総合スマブラ大会『Smash 'N' Splash 2』のWii U版(SB4)各種目の勝者が決定した。ダブルスではX時代からのゴールデン・ペアAlly/Mew2Kingが昨年に引き続き難なく栄冠を手にする。一方同シングルスではGOMLに引き続きAllyがまたしても王者ZeRoを下し同じく本タイトル防衛に成功。日本から参戦したAbadango選手はダブルス2位(ZeRoとペア),シングルス5位という結果を収めた。
SB4 ダブルス TOP 8
下馬評通り勝者側でベスト8に残ったのは即席OPペアZeRo/Abadango, 長年の絆のあるMew2King/Allyペア, ホームのシカゴ地区コンビNite/Dan,そしてMJGとZinotoのタッグとなった。敗者側ではsinnyboo232/Triple R, JJROCKETS/Demitus, Hoenn/Sheen, tyroy/Anonymous Monikerらがベスト8に駒を進めたが他のペアとの実力差が顕著に目立ちいずれもベスト4には残れなかった。
ZeRo/AbdangoとMew2King/Allyが格の違いを魅せつけるかのごとく勝者側決勝までともに1ゲームも落とすことなく勝ち進んだ。Mew2King/Allyはそれぞれメインのクラウド/マリオで挑むが,今回Abadangoはメタナイトで,ZeRoは新たに開拓したと思われるクラウドを引っさげて勝負に臨む。Ally側が常にお互いをカバーできる位置取りを保ちながらステージをコントロールしているのに対し,ZeRo側はあまりチームワークが洗練されておらず,個人で戦っている印象が強い展開になってしまう。特にAbadangoメタナイトが上Bバーストを果敢に狙いに行く中その落下中の隙をZeRoクラウドがカバーしきれない(あるいはさせてもらえない)場面が目立った。ZeRo側は結局解答を見出だせないまま0-3で敗北を喫する。
敗者側準決勝では緊迫のフルセットの末地元のホープDan(マリオ)/Nite(ロゼッタ)が個人ランク上では格上とみられるMJG(むらびと)/Zinoto(ディディー)を破り敗者側決勝でZeRo/Abadangoと再び相対する。新たなメタの下キャラクターピックで高度な心理戦が展開されたこの試合のハイライトはこちら。
決勝は再びZeRo/Abadango vs Mew2King/Ally,ZeRo側は前回の試合に引き続きダブルクラウドで1ゲーム目を戦う。しかし奇策が通用するほど相手の2人は甘くなく,あっけなくゲームを奪われる。その後シーク/メタナイトにキャラ変更をするも,ミスコミュニケーションも多く不安定な試合運びが続く。Ally側はマリオのポンプ(下B)+クラウドのリミットブレイク凶斬り(横B)という美しいコンボでフィニッシュを決める。続く村と街での第3ゲームはZeRo側が食らいつき,Abdango vs Allyの1on1シチュエーションでAbadangoが念願の勝利を掴み取る。迎えた終点での第4ゲーム,Ally/Mew2Kingの卓越した個人スキルとあうんの呼吸によるチームコンボが再び炸裂し,この試合を制するとともにタイトル防衛に成功した。
最終結果
1位:Mew2King/Ally
2位:ZeRo/Abadango
3位:Nite/Dan
4位:MJG/Zinoto
5-6位:JJROCKETS/Demitus, tyroy/Anonymous Moniker
7-8位:sinnyboo232/Triple R, Hoenn/Sheen
SB4 シングルス TOP 8
ZeRo, Abadango, Ally, Mew2Kingは順当に勝ち進みベスト8に名を連ねる(Mew2Kingはベスト16でAbadangoに敗れ敗者側での進出)。Zinotoや地元シカゴ地区のJJROCKETS, ShelやNedも進出を決めた。
Mew2Kingを2-1で倒して勢いに乗るAbadangoは勝者側準決勝で昨年のEVO以来となるZeRoとの戦いに臨む(前回は0-2で敗北している)。AbadangoはPound 2016を制覇したミュウツー,対するZeRoはディディーを選択。シークの針(NB)がミュウツーのシャドーボール(NB)に相殺されるのを警戒したとかんがえられる。AbadangoはZeRoディディーのバナナ(下B)への対処に苦戦し,モンキーフリップ(横B)を駆使して跳びまわり地上でも隙を見せない相手をなかなか捉えられない。一方この戦いに備えて対策をしてきたと見られるZeRoは相手の隙を狩っていく形で着実にダメージを重ね難なくバーストにまで持って行ってしまう。勝利への糸口を見出だせないままAbadangoはまたしてもゲームを奪うことなく敗北に終わる。
もう一方の勝者側準決勝はカナダの巨人Allyと地元の中堅プレイヤーNedの対戦。実力の違いは明らかで消化試合になると見られていたが,始まってみると思わぬ様相を見せる。1ゲーム目はAllyマリオがマント(横B)による復帰阻止とお決まりの上スマで2ストックを奪うが,ここからNedの下克上が始まる。的確な間合い取りで大きな隙を見せず確実にダメージを重ねるプレイにより終始優位を維持,リミットブレイク技の暴発も目立つが決めるべきところではしっかりと決め切り3ゲームを連取,17歳の若手プレイヤーが世界トップクラスのプレイヤーから大金星を挙げた。
敗者側でAllyはダブルスのペアMew2Kingと当たる。Nedとはまた異なるスタイルのクラウドを操るMew2Kingであるが,普段からともにプレイしているAllyは彼のスタイルを知り尽くしている。特にMew2Kingがリミットチャージ(NB)に入るタイミングに攻撃を合わせていく場面にそれが表れていた。最後はMew2Kingの上スマチャージに空後で突っ込む果敢なプレイで接戦をものにし,ゲームカウント3-1で敗者側準決勝に進む。
一方Abadangoはまたしてもディディーを操るZinotoと対戦する。1ゲーム目はZeRo戦と同じように苦戦を強いられ2機残しで敗れる。ミュウツーに不安を感じたのかここで首を傾げながらパックマンを選択。マッチアップ経験の面ではAbadangoに分があるかと思えたがZinotoは素早く適応して再び勝利。追い詰められたAbadangoはロゼッタを試し,下Bを利用してZinotoのバナナを封じようと試みるが普段の練習不足のためか動きにキレはなく,0-3で敗れこのトーナメントを5位で終える。
快進撃のNedであるが,勝者側決勝でZeRoに0-3で敗北し敗者側へ。Zinoto vs Ally戦はAllyが2ゲームを連取するとZinotoが切り札パルテナを繰り出す。この相手の虚をついた選択が功を奏してか1ゲームを取り返すが,Allyはすぐに適応を見せ続くゲームを奪い返しNedとの再戦に臨む。再戦に向けたAlly曰く,「"真のAlly"を見せてやる」
はじめの2ゲームは"真のAlly"が本領を発揮する。ディフェンシブなNedのスタイルを逆手に取って積極的にポンプを溜め,復帰阻止をしかけにいく。Nedがなかなか隙を見せない中じっと機会を伺い,Nedが勝負を焦って攻撃を外すところにすかさずバースト技を合わせていった。しかしこのまま終わるような実力では決してここまで勝ち上がることは出来ないだろう。落ち着きを取り戻したNedは続く2ゲーム目立ったミスもなく試合を運び,リミットブレイクも的確に利用して怒涛の巻き返しを魅せる。終点での最終ゲーム,極度の緊張感の中試合を決めたのはやはりAllyの上スマッシュ。トーナメントはいよいよ天王山,ZeRo vs Allyへ。
GOMLでディディーを使いAllyに敗れた経験からか今回は第1ゲームからシークで挑むZeRoに対し,Allyは勢いに乗るマリオで出迎える。地上での読み合いからのつかみ,つかみからの強力なコンボ,ポンプとマントを駆使したなめらかな復帰阻止,上スマ連打や後ろ投げによるバーストとまるで隙のないAllyのゲームプランに対しZeRoは終始劣勢に追い込まれる。ZeRoは弱体化により確定バーストを失ったシークを用いた試合運びに依然として自信がないように見受けられた。第2ゲームでクラウドをピックしたことからもそれが伺える(このゲームも落としてしまう)。ZeRoも王者としての意地をみせ1ゲームを取り返しはしたものの,このAllyの勢いは止められない。敗者側から這い上がったAllyはセットカウントをリセットし,勝負は最終セットへ。
ZeRoはディディーにキャラクターを変更し,このセットは力強い立ち上がりを見せる。ZeRoは第1ゲームを奪い,第2ゲームは,なんと引き分けというとてもレアな結果となる。1ストックでのタイブレークはAllyが空中回避を読んでの空前メテオで会場を沸かし,流れは再び彼の元へ。ZeRoはAllyの猛攻を止めることは出来ず,"真のAlly"が再び3-1でセットを連取し,タイトルを我が物にした。
ZeRoは怪我からの復帰以来続けて優勝を逃しており,彼の絶対的な地位は揺らぎつつある。トッププレイヤーたちの争いから今後はますます目が離せなくなるであろう。
最終結果
1位:Ally
2位:ZeRo
3位:Ned
4位:Zinoto
5-6位:Abadango, Mew2King
7-8位:JJROCKETS, Shel
結果一覧
https://smash.gg/tournament/smash-n-splash-2-1/brackets
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