2016年7月17日日曜日

日本の北米侵略、頂点の座はカナダのAllyへ --『EVO 2016』Wii U版 シングルス

世界中の豪傑が火花を散らす格闘ゲーム総合大会『EVO (Evolution Championship) 2016』、Wii U版(SSB4)シングルスは早くもクライマックスを迎えた。1日目を勝ち抜いた32名の怪物によるサバイバル、最後に一人残ったのはカナダが生んだ巨星、マリオ使いAllyであった。Allyに敗れたもののMr. R, あーす, VoiD, そしてZeRoというビッグネームを次々なぎたおし準優勝を得たのは日本のロックマン、かめむし(かめめ)選手。他の日本勢はらないとあばだんごが5位タイ、あーすが9位タイ、KENが13位タイ、古森霧が17位タイという成績を収め、日の丸の底力を世界に知らしめてくれた。



SSB4 シングルス ベスト32 -> 16


初戦は勝者側、今年に入って一気にその頭角を表したVoiDに対するは昨年の『EVO 2015』で一躍脚光を浴びたゲーム&ウォッチ使いRegi。Regiのトリッキーな動きにも一切動揺を見せないVoiDシークが2-0で堂々の勝利。

続いてあばだんごが「最強のフォックス」と名高い難敵Larry Lurrとぶつかる。先月の『CEO 2016』に引き続きあばだんごミュウツーが終始試合の流れをつかみ、2ゲーム目にLarryが繰り出したドンキーにも一切ひるむことなくストレート勝利を飾る。

『GENESIS 3』でのパフォーマンスで世界に名をとどろかせた日本のむらびと使いらないは優勝候補の一角であるNairoと相対する。淀みなく流れるNairoゼロサム(ゼロスーツサムス)の猛攻を紙一重で受け流しつつ自分の攻撃を差し込んでいくらない。Nairoが空上連上Bコンボをミスしたことにも救われゲームカウントは1-1に。息を呑む3ゲーム目ラストストック、Nairoゼロサムの腰にらないの斧(下B)が突き刺さり、らない村長が村の治安を維持してみせた。

拳を可愛く突き上げるらない

Ally(マリオ)はにえとのを破ったディディーdyrをまったく寄せ付けず勝利。Dabuz(ロゼッタ)は日本のクラウド古森霧がステージ選択で仕掛けた心理戦に動揺を見せたが、ゲームに入ると圧倒的な力を魅せつけきっちりと勝利する。X時代からのピット使いあーすはANTiを敗者側に送り込んだロゼッタ/ルキナプレイヤーXaltisを悠々と下しベスト16入りを決める。

続いて登場したのは初の海外遠征に臨む日本代表かめむしとX時代から世界を渡り歩くオランダ代表Mr. R。持ち前のスタイリッシュな連携でかめむしロックマンを翻弄してリードするMr. Rシークだが、かめむしのダウン連コンボが美しく決まると流れがリセットされる。不運な自滅によりこのゲームを落とし、さらに次のゲームも早々に自滅し動揺がみられるMr. R。そんなオランダ代表にかめむしは再び容赦なくダウン連コンボを決め、最後の上強のフォームを再現するかのようにガッツポーズを見せた。

前日ZeRoに勝利して勢いづくMr. Eはニューヨーク地区の同士Vinnieとの戦いに挑む。乱暴にも思えるMr. EマルスのオフェンスをVinnieシークは丁寧な対応でかわしていく。Mr. Eは二度の空N先端当てで1ゲームを取ったものの力及ばず、Vinnieが勝者側を勝ち進む。

一方で敗者側ではZeRoがHyugaと古森霧を下し敗者側マラソンを続ける。日本のソニックKENもTyrantとdyrを破ってベスト16に。またTrelaがESAMから2-1で勝利をつかみ、さらにMr. Rからもフルセットの末勝利し望みをつなぐ。その他Nairo, Larry Lurr, Mr. E, Marssが敗者側ベスト16に残留した。

SSB4 シングルス ベスト16 -> 8


ベスト8の座、すなわちメインステージに立つ権利を争う戦いは午前中とは思えないほど熾烈なものとなる。

勝者側第1試合は日本人同士の戦い、あばだんごvsらないとなった。国内の戦績ではらないに分があるカードではあるが海外遠征に強いのがあばだんごという男であり勝負は蓋を開けてみるまでわからない。あばだんごミュウツーはねんりき(横B)でらないむらびとの空前空後やはにわ(横B)という主要な置き技を徹底的に封じにかかり、らないは解答を見いだせず1ゲーム目を落とす。だが2ゲーム目には飛び道具のタイミングに択をかけ、あえてねんりきを誘い出してアプローチするなど早くも適応をみせて勝ち星を取り返すらない。戦場での3ゲーム目ではあばだんごがステージ特性を活かして終始ラインを確保、らないはなかなか立ち入る隙を見つけられずリードを許す。最後はらないがハニワで着地のタイミングをずらそうとしたところにあばだんごが上スマを合わせ、昨年に引き続き日本のホープがいち早くベスト8入りを決めた。

渾身の上スマッシュ

『WTFox 2』で初のメジャータイトルをものにし波に乗るDabuzの前に立ちはだかるのは他でもないAlly。AllyマリオはDabuzの呼吸を完全に掌握したかのごとく針の穴を通すような精彩さでロゼッタとチコに割り込み、後ろ投げの反動を利用しチコを次々葬る。それでもDabuzは忍耐を失うことなくAllyの立ち回りが粗くなる瞬間を見定めて反撃していく。第2ゲームで序盤リードを奪うDabuzであったが肝心の一発を決められず、Allyマリオの後ろ投げがDabuzを敗者側へと送り込んだ。

そしてまたしても日本人同士が勝者側で相対することになる。かめむしロックマンは国内戦では負け越しているあーすピットに満を持して挑む。Mr. Rのような派手さはなくとも揺らぐことのない確固たる基盤を持つあーすとの大乱闘は非常に根気を要する戦いとなる。幾百、あるいは幾千の細かな読み合いを両者一歩も譲らずゲームカウントは1-1。あーすはステージの傾きを利用してかめむしのロックバスター(いわゆる豆)を封じる狙いかライラットクルーズを選択、再び精神を削る読み合いが始まる。一進一退の末両者最終ストック高%、かめむしがメタルブレード(NB)を当てて空後へとつなげ、ピットの力ない呻き声とともに勝者をたたえる歓声が会場に響き渡った。

勝者側最終試合ではVoiDとVinnieのシークミラーが繰り広げられる。昨年であれば互角かあるいはVinnieのほうが格上であったかもしれない。だがVinnieが引退を宣言したり撤回したりしている間にもVoiDは日々研鑽を重ねてきた。その月日が彼にもたらした疑いようのない実力は確かにこの試合に表れる--低空ふみつけ復帰阻止、虚を突く上スマ先端当て、逆境を好機へと変える降下空上。まさに圧巻と言うべきパフォーマンスで1ストックも落とすことなく勝利をおさめたCounter Logic Gamingの若きエースがメインステージへの切符を手に入れた。

敗者側ではLarry LurrはX時代からのライバルNairoを2-1で撃破し勝者側から送られてきたVinnieと闘う。Larryが熱く闘志を燃やす中Vinnieは押し返す気力も欠けていると見え、ベスト8の座はあっさりとLarryへと明け渡された。

一方でZeRoがKENを下して再び日本人選手、あーすと対戦する。ここに現れたのは『CEO 2016』のZeRoでもなければ『WTFox 2』のZeRoでもない。敗者側での連戦を経て彼が今身にまとうのは絶対王者の風格。「地球」を冠する相手を完封する彼の姿は地球一のスマブラーの座に相応しい。全力での戦い、そしてレッドブルによる乾杯を通じて結ばれた王者との絆を手土産に、あーす選手はトーナメントを後にした。

「スマブラの未来に」

マルス使いの弟Pugwestを持つMarssにとってMr. Eのマルスは脅威ではないか、2-0で悠々勝利を収め、ベスト8を賭けてらないと対峙する。Nairoとの激戦を勝ち残ったばかりのらないはMarssゼロサムが執拗に狙いに行く早期KOへの仕掛けをひらりとかわし続ける。Marssのむらびと経験不足も目立ちらないが危なげなく勝ち残り、あばだんごとかめむしに続いて次なる戦いに駒を進める。

Dayルカリオを下し快進撃を続ける「最強のリュウ」TrelaであったがDabuz打倒には力及ばず9位で大会を終える。ベスト8最後に残された切符を握りしめ、Dabuzは他の7名とともに運命の決戦へと臨む。

SSB4 シングルス ベスト8


続きはまた後日!(需要があれば...)

最終結果
1位:Ally(マリオ)
2位:かめむし(ロックマン、クラウド、ヨッシー)
3位:ZeRo(ディディー、シーク)
4位:VoiD(シーク)
5-6位:あばだんご(ミュウツー、ロゼッタ), らない(むらびと)
7-8位:Larry Lurr(フォックス、ドンキー), Dabuz(ロゼッタ)

トーナメント表(公式のものが未更新のためLiquipediaから)

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