文字通り輝きを放つ。これまでの試合ではむしろリミットブレイクをすぐ解放するスタイルであったが、この試合ではソニックのスピードに対応するためかブレイク状態をキープして戦うMew2Kingクラウド。一方Kels側はこれまで魅せてきたようなキレのある復帰阻止もなく同じパターンのバースト技にも引っかかり集中力が尽きているように見える。昨日の番狂わせの再現はかなわず、Mew2Kingが3-0でリベンジを果たす。

敗者側準々決勝第2戦はにえとの vs Marss、Marssのアグレッシブなスタイルににえとのはなかなか自分の試合を展開できない。バナナでステージを支配したいがMarssは終始完璧な対処を見せ逆に積極的に利用していく。1ゲーム目はその勢いのままMarssのZSSが奪うが、試合が進むに連れて彼の動きはやや緩慢になりミスも目立つように。その変化を見逃すにえとのではなく一気に自分の流れにもっていき続く2ゲームを連続で制す。追いつめられて目が覚めたか、次のプププランドでの第4ゲームはMarssが再び激しいプレッシャーをにえとのに与えていく。にえとのも食らいつき1ストック高%の争い、Marssが崖奪いでにえとのを足場に追いやり先回りで空上を合わせてにえとのを吹き飛ばした。しかしMarssのエネルギーもここで尽きてしまったか、第5ゲームでは甘いつかみすかしを連発するなどらしくないプレイが続き、一方で集中力を保ちきったにえとのが手堅く試合を決めてしまう。


勝者側決勝はVoiDがDabuzから初の勝利をつかみとるべく神経を研ぎ澄ましメインステージでコントローラーを握る。今回は波に乗るシークで第1ゲームを戦うが、Dabuzロゼッタに攻撃展開の糸口を見出だせず2機残しで敗れる。第2ゲームの前VoiDがフォックスにキャラ変更するとDabuzはすぐさま愛用のThinkPadを開きマッチアップデータを確認している様子。データのダウンロードは100%といったところか、このゲームもJV2ストック(1機残しだがダメージは0%)でDabuzの勝利。しかしVoiDから伝わるのは試合用データなんて必要ない、その場でデータを集めればよいという意志。プププランドの第4ゲーム、VoiDフォックスはロゼッタとチコをうまく分断し、ロゼッタがチコを手元に戻す隙をついて空後で1ストック目を奪う。そしてストックのリードを利用した自滅覚悟の超低空空前からのふみつけがきまり、こちらもJV2ストックでゲームを取り返す。

その後再びThinkPadを凝視するDabuzにVoiDはあきれ顔で、メイン画面に映るタグ入力を利用して「(ゲーム間にメモを確認することに関して)ルールをつくってください」と訴える場面も。さらにVoiDはDabuzをからかうかのごとく、彼がThinkPadを閉じた瞬間を見計らってミュウツーにキャラ変更。Dabuzは再びデータを確認し始めたが、運営にせかされてやっとゲームが始まる。VoiDは1ストック目を自滅で落とすもミュウツーの火力を活かし前強でストックを取り返し徐々に差を縮める。そしてVoiDミュウツーが150%を超えたホカホカ状態で94%のDabuzロゼッタをつかんで上投げのモーションに入りこれはバーストかと思われた--しかしそこに助けに入ったのは星の子チコ。間一髪で生き延びたDabuzが空NでVoiDの最終ストックをものにし、結果3-1で決勝進出を決める。




そしてにえとのは敗者側決勝、Mew2Kingと再びのクラウド戦に臨む。村と街での第1ゲーム、Me2Kがまたも果敢な復帰阻止を見事決めたかと思いきや自身も復帰をミスし勝負は1-1ストックでリセットされる。一進一退の末にえとのディディーがまたもやクラウドを空下で地に落とし、1ゲーム目を制して好調な立ち上がりを見せた。第2ゲームも激しい読み合いがつづき息を呑む戦いとなる。にえとのが復帰阻止にいけば逆にMew2Kingが崖奪いで復帰阻止に入り、Mew2Kingがにえとのの下強からの下スマをベク変で拒否すればにえとのはMew2Kingのその場回避を読んでつかみを当てるそのつかみからの後ろ投げはバーストに繋がり、にえとのディディーがM2K打倒に王手をかける。3ゲーム目は1ゲーム目と同じパターンでM2Kクラウドが低空復帰阻止を決めるが、今度はもともと高%であったため狙いどおりのリセットだったといえる。最終ストックの戦いはにえとのが一歩リード、M2Kが復帰後崖をつかみその後の行動に迷い無敵時間を切らす瞬間をにえとのは見逃さなかった。Rain選手のリベンジをにえとの選手が3-0で果たし、ついに敗者側決勝にまで上り詰めた。


DetonatioN Gamig vs Counter Logic Gamingは村と街で開幕、VoiDはフォックス、にえとのはディディーで参戦する。TANIステップ上強などを駆使しトリッキーな立ち回りを見せるVoiDフォックスににえとのは苦戦、1ゲーム目はVoiDに軍配があがる。フォックスでのライラットクルーズに不安があるのかVoiDはここでまたキャラ変更を行い、今度はシークに切り替える。このゲームもにえとのはバナナを出す暇も少なくなかなかステージをコントロールできない。それでも上強でのバーストなどとても冷静な行動選択でくらいつくにえとの、しかし冷静さならVoiDも負けない。空中で追い打ちをかけるにえとのにカメラ外から空下で奇襲、跳ね返されたにえとのが焦って空中回避するのを待って空上で撃墜する判断力には感嘆せざるを得ない。ついにあとがなくなったにえとのは瞑想モードに入り集中力を最大限に高める。だがそれもこの男の前には意味を成さないのだろうか、このゲームVoiDシークにはもはや一分の隙も見受けられず、3-0で勝者となったのはCounter Logic Gamingの使者であった。にえとの選手はこの種目での自己の海外遠征最高順位(Apex 2015での5位)を更新する3位で大会を終える。


大会の最終戦は再びDabuz vs Voidとなる。VoiDは第1ゲームでフォックス、第2ゲームでミュウツーを繰り出すがやはり力及ばず2ゲームを失い絶体絶命の状況に。そんな中最後に運命をたくしたのは自身のメインキャラクター、シークであった。ここからのVoiDはチコを落ち着いて処理する一方、チャンスがあると見ると危険なロゼッタチコの配置にも関わらず攻めに転じるなど攻守を的確に切り替えていく。そして忍耐強く好機を待ち、それを逃すことなく確実にバーストを決めていったVoiDは立て続けに2ゲームを奪い返し、Dabuz相手に第5ゲームにまで持ち込んだ。しかしもちろんDabuzも勢いだけで押しきれるような相手ではない。戦場という広いステージでシークがバーストに苦しむのを利用し、Dabuzは多少の反撃をおそれずややリスクの高い行動を選択してプレッシャーをかける。事実VoiDは一向にDabuzのストックを奪えず大きなリードを許し、最後はDabuzロゼッタチコの3連弱が大会の終わりを知らせる。セットを落とさずすべてのプレイヤーを下したDabuzはスマブラXやダブルス種目を含めてはじめてApex優勝の栄冠を手に入れた。



最終結果
1位:Dabuz(ロゼッタ&チコ)
2位:VoiD(シーク、フォックス、ミュウツー)
3位:にえとの(ディディーコング、シーク)
4位:Mew2King(クラウド)
5-6位:SuperGirlKels(ソニック)、Marss(ゼロスーツサムス)
7-8位:James(クラウド、ディディーコング)、Tweek(クラウド)

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