2016年7月26日火曜日

スマブラ英会話 実践編 #3 インタビューを聞こう! Hungrybox@『EVO 2016』

今回は実況ではなくインタビューの内容を聞き取ってみよう。『EVO 2016』DXシングルスで劇的な勝利を収めたプリン使いHungryboxの優勝後インタビューのうちの一つを取り上げてみる。




※インタビュアーは緊張のためかどもりがちなので質問内容のみ。

Daniel: 今のお気持ちは?
Hbox: I mean, this.. I wish I knew more words, I wish I had a poet here to actually describe what I'm feeling right now(1). But it's the single greatest accomplishment in my entire life, I can safely say that. And I'm so happy and I did it for all people supporting me. And like, finally, finally finally. It's a huge relief(2).

(1)僕の今の気持ちを表現してくれる詩人でもいてくれればいいのに。
(2)本当にホッとしているよ。


Daniel: 最終ゲーム、最終ストックという状況でどんなことが頭のなかを巡っていたのでしょうか?
Hbox: I mean, Armada is the world champ and I had to play like a world champ to beat him(3), so... He's just such a formidable opponent and his consistency... No one will ever match him, in consistency ever. But I knew that if i just stayed calm and just really really waited for the opening, I can beat him, even no matter how down I was. JigglyPuff is a huge comeback character. And there were so many points in the set like, well, it's another EVO. But it's just like, I don't know, something pushed me a little further and I'm like, I'm not gonna give it to him(4), I'm not... And I just didn't do any of those dumb pounds and didn't do those dumb back airs(5). And there was a lot of coaching that Lewis gave me to, like, sort of clean that up. Like, "don't give him a free win". So I did a lot of that and they worked up pretty well.

(3)Armadaは世界王者だ。だから彼を倒すためには世界王者のようにプレイしなきゃいけなかった。
(4)あのセット中には何度も「まあ今年のEVOも同じか」ってなる場面があった。でもなんだろう、何かが僕の背中を少しだけ遠くまで押してくれて、「彼には渡さない」って思えたんだ。
(5)あのよくやってしまう間抜けなはたく(=pound)とか空後は全然やらなかった。

Daniel: セット中はコーチングができないルールでしたが、セット間にCrunch(Hboxのコーチ=Lewis)から何か重要なアドバイスなどがあったりしたのですか?
Hbox: So what... I won the first set with like, clutch, super clutch rest(6). And then I bet, I, we ran into the game 1 and right as a game was starting I remembered, oh shit, I could have got to talk to him. That was in the rules. And then... I had two pages of notes and so what I did was... That was crazy! So Lewis has always notes that I didn't read but, I don't know dude. The stars literally were lining, a shooting star came down and hit Armada's face(7). And... I don't even know dude. It's like winning lottery, I... literally. Like, I need to go play lottery tomorrow, I'm probably gonna win.

(6)最初のセットを超逆境(clutch「逆境に打ち勝つ、ギリギリの所で競り勝つ」)ねむる(=rest)で取って、
(7)まさに流れ星が落ちてArmadaの顔にぶつかってきたんだよ(それくらいの奇跡が起きたというニュアンス)。

Daniel: ここ数年でみるみる成績を伸ばしてきていますが、ご自身の成長についてどのように感じていますか?
Hbox: It really is the end of an era, I think. The end of a very long chapter. It's 10 years going, reaching, what, gunning for this world title(8). And I finally got it, and... there's so many people who doubt me, there's so many people who don't like my... me or my play style because of JigglyPuff(9).  There's a lot of people who I have been kind to in the past cause I was young and immature and I've been trying to do my best to just bury all those hatchets and just show who I am, through my discipline in this game(10). And that was my main goal here. I knew that I could come really close and not win, but pushing myself to the limit and actually getting the win, coming up above everyone else against all odds from losers(11). And doing what I think is the craziest losers run, the only time I've ever won a national from losers ever in my life. I think that's, um, that's my statement(12).

(8)10年間この世界タイトルに向かって、手を伸ばして、狙いを定めてきた。
(9)僕の実力を疑う人がたくさんいる。プリンのせいで僕のことや僕のプレイスタイルが嫌いな人がたくさんいる。
(10)僕はこのゲームで鍛錬を重ね、こういう批判の声を黙らせて、ただ自分が何者であるかを証明するために努力してきた。
(11)それがここでの僕の最大の目標だった。あと少しのところまで行っても勝てない可能性もあることは知っていた。でも限界まで自分を追い詰めて、本当に勝利を手に入れたんだ。あらゆる逆境を超えて、敗者側から他のすべての選手を負かして。
(12)これが僕の(実力の)証明だ。

Daniel: Plupとの再戦にはどのような面持ちで臨んだのでしょうか?
Hbox: I just, I just knew I could beat him if it's in three out of five. Um, a lot of tricks that we had gone for Shiek I didn't do in the first set 'cause it was a very first set of Melee, I was still kind of shaky on the stage. But once I beat Mango, I had momentum, I'm like, I'm gonna go for every rest he gave me, and I got a lot of those(13). And in game 3 I just absolutely demolished him and game 4 we got really scary, and I've got the classic clutch rest at the end off an up tilt(14), and that was a huge relief. And once that happened I knew, like, I'm gonna go straight for Armada, I can do this. And we saw the first two games I went up 2-0, 2-0 against Armada, and he brought it back three games, I think? And that was the game 5 last stock and I... I'm gonna re-watch that, it feels.. I don't know, I don't know, it's crazy. Every moment is crazy. None of that should happen, but it did(15).

(13)でもMangoを倒して勢い(=momentum)に乗って、ねむるの機会は一つも逃さないぞって。それでたくさん(ねむるを)決めたんだ。
(14)3ゲーム目は僕が完全に彼(Plup)を粉砕したね。4ゲーム目もすごく怖い状況になったけど、最後は上強からおきまりの逆境ねむるを決めてやった。
(15)あらゆる瞬間が信じられないよ。どれも起こるはずもなかったのに、でも起こったんだ。

Daniel: 最後に、ファンの方々に何か一言ありますでしょうか?
Hbox: I don't deserve the fans that I have(16). Their way, They're the best friends that I could ever ask for. They're so kind, so giving, so thoughtful. They just, they talked to me all the time, they post good things, and there's another Facebook people's Hungrybox thread where all the fans are. They just, some really good stuff, but also most important, like my mom, my girlfriend, they're like two of my, probably, my two biggest supporters, like through thick and thin no matter what I'm going through(17). They always pull for me and be like, with well. we're here whenever you need us, for, you know, we don't play the game, like, we know this is your passion, we want you to succeed. And I'm a very lucky man. I'm an extremely lucky man(18). 

(16)僕にはもったいないファンたちだよ。
(17)母と彼女、この2人がたぶん僕の最大のサポーターだ。どんな時でも、僕がどんな状況にいても。
(18)僕は幸運な男だ。ありえないほど幸運な男だ。


彼のもつ野心と情熱、堅い意思が非常によく伝わってくるインタビューではないだろうか。誰がなんと言おうと今回の勝利は彼のもの、それを否定することは敵わない。

2016年7月24日日曜日

Pink Freshの躍進、あばだんごの欧州制覇 --『2GT: KTAR Saga』『PPT Summer Munich』

『KTAR』シリーズの故郷東海岸組と開催地西海岸(南カリフォルニア)組が互いの威信をぶつけあったWii U版(SSB4)大会『2GGT: KTAR Saga』。軍配が上がったのは東海岸、ベヨネッタ使いPink Freshが幾多の強豪をしのぎ見事優勝を果たす。2位につけたのも東海岸のゼロスーツサムスMarssで、Larry LurrやMr. Rを撃破する活躍を見せた。一方はるか地球の裏側ドイツ・ミュンヘンでは日本のあばだんご選手が遠征続きの疲れなどもろともせず、決勝でイギリスのソニックIxisを下しセットを落とすことなくSSB4シングルス1位に輝いた。なおダブルスもドイツのフォックスプレイヤーSodrekと組み優勝し、なんとXシングルスでも優勝を収めた


『2GGT: KTAR Saga』


『Xanadu』シリーズで同じみの顔Pink Freshが「ローカル戦士」から一皮むける大きな一歩を踏み出した。予選を勝者側で抜けると開催地のZan, TyrantさらにオランダからのゲストMr. Rまでも打倒し勝者側決勝へと進む。

勝者側の別サイドではニューイングランドのやんちゃ坊主Marssが猛進を見せる。ベスト48からFalse, SS, そしてLarry Lurrに対しすべてストレート勝利を収め無傷のまま勝者側決勝に駒を進める。

波に乗るMarssゼロサムから最初のゲームを奪い取るのはPink Freshベヨネッタ。両者一歩も譲らずフルセットの末試合を決めたのはPink Freshの前投げ、Marssは敗者側に回る。

予選でZanに敗れ早々に敗者側に回ったVoiDは脅威の粘りでNAKAT, TLTC, Mr. Eをなぎ倒し、Zanからもリベンジを果たす。そして敗者側準々決勝ではMr. Rと息を呑むシークミラーを繰り広げ、3−2で勝利し開催地の意地を見せつけた。敗者側準決勝ではLarry Lurrをストレートで下し、敗者側決勝でMarssを出迎える。

勝利に飢えるMarssの猛攻がVoiDに襲いかかり、VoiDも負けじと攻めの姿勢を見せる。東海岸vs西海岸、最後に軍配が上がったのは東海岸。MarssがPink Freshとの再戦に臨む。

この勝利で再び勢いづいたMarssは1ゲームを先取。しかしPink Freshもそれに飲まれることなく1ゲームを取り返す。だがそこからは空下メテオ+上アピールコンボも交えつつMarssが立て続けに2ゲームを奪い決勝はリセットされる。だがリセットの高揚もつかの間、Pink Freshが冷静に2ゲームを先取し優勝に王手をかけて運命の第3ゲーム、時は減速し加速する--ベヨネッタのウィッチタイム(下B)が上スマへとつながり、Pink Freshが念願の王座に堂々と輝いた。

なおダブルスではVoiD/NAKATペアがMarss/Solペアを下して優勝し、西海岸のプライドを保った。

勝利を噛みしめて



最終結果(シングルス)
1位:Pink Fresh(ベヨネッタ)
2位:Marss(ゼロスーツサムス)
3位:VoiD(シーク)
4位:Larry Lurr(フォックス)
5-6位:Mr. R(シーク), falln(ロゼッタ)
7-8位:Tyrant(メタナイト、シーク), Zan(トゥーンリンク)

トーナメント表(シングルス)


『PPT Summer Munich』


アメリカ・ラスベガスの『EVO』で昨年に引き続き旋風を巻き起こしてきたあばだんごは今度は欧州へと足を伸ばす。舞台はドイツのミュンヘン、銃撃事件がある中トーナメントは無事に進行した。

あばだんごのダブルスパートナーはドイツのフォックス使いSodrek。圧巻のパフォーマンスで1ゲームも落とすことなく完全勝利を果たす。

シングルスでのもちろん安定した実力を魅せつける。Luigi_Playerとのミュウツーミラーで1ゲームを落とすものの欧州最強のゲッコウガと名高いiStudyingやイギリスの新星ソニックIxisらにもストレート勝利し、悠々と栄冠を勝ち取った。

新たな絆

さらにXシングルスにも参戦し旧友ワリオで普通に勝ち進んでしまう。Sodrekに敗れたものの彼が棄権し、事実上の決勝となった敗者側決勝でフランスのスネーク使いElexiaoと対戦。0-2の状態から持ち直して逆転を果たし、3冠という成績でこの大会を終えた。

最終結果(SSB4シングルス)
1位:あばだんご(ミュウツー)
2位:Ixis(ソニック)
3位:quik(ゼロスーツサムス)
4位:Elexiao(ゲッコウガ、パックマン)
5-6位:Sodrek(フォックス、クラウド), iStudying(ゲッコウガ)
7-8位:LoNg0uw(ロボット、クラウド), Patrino(リュウ、フォックス)

トーナメント表

2016年7月22日金曜日

今週末の見どころは? 7/23-24 『2GGT: KTAR Saga』『PPT Summer Munich』『BatleGateWay #11』『ウメブラ 24』

『EVO』の興奮も冷めやらぬ中今週末も国内外でイベントが目白押しとなっている。Keitaro氏がかつてニュージャージー州で主催していた『KTAR』シリーズが南カリフォルニアに場所を移し、地元の大会運営団体2GGTと協力して復活を果たす。あばだんご選手は先週末のラスベガスから今週末はドイツ・ミュンヘンへと赴きヨーロッパの精鋭スマブラーが集まる『PPT Summer』に参戦する。国内では関東DX大会『BattleGateWay』と関東Wii U版(SSB4)大会『ウメブラ』が開催され、大きな盛り上がりが期待される。

『2GGT: KTAR Saga』


Keitaroの地元ニュージャージー州で2009年から続いていた伝統あるスマブラ(もとはXのみ、のちにPMやDXが追加、現在はXの代わりにSSB4)大会シリーズ『KTAR』。しかしKeitaroが南カリフォルニア(SoCal)に転居したことにより惜しまれつつもこのシリーズは今年6月の『KTAR XVIII』で最後を迎えることになった。

ニュージャージー州やその周辺地域(トライステート地区)に留まらず多くの人々に愛されるこのシリーズの復活を望む声は多かった。そんな中で地元の運営団体2GGTが名乗りをあげ、南カリフォルニアの選手のみならずかつてこのシリーズで名を挙げてきたトライステートの選手も数多く参加を表明し、晴れて華々しく復活を果たすことになった。

  • 主要出場選手
Mr. R, Larry Lurr, VoiD, MVD, False, Marss, Pugwest, K9sbruce

  • スケジュール(日本時間は+16)
7/23(土)
ダブルス: 10:00 -
シングルス予選: 12:00 -
シングルスベスト48: 16:00 -
シングルスベスト8: 18:00 - 

  • ストリーミング


『PPT (Pandali's Pandemonium Tournament) Summer Munich』


今年3月からSSB4とスマブラXの新たなトーナメントシリーズとして設立された『PPT』が今週末その第2回を迎える。欧州全土から多くのタレントを集め、日本からあばだんご選手、アメリカからコメンテーターとしても有名なMax Ketchumもエントリーする大会には多くの注目が集まる。

  • 主要出場選手
あばだんご, iStudying, Sodrek, Izaw, Max Ketchum

  • スケジュール(日本時間は+7)

  • ストリーミング

  • 大会サイト


『BattleGateWay #11』(7/23(土))


DX勢は国内大会も楽しみですね!

BattleGateWayツイッターアカウント: https://twitter.com/battlegateway


『第24回ウメブラ』(7/24(日))


『EVO』で一世を風靡したかめめ(かめむし)選手もエントリー!

ウメブラツイッターアカウント:https://twitter.com/UMBRHP
大会サイト:http://piosuma.blog.jp/

Hyugaの猥褻行為への告発とその後の展開

世界中の格闘ゲームファンを興奮と感動の渦に飲み込んだ『EVO 2016』。しかしその裏で、メキシコのトゥーンリンク使いで世界トップクラスのスマブラfor Wii U(SSB4)プレイヤーCristian "Hyuga" Medina(23)が犯した行為がコミュニティに深い失望をもたらした。

SSB4のキャスターとして活躍するVikkkiKittyは7月17日、「Cristian "Hyuga" Medina」という題目でTwitLongerに以下の様な投稿をした。

これまでこんな経験はなかったし本当にどう書けばいいかわからないけど、昨晩私はHyugaに襲われた。ラスベガスを酔ったまま一人でふらつかせるのはまずいと思って私たちは彼を部屋に入れた。私の彼DJ Jackが彼を私たちの部屋に泊めてあげることにした。私はベッドで彼の隣で寝ていたんだけど、あることで目が覚めた。Cristian(Hyuga)が私と彼の間に入って身体をこすりつけて片手を私のシャツの上の方に、片手を私のズボンの下の方にずらしてきていた。私はキューバ出身だしスペイン語もかなりわかるから、彼に(スペイン語で)私から離れて床に戻るように言った、何度も。彼が酔っていて私から離れようとしないから、さらに大声で叫んだら部屋にいた人が目を覚ましてそれを目撃した。その人、Stefanは起き上がってすぐに彼が寝ていたもう一つのベッドを使うように言ってくれて、私はそのベッドに移った。15分たっても寝付けずにいたら、Hyugaが私と隣で寝ていた人の間に割り込んできてまた同じことをしようとして、そしたらNick Riddleが目を覚まして彼を部屋から追い出した。もう一度言うけど、私にはこれまでこんな経験はなくて、恐怖のあまり彼が追い出されてから泣き出してしまった。私の『友達』が本当にこんなことをしようとしたの?なんで離そうとしなかったの?

実際にその場に言わせた人々もこれを裏付ける証言をしている。この告発が衝撃的であったのはもちろんだが、これに対して「酔った勢いだから仕方がない」などとHyugaをかばう声や、中には「ことを荒立てて大人げない」などと被害者を非難するような反応があったことも大いに遺憾である。「酔った勢い」で猥褻行為が正当化されることはありえないし、さらに事件の詳細を見ればこれが「酔った勢い」などというレベルではないことも明らかである。なにせ抵抗にもかかわらず行為を続け、移動した先のベッドまで追ってきて再び行為に及ぼうとしたのである。VikkiKittyの感じた恐怖も底知れないであろう。

Hyugaは『EVO』前にVGBootCampとスポンサー契約を結んだばかりであったが、この件を受けて当団体は契約を解除した。またSSB4の著名なプレイヤー・大会運営者で構成される団体Global Smash 4 Leaership Groupは彼に対し1年間の大会出場資格剥奪という処分を下した。運営者がこの団体に所属していないローカルな大会の場合にはその運営者の以降次第で参加は可能であるが、メジャー大会への参加は不能になるであろう。なおメキシコの大会運営団体でHyugaと以前からパートナー契約を結んでいたSmash Factorも契約を解除し、同団体の運営する大会への参加も禁止する発表を出している

この一連の出来事に対してHyugaは「何が起こったかについて」というタイトルで以下の声明を出した。

いくつかはっきりさせておきたいことがあってソーシャルメディアアカウントを使うけど、まず第一にメディア(特にメキシコのメディア)が言っていることは事実ではなく、僕は強制送還はされていない。アメリカでお尋ね者になっているわけでもないし、大会に行けないだけで好きなところに行くこともできる。世界中の大会運営者が出場禁止の決定をしたことは受け入れるけど、『事実』を受け入れているとは一言も言っていない。僕が言っているのは、罰を受け入れるということ。罰を受け入れるのは、罪を受け入れるから。外国で知らない人と酔っ払ってしまったことによる罪、それは僕の責任であり、だから僕はそれがもたらした結果を受け入れる。僕やアメリカにいるメキシコの友人の身に起こったことに対して他の誰ひとりとして責任はない。僕は15歳の少年ではないし自分の行動にもっと責任を持つべきだった、これは僕の過ちで他の誰のでもない。今から[事件の詳細について]僕の側からの説明をするよ、僕が覚えていて100%起こったと確信できることだけ。僕たちはプールパーティーにいてすべでが良好だった。アメリカの選手たちと飲んでまったりして、完璧だった。でもパーティーが終わってDJ Jackが他のみんなと一緒にホテルに来るように僕を招待した。他にメキシコの選手もいなくて僕は一人ぼっちだったし、みんな[ホテルに戻って]パーティーを続けたかったから招待を受けてWestgateホテルに行った。そこでは南カリフォルニアの選手が何人かプレイしながら飲んでいて、僕が行くと彼らはショットを渡してきた。ショットを飲んで、少しプレイしたのを覚えている。その後酒が切れてDJ JackとVicky(VikkiKitty)と僕でボトルをもう一本買いにでかけた。南カリフォルニア部屋に戻ってプレイ/飲みを続けて、そこからは何も覚えていない。目を覚ますとNick Riddleが『出て行ってくれ』と言って僕は起き上がった。もう日が出ていて昼間か朝だからそう言われたんだと思って。起き上がって彼にパスポートとビザが入ったバックパックを見つけなきゃと伝えて、彼は探すのを手伝ってくれたけど見つからなかった。だから僕は彼らに見つかったら後で渡してくれるよう頼んで、彼らは了解した。僕はホテルを出た、誰一人の見送りもなしに。僕はタクシーを拾って自分のホテルに戻って寝た。起きたらこの有様で、そこでNickとDJ Jackに連絡を取った。彼らが言っていることは何一つ覚えていないことを伝え、できれば話がしたいからと居場所を伝えた。そしたら彼らはただツイッターで僕をブロックした。僕が覚えているのはそれっきりだ。今は二度とアメリカにプレイしに行こうとは思わない。もうどうでもいいし、メキシコでプレイしたいとも思わない。僕からするととても不快な環境だしね。だから僕は競技スマブラから引退するよ。今は自分の人生とキャリアに集中したい

このように引退の旨を発表したHyugaであったが、翌日はそれを撤回するコメントを出した。VikkiKittyとの和解があったようで(本人もそう証言している)、「Vickyとの問題は終わった」というタイトルで投稿された。

Vickyと話をしたけど、僕たちはこの問題をただ終わらせたいと思っている。だから僕は将来戻ってきてまたプレイしたいと考えている。こんな状況の中で2度目のチャンスを与えてくれてありがとうVicky。二度とこんなことが起きないように、自分のアルコールの問題を直すために精一杯努力するつもりだ。これが他の人への教訓になることを望む。みんなこの件に関して落ち着く必要がある。憎しみは人を隔てるだけ。Vickyは僕がこの問題に関して改善できると信じてくれている。僕は自分のもたらした結末と罰をすべて受け入れる

「アルコールの問題」というのが精神的な疾患であるのかただの「酒癖」であるのかは定かではない。また文面を見る限り彼が心から反省しているかどうか疑問である(英語が彼の母語ではないことは留意する必要がある)が、現状は行方を見守るしかない。

この一連の出来事はスマブラ、ならびにゲームコミュニティ全般における女性の扱いに関して大きな議論を巻き起こした。DXのトッププレイヤーSFATの交際相手Nicoleも自身のツイートで、同じDXプレイヤーであり元交際相手である男性から性的暴行を受けたことを打ち明けている。その文面は以下の様な内容で締めくくられている。

私たちが声を上げた時に受ける扱いのせいで、こんなことの多くは表沙汰にされないまま。これが同じような経験でどうしていいかわからなくて孤独になっている他の人たちの助けになって欲しい。こういう思考は私たちが黙ったままでいるから生まれてくる。もう終わらせないといけない。こういう行為は許容できない、私たちのコミュニティの中で続いていってはいけない。

彼女の言うように、勇気を持って声を上げた被害者が非難されるような環境が醸成されることが最も危険である。今一度自分たちの属するコミュニティがそのようになっていないか、内省が必要かもしれない。

2016年7月19日火曜日

執念がもたらす夢に見た栄冠、Hungryboxが果たす悲願の優勝 --『EVO 2016』DX シングルス

格闘ゲームの祭典『EVO (Evolution Championship) 2016』の最終日がラスベガスのマンダレイ・ベイにて行われた。世界中の観衆が見守る中DXシングルスの決勝トーナメントもこの場で争われ、激動の3時間を経てその頂点が決まる。2,000人が渇望したその座をつかみ取ったのは、このシリーズ幾度も2位という結果に甘んじてきたフロリダのプリン使いHungryboxであった。そしてそのHungryboxと2度に渡りフルセットの死闘を演じ、わずかに力及ばず準優勝となったのは昨年の覇者Armada。スマブラDX15年の歴史の結晶ともいえる今大会はスマブラファンに留まらず数多の人々を魅了したことだろう。


※長いです。

DX シングルス ベスト8


叶わぬ夢と果たされる夢。この場に座す者が背負うものは自身の誇りやスポンサーだけでなはく、それまで彼らが打ち破ってきた選手たちの想い。Plup, Hungrybox, Armada, Mew2King, S2J, Westballz, Mango, PewPewU。この8名が目指すのはもちろんその頂点以外にはありえない。三つの正方形、『EVO』のロゴをモチーフにした巨大なステージの中心に佇むのは小さな椅子、机の上にはブラウン管テレビとゲームキューブ。これがスマブラDXの王座を争う舞台となる。

その舞台に初戦に臨む2名の戦士が姿を現す。緩い立ち居振る舞いの裏には凛と気高きアスリート精神が、爽やかな笑顔の裏には凄烈に燃える魂の闘志が宿る。フロリダ出身、Panda Global所属のPlupは同じくフロリダ出身でダブルスパートナーでもあるHungrybox(Hbox)に立ち向かう。第1ゲーム夢の泉、空中戦で大きく分があるHboxのプリンに対し足場を効率的に利用しながらくらいつくPlupシーク。つかみすかしを誘うHboxの罠にもまるでかかる気配のないPlupにHboxは少し押される展開に。最後はうかつにジャンプを消耗したHboxにすかさずPlupが空前を決め見事第1ゲームを取得。戦場での第2ゲームもPlupが徐々にリードを奪い、虚を突く走り込み下強を空上につなげるとストックカウントはPlup有利で2-1。Hboxもすぐさまストックを取り返すが、重要な復帰阻止をミスしダメージを貯めてしまう。そして空前で崖外に出したHboxに怒涛の針(NB)の雨を浴びせて復帰を阻止、Plupが勝利を噛み締めながら小さくガッツポーズを見せた。

うしっ!

続いてステージに上がるのはタイトル防衛に臨むスウェーデン代表Armada、対するは言わずと知れた生粋のスマブラーMew2King(M2K)。『Smash Summit 2』で見せたストレート勝利を再現すべくマルスでArmadaピーチに挑む。相手が低重力キャラであるため美麗なコンボを決めることはできないが細かく的確にダメージを与え、Armadaの復帰にも積極的にプレッシャーをかけていくM2Kマルス。だがひとたびArmadaがステージの支配を奪うとカブ(下B)がM2Kの行く手を阻み、M2K見る見るうちに追い詰められストックを落としていく。120%を超えた状態でArmadaの下スマを2度生き残るなどその卓越したスキルを魅せつけるM2Kだが、スキルであればArmadaも負けていない。M2Kのシールドにカブをぶつけながら復帰、下スマガード漏れでM2Kを上方に飛ばして先ほどのカブに当てて空Nにつなげバーストを得るArmada。最終ストックはArmadaが下Bで引き当てたビームソードを利用しつつ復帰阻止を決め戦場の第1ゲームを制する。第2ゲームはヨッシーストーリー、引き続きArmadaがリードを奪うがM2Kも崖の傾斜を利用した下強復帰阻止で早期KOを得てくらいつく。さらに復帰しようとするArmadaがカブを投げるのに合わせカウンター(下B)を決めて撃墜、1ストックリードを保ちArmadaを最終ストックに追い込む。しかし横B復帰をミスして自滅すると動揺のためかその後の立ち回りもキレを失い、Armadaがそのまま2ゲームを先取して勝者側決勝へと駒を進めた。

じゃあ始めますか

同じ南カリフォルニアでスマブラ人生を過ごし、ローカル大会でも幾度となく同じブラウン管テレビの前に座してきた。「この男には勝てない」、負の思考が頭をよぎる。そんな中Johny "S2J" KimはいつものようにWestballzの隣に座り指を暖める。だが試合が始まればただそれに集中するのみ、両名は戦場で第1ゲームの幕を開ける。初の大舞台での緊張か序盤は両者やや固い動きになるがすぐにそれはほぐれ、Westballzファルコのお家芸エッジキャンセルも猛威をふるう。S2JフォルコンもWizzrobeをほうふつとさせる択狩りや的を得た行動予測でリードを許さない。そして最終ストック、Westballzの上B復帰がS2Jの膝(空前)とトレードされて両者崖外、再び上Bモーションに入るWestballzをS2Jが空下で奈落に叩きつけ1ゲーム目を取得。「勝利するならここしかない」、もうS2Jの思考に曇りはない。舞台は移って夢の泉、S2Jファルコンは1ゲーム目の勢いのままフルスロットルでWestballzファルコに襲いかかる。攻撃だけでなく防御も光り、Westballzにコンボの起点をまるで与えず隙を見つければ再び猛攻に転じるS2J。Westballzは流れを取り返す糸口を見いだせないままラストストックへ、そして暗転。S2Jの膝2発が鈍い音を立て、宿敵Westballzから念願の勝利をその手で奪い取ってみせた。

堂々とした足取りでステージを去るS2J

敗者側をひた走るMangoの次なる相手は「9位の呪い」をついに打ち破りこの場にたどり着いた「知性のマルス」PewPewU。手堅く立ちまわるPewPewUを相手にしてMangoフォックスも非常にシンプルな試合運びを見せる。ヨッシーストーリーでの1ゲーム目はMangoに軍配が上がり、PewPewUは第2ゲームに戦場を選択。このゲームもMangoが力強い立ち上がりを見せ着実にリードを広げている。しかしPewPewUマルスが上投げから空前空前空下メテオを決め、さらに次のストックも投げから早期撃墜につなげ一転してストック2-1とリードを奪う。Mangoも落ち着いてストックを奪い返すがPewPewUがMangoの受け身方向を読んで再びつかみを得るとMangoは窮地に。崖から通常ジャンプで隙をさらしたMangoにPewPewUが追い打ちをかけ、見事第2ゲームを勝利で終える。最終ゲームは夢の泉、ステージ下が広い特性を利用し復帰タイミングを遅延させるPewPewUの行動を見越してMangoがリフ(下B)メテオ、百戦錬磨の勘を魅せつける。そしてそのまま完全に勢いをつかんだMangoは攻撃にも復帰にも隙がない。再びPewPewUの復帰タイミングを完璧に読んでマルスの最後の命を底に沈め、『EVO』3勝目への希望をつないだ。

ここでは終われない

勝者側決勝、Armadaの隣りに座るのは「神」の誰ではなくこの男Plup。戦場で始まったこの試合序盤にリードを取るのはArmadaピーチ。だがPlupシークもArmadaのペースを徐々につかみ、シールドドロップによる奇襲を次々仕掛けて差を縮めていく。ところが残り2ストックで痛恨の崖絶ミスによりつかみかけたチャンスを落とす。その後も必死にくらいつくPlupであるがArmadaが逃げ切る形で1ゲーム目を制す。2ゲーム目も戦場に戻る両者だが、Armadaピーチの鉄壁の前にPlupは攻撃の起点を見つけられない。焦燥を見せるPlupの行動は単調化し、Armadaは半ば機械的な処理でPlupシークを次々に葬る。3-1ストックの状態で崖外に出されたPlupはこの勝負を諦めそのまま落下、Armadaがセットポイントを得る。追い詰められたPlupはポケモンスタジアム/フォックスというカードを切る。Axeにストレート勝利したこともある彼のフォックスは決して並のフォックスではないが、「並外れた」フォックスでなければ無敵艦隊を沈めることはかなわないであろう。Armadaがこのゲームも悠々と勝利し、いち早く決勝への切符を手に入れた。

見据えるのは次の試合のみ

『WTFox 2』でWizzrobeが果たしたHungrybox撃破にこの男も感化されたはずである。『EVO』初のベスト8ファルコンとしての威信を背負い再びステージに上るS2Jは満を持してHungryboxを出迎える。試合分析に熱心なS2Jは当然例の歴史的な試合も徹底的に分析していたことだろう、ステップを多用しじっと攻撃の起点を探る姿はWizzrobeに重なる。牽制として安全な間合いを取りながら空Nを放つたかと思えばHboxのシールドに低空で擦り着地した直後に下投げ膝、同じ技によるアプローチにも択をかけるS2J。だがHboxもすぐに対応、同じ手は2度と食わず行動を読んで自分の攻めを展開していく。思うように攻められないことへの焦りか緊張か、膝につながる好機を幾度も逃すS2JをHboxは容赦なくたたみかけていく。結局S2Jは最後まで自分の試合を組み立てることができず、戦場での2ゲームを連取し次に駒を進めたのはHboxであった。

ファルコンの誇りを胸に

『EVO World 2007』での邂逅以来この2人のライバル関係はスマブラDX界の一大名物であり続ける。夢の泉でGoがかかったかと思えばそこに広がるのは瞬きすら許されぬ壮絶な戦争。M2Kマルスに一度崖外に出されれば帰るのは至難の業、さらに下段足場が消えた状態でつかまれれば強烈な斬撃の嵐が待ち受ける。Mangoフォックスにつかみをすかそうものなら即座に場外へ運ばれ、復帰中にも空後による奇襲が降ってくる。一進一退を経てお互いラストストック、ステップによる探りあいからM2Kがつかみをすかし、MangoのSJに誘われ回避したところを狩られ大ダメージ。最後はMangoが弱を上スマにつなげて第1ゲームを取得。第2ゲームは終点に似た特性から空中コンボに有利なポケモンスタジアムをM2Kが選択、事実このステジアムはM2Kの単独ライブ会場となる。見る見るうちにMangoフォックスの残機を減らし、Mangoの突然のアピールにもひるまず斬撃を浴びせ勝利。しかし続くプププランドではMangoが猛烈な反撃を展開。つかみからのコンボが怖いなら、つかまれなければいいだけのこと。上Bと横Bの復帰がカバーされているなら、空中回避はどうだ。恐ろしく精細な間合い取りでM2Kにコンボ起点をつくらせず圧倒、復帰阻止も拒否し最後まで流れを維持したMangoが争いに終止符を打った。

次はどいつだ?

「決勝で会おう」という約束は果たせなかった。それはそれで仕方がない、だが先に進むのは俺だ--MangoとHungryboxは奇しくも昨年に続き敗者側で相まみえることになる。救世主ネオの名を掲げるMangoはプリンの支配を止めるべく戦場へと身を投じる。勢いに乗るMangoフォックスは1ストック目をノーダメージで奪い2ストック目も猛襲の手を緩めない。プリンという相手にあわやリフメテオで復帰阻止を決めるかといったところでHboxが壁受け身で九死に一生を得、試合は一旦減速。と思ったら再び急加速、ストックを取り合いMangoが優勢、そのままリードを保ったMangoが上投げ空上コンボで第1ゲームをものにする。

おそらくHboxピックのプププランドが拒否され両者は再び戦場へ戻り、Hboxが重要な読み合いを立て続けに制し序盤リードを奪う。だがMangoもガードされれば死という場面で大胆な上スマ、Hboxの予想の上を行く行動選択でくらいつく。しかしここでHboxが空中ではたく(横B)からこの試合初めてのねむるでMangoを早期撃墜して一気にリードを広げる。最後は根気強くMangoの復帰を阻み、1ゲームを取り返し勝負はポケモンスタジアムへ。序盤でリードを得るMangoだが、Hboxが弱起こしねむるでイーブンに持ち込む。さらにHboxがMangoを崖際でつかみ後ろ投げを予感させつつ上投げ、真上に飛ばされたMangoに再びねむるがささりストックは2-1。崖で待機するHboxの誘いに昨年のようには乗らないMango、しかしHboxが空下反転つかみで逆にMangoを外に出す。そしてステージ上に横B復帰すればそこに待ち受けるのはもちろんあの憎きふうせんポケモン。3度目のねむるがMangoフォックスを葬り、Hungryboxが悲願の優勝へ向け大きな一歩を踏み出した。

ねむるプリン、はねるHbox

敗者側決勝はHboxがPlupにリベンジマッチを挑む形となる。第1ゲーム戦場ではPlupシークの横強をHboxがしゃがんでかわし早々にねむるでバーストし、そのままHbox優勢で試合が進む。強力なねむる反確を持たないシークが相手であるため積極的にねむるを利用していくHbox。加えてPlupのらしくないベク変ミスも重なりHboxがリードを広げるかに思われたがここでPlupの上スマ暴れが的中、さらにカメラ外のHboxプリンを空上でとらえストックは1-1でイーブンに。Plupの致命的なつかみすかしにHboxが反応できなかったことも救いとなり、紙一重でPlupが初戦を勝利で飾る。BO5で拒否ができないため当然Hboxはプププランドを選択、Plupのつかみを誘いしゃがんでねむりあっさり1ストックを取る。Plupも決して焦ることなく地道にダメージを与え、重要な場面ではねむるの恐怖にひるまずつかみも決めて1ストック差のまま最終ストックへ。巻き返しをみせたいところだが、足場でHboxの空上に対する受け身の選択を誤り再度ねむるの餌食となる。ヨッシーストーリーでの3ゲーム目はPlupが自滅により最初のストックを落とし大いに動揺を見せる。忍耐を失いまるで一貫性のないプレイが続くPlupからHboxは容赦なくストックをもぎ取り、加えてしゃがみで挑発してPlupの心理にも追い打ちをかける。

3機残しで敗北したPlupは再びヨッシーストーリーを選ぶが、再びつかみすかしにねむる、下スマにしゃがみカウンターでねむるを当てられ大きく突き放される。このねむるで目が覚めたのか、執拗にしゃがみカウンターを狙うHboxに地上戦を挑むのをやめ空中戦に集中、ストックを2-2に持ち込む。Hboxのねむるすかしにも救われ逆にリードを奪うPlup、大きなダメージビハインドのままHboxは追い詰められる。「追い詰められる」?この男の辞書にそんな言葉はおそらくない、あったとしてもそれは我々のものとは異なる定義であろう。彼にとって「追い詰められる」ことは自分の力を証明する絶好の機会、そして今回もその一つ。足場から降りるPlupに上強を合わせてねむるにつなげる脅威的な判断力がHungryboxにこの試合の勝利、そして再び『EVO』決勝の舞台に立つ権利をもたらした。健闘を見せたPlupは昨年の4位から一つ順位を上げた3位でこの大会を終えた。

必ずまた戻ってくるよ

そして天王山。一年の時を経てこの場で再開を果たす二人。お互いがお互いを倒すために惜しみない研究・訓練を重ねてきた。20万人が見守る試合、その成果を見せるのにうってつけではないか。選ばれたのステージは戦場、Armadaフォックスの横B自由落下とHboxプリンの「ジグリーパフ!」という前座を挟み本戦が始まる。Hboxの復帰阻止が猛威を振るう中Armadaもステージの中心を確保しつつ安全な間合いを取りブラスター(NB)、ステップから好機を見つけてHboxの間合いに入りダメージを蓄積、きっちりバーストまで持っていく。上段足場から空前空N、下段足場に降りて上スマというコンボも光りはじめの1ストック差をなくすArmada。しかし最後はHboxがArmadaがリフで対応しようとする中でも復帰阻止を決めきり重要な第1ゲームをものにした。ポケモンスタジアムでの2戦目、ステージ中心を譲らないArmadaをHboxはステージ端に誘い出そうとするが簡単には乗ってくれない。だったらこっちから近寄ってつかみを誘ってみよう、Hboxの策略に今度ははまり、上投げからねむるを当てられるArmada。昨年の『EVO』ではHboxの崖つかまり遅延にArmadaが下強で対応したが、今度はHboxが逆に下強を誘い出して反確を取る場面も。もちろん復帰阻止にも釣り餌をしこむHbox、崖外に走りだすモーションを見せて瞬時に反転、Armadaの横B復帰にねむるを合わせる。Armadaもいくらか反撃を見せるが力及ばず、Hboxがトーナメントリセットに王手をかける。

後がないArmadaは終点を選択、ステージ中心にはこだわらず距離をとって着実にブラスターを撃ちHboxにアプローチを強いる。逆に誘い出される形となったHboxにArmadaは安全かつ効率的にダメージを与えみるみるリードを広げていく。HboxはArmadaの防御に付け入る手がかりを見いだせず3タテで敗北を喫する。その流れはHboxのホーム、プププランドでも変わらず、あわや4タテといったところからわずかに巻き返すも及ばず、今度はArmadaがタイトル防衛に王手。舞台は戻って戦場、膠着状態が続く中それを破ったのはArmadaフォックスの弱+上スマによるバースト、しかしその後Armadaが手痛い復帰ミスですぐさまストックを落とし試合はイーブン。Armadaはリフを多用しライン確保を徹底、固い守りの体制に入る。Hboxも弱すかしを空後につなげる変則的な連携を交えArmadaの壁を崩しにかかるがリードは奪えず1ストック差のままラストストックに。着実にダメージを与え続けるArmadaフォックスの前にHboxプリンは早くも撃墜%、上投げ空上をSDI(ヒットストップずらし)で生き残りつつなんとか復帰阻止でストック数を並ばせる。そして--。その動作はほんの1/60秒かもしれない。だがそれは、比類なき才覚、何千時間に渡る鍛錬、そしてあらゆる逆境を撥ね退ける鋼の意思が初めて可能にする刹那。Hungryboxの渾身のねむるが稀代の逆転を生み、世界の頂点を決める争いにここで一度リセットボタンが押されることになる。

万感の想いを込めて

第1ゲームは戦場、自分の戦略・技術力への確かな自信か、Armadaはこの期においても大きくプレイスタイルを変えることはなく堅実な立ち回りを維持する。しかし容赦無い空中での追撃の姿勢には勝利に飢える狩人の顔が垣間見える。序盤のHboxの勢いを断ち切り、Armadaが2セット目の初戦を制する。常人にはこれまでと何らかわりのない要塞の如きArmadaフォックスでも、勝利へのかすかな焦りがこの男には見透かされているのだろうか。Armadaのディフェンスを崩す足がかりを見出し始めたHboxが優勢を保ち勝負を決めゲームは1-1。しかし終点という強力なカウンターピックにより再びArmadaがHboxを粉砕し、セットポイントならびにトーナメントポイントを先取。

自分の故郷を信じてプププランドを選択するHboxであるが、第1セットと同じくArmadaがゲームを支配、ねむるすかしも痛手となりストック先行を許す。だがそんなミスに揺さぶられるようではもうこの場にいないであろう。Armadaの起き上がりに今度はきっちりねむるを合わせ、反確上スマとストックを交換し両者の残機は1、ダメージは0%。ダメージ差で先行するのはArmada、Hboxはまたも絶体絶命の窮地に立つ。そして「窮地」はすなわち「好機」、下段足場の真下という位置取りを維持するHboxの策にArmadaが掛かる。上投げでArmadaを足場に追いやり空上、そしてプリンの寝息とほぼ同時に「GAME!」のアナウンスが響く。Armadaが選ぶのはやはりポケモンスタジアム、だがここに来てArmadaのプレイスタイルに陰りが見られる。追撃に夢中になりあっさりとステージの支配権をHboxに明け渡してしまう。そして終幕はすぐそこに--。

何年間であろう、このタイトルに飢え続けるのは。そろそろお腹を満たしてもバチは当たらないだろう。燃え尽き奈落に落ちるはフォックス、最後にスタジアムに立つのは緑ハチマキを頭に結ぶプリン。フロリダ出身のプリン使い兼エンジニア、彼の執念と上を目指し続けるハングリーな心意気に訪れるのは福音。2,000人を超えるプレイヤーがしのぎを削った『EVO 2016』DXシングルス、Juan "Hungrybox" DeBiedmaがその頂きで魂の雄叫びを上げた。

見果てぬ夢ではなかったのだ

最終結果[昨年順位]
1位:Hungrybox(プリン)[2位]
2位:Armada(ピーチ、フォックス)[1位]
3位:Plup(シーク、フォックス)[4位]
4位:Mango(フォックス)[5位]
5-6位:S2J(ファルコン)[17位], Mew2King(マルス)[不参加]
7-8位:Westballz(ファルコ)[13位], PewPewU(マルス)[9位]

トーナメント表

2016年7月17日日曜日

日本の北米侵略、頂点の座はカナダのAllyへ --『EVO 2016』Wii U版 シングルス

世界中の豪傑が火花を散らす格闘ゲーム総合大会『EVO (Evolution Championship) 2016』、Wii U版(SSB4)シングルスは早くもクライマックスを迎えた。1日目を勝ち抜いた32名の怪物によるサバイバル、最後に一人残ったのはカナダが生んだ巨星、マリオ使いAllyであった。Allyに敗れたもののMr. R, あーす, VoiD, そしてZeRoというビッグネームを次々なぎたおし準優勝を得たのは日本のロックマン、かめむし(かめめ)選手。他の日本勢はらないとあばだんごが5位タイ、あーすが9位タイ、KENが13位タイ、古森霧が17位タイという成績を収め、日の丸の底力を世界に知らしめてくれた。



SSB4 シングルス ベスト32 -> 16


初戦は勝者側、今年に入って一気にその頭角を表したVoiDに対するは昨年の『EVO 2015』で一躍脚光を浴びたゲーム&ウォッチ使いRegi。Regiのトリッキーな動きにも一切動揺を見せないVoiDシークが2-0で堂々の勝利。

続いてあばだんごが「最強のフォックス」と名高い難敵Larry Lurrとぶつかる。先月の『CEO 2016』に引き続きあばだんごミュウツーが終始試合の流れをつかみ、2ゲーム目にLarryが繰り出したドンキーにも一切ひるむことなくストレート勝利を飾る。

『GENESIS 3』でのパフォーマンスで世界に名をとどろかせた日本のむらびと使いらないは優勝候補の一角であるNairoと相対する。淀みなく流れるNairoゼロサム(ゼロスーツサムス)の猛攻を紙一重で受け流しつつ自分の攻撃を差し込んでいくらない。Nairoが空上連上Bコンボをミスしたことにも救われゲームカウントは1-1に。息を呑む3ゲーム目ラストストック、Nairoゼロサムの腰にらないの斧(下B)が突き刺さり、らない村長が村の治安を維持してみせた。

拳を可愛く突き上げるらない

Ally(マリオ)はにえとのを破ったディディーdyrをまったく寄せ付けず勝利。Dabuz(ロゼッタ)は日本のクラウド古森霧がステージ選択で仕掛けた心理戦に動揺を見せたが、ゲームに入ると圧倒的な力を魅せつけきっちりと勝利する。X時代からのピット使いあーすはANTiを敗者側に送り込んだロゼッタ/ルキナプレイヤーXaltisを悠々と下しベスト16入りを決める。

続いて登場したのは初の海外遠征に臨む日本代表かめむしとX時代から世界を渡り歩くオランダ代表Mr. R。持ち前のスタイリッシュな連携でかめむしロックマンを翻弄してリードするMr. Rシークだが、かめむしのダウン連コンボが美しく決まると流れがリセットされる。不運な自滅によりこのゲームを落とし、さらに次のゲームも早々に自滅し動揺がみられるMr. R。そんなオランダ代表にかめむしは再び容赦なくダウン連コンボを決め、最後の上強のフォームを再現するかのようにガッツポーズを見せた。

前日ZeRoに勝利して勢いづくMr. Eはニューヨーク地区の同士Vinnieとの戦いに挑む。乱暴にも思えるMr. EマルスのオフェンスをVinnieシークは丁寧な対応でかわしていく。Mr. Eは二度の空N先端当てで1ゲームを取ったものの力及ばず、Vinnieが勝者側を勝ち進む。

一方で敗者側ではZeRoがHyugaと古森霧を下し敗者側マラソンを続ける。日本のソニックKENもTyrantとdyrを破ってベスト16に。またTrelaがESAMから2-1で勝利をつかみ、さらにMr. Rからもフルセットの末勝利し望みをつなぐ。その他Nairo, Larry Lurr, Mr. E, Marssが敗者側ベスト16に残留した。

SSB4 シングルス ベスト16 -> 8


ベスト8の座、すなわちメインステージに立つ権利を争う戦いは午前中とは思えないほど熾烈なものとなる。

勝者側第1試合は日本人同士の戦い、あばだんごvsらないとなった。国内の戦績ではらないに分があるカードではあるが海外遠征に強いのがあばだんごという男であり勝負は蓋を開けてみるまでわからない。あばだんごミュウツーはねんりき(横B)でらないむらびとの空前空後やはにわ(横B)という主要な置き技を徹底的に封じにかかり、らないは解答を見いだせず1ゲーム目を落とす。だが2ゲーム目には飛び道具のタイミングに択をかけ、あえてねんりきを誘い出してアプローチするなど早くも適応をみせて勝ち星を取り返すらない。戦場での3ゲーム目ではあばだんごがステージ特性を活かして終始ラインを確保、らないはなかなか立ち入る隙を見つけられずリードを許す。最後はらないがハニワで着地のタイミングをずらそうとしたところにあばだんごが上スマを合わせ、昨年に引き続き日本のホープがいち早くベスト8入りを決めた。

渾身の上スマッシュ

『WTFox 2』で初のメジャータイトルをものにし波に乗るDabuzの前に立ちはだかるのは他でもないAlly。AllyマリオはDabuzの呼吸を完全に掌握したかのごとく針の穴を通すような精彩さでロゼッタとチコに割り込み、後ろ投げの反動を利用しチコを次々葬る。それでもDabuzは忍耐を失うことなくAllyの立ち回りが粗くなる瞬間を見定めて反撃していく。第2ゲームで序盤リードを奪うDabuzであったが肝心の一発を決められず、Allyマリオの後ろ投げがDabuzを敗者側へと送り込んだ。

そしてまたしても日本人同士が勝者側で相対することになる。かめむしロックマンは国内戦では負け越しているあーすピットに満を持して挑む。Mr. Rのような派手さはなくとも揺らぐことのない確固たる基盤を持つあーすとの大乱闘は非常に根気を要する戦いとなる。幾百、あるいは幾千の細かな読み合いを両者一歩も譲らずゲームカウントは1-1。あーすはステージの傾きを利用してかめむしのロックバスター(いわゆる豆)を封じる狙いかライラットクルーズを選択、再び精神を削る読み合いが始まる。一進一退の末両者最終ストック高%、かめむしがメタルブレード(NB)を当てて空後へとつなげ、ピットの力ない呻き声とともに勝者をたたえる歓声が会場に響き渡った。

勝者側最終試合ではVoiDとVinnieのシークミラーが繰り広げられる。昨年であれば互角かあるいはVinnieのほうが格上であったかもしれない。だがVinnieが引退を宣言したり撤回したりしている間にもVoiDは日々研鑽を重ねてきた。その月日が彼にもたらした疑いようのない実力は確かにこの試合に表れる--低空ふみつけ復帰阻止、虚を突く上スマ先端当て、逆境を好機へと変える降下空上。まさに圧巻と言うべきパフォーマンスで1ストックも落とすことなく勝利をおさめたCounter Logic Gamingの若きエースがメインステージへの切符を手に入れた。

敗者側ではLarry LurrはX時代からのライバルNairoを2-1で撃破し勝者側から送られてきたVinnieと闘う。Larryが熱く闘志を燃やす中Vinnieは押し返す気力も欠けていると見え、ベスト8の座はあっさりとLarryへと明け渡された。

一方でZeRoがKENを下して再び日本人選手、あーすと対戦する。ここに現れたのは『CEO 2016』のZeRoでもなければ『WTFox 2』のZeRoでもない。敗者側での連戦を経て彼が今身にまとうのは絶対王者の風格。「地球」を冠する相手を完封する彼の姿は地球一のスマブラーの座に相応しい。全力での戦い、そしてレッドブルによる乾杯を通じて結ばれた王者との絆を手土産に、あーす選手はトーナメントを後にした。

「スマブラの未来に」

マルス使いの弟Pugwestを持つMarssにとってMr. Eのマルスは脅威ではないか、2-0で悠々勝利を収め、ベスト8を賭けてらないと対峙する。Nairoとの激戦を勝ち残ったばかりのらないはMarssゼロサムが執拗に狙いに行く早期KOへの仕掛けをひらりとかわし続ける。Marssのむらびと経験不足も目立ちらないが危なげなく勝ち残り、あばだんごとかめむしに続いて次なる戦いに駒を進める。

Dayルカリオを下し快進撃を続ける「最強のリュウ」TrelaであったがDabuz打倒には力及ばず9位で大会を終える。ベスト8最後に残された切符を握りしめ、Dabuzは他の7名とともに運命の決戦へと臨む。

SSB4 シングルス ベスト8


続きはまた後日!(需要があれば...)

最終結果
1位:Ally(マリオ)
2位:かめむし(ロックマン、クラウド、ヨッシー)
3位:ZeRo(ディディー、シーク)
4位:VoiD(シーク)
5-6位:あばだんご(ミュウツー、ロゼッタ), らない(むらびと)
7-8位:Larry Lurr(フォックス、ドンキー), Dabuz(ロゼッタ)

トーナメント表(公式のものが未更新のためLiquipediaから)

2016年7月16日土曜日

『EVO 2016』 1日目まとめ

世界中の格闘ゲームファンが待ち焦がれた祭典『EVO (Evolution Championship) 2016』の幕がついに開かれた。スマブラ種目では長く苦しいDX/Wii U版(SSB4)シングルスの一次・二次予選が行われ、多くの波乱を経てそれぞれベスト32が出揃った。SSB4では日本から参戦した選手たちのうち6名が勝ち進み明日待ち受ける死闘へと臨む。


SSB4 シングルス


先月の『CEO 2016』に引き続き本大会もこの種目にはやはり魔物が潜んでいるようだ。『CEO』の優勝者ANTi、準優勝者Zinotoがともに予選敗退を喫したことが何よりそれを象徴している。なおANTiを倒したXaltis, Dath、Zinotoを倒したRegi, Tyrantは全員ベスト32に駒を進めている。

また開催地ラスベガスのNo. 1プレイヤーで「世界一のネス使い」とも言われるFOWは古森霧とRich Brownに敗れトーナメントを去った。古森霧は勝者側、Rich Brownは敗者側で二次予選通過を果たしている。

『Smash 'N' Splash 2』でのAllyへの勝利が記憶に新しいNedがNAKATを撃破し敗者側で残留を決める(勝者側で一度あたった際はNAKATが勝利していた)。その他にもDay, SS, dyr, Regiなどの新興勢力の活躍が目立った。

ZeRoは二次予選勝者側決勝でMr. Eに1-2で敗れ、敗者側決勝でもSalem相手に苦戦したもののかろうじて勝利し明日へ希望を繋いだ。ZeRoは長時間待たされて終了が0時を超えるのではないかという懸念から配信を拒否しようとし、Mr. Eがそれを受け入れず口論になるという一幕があったようだ(結果的に配信試合にはならなかった)。

日本勢は古森霧の他かめむし、あーす、らない、あばだんごがそれぞれShaky, Tweek, Trela, 6WXを下して勝者側でベスト32に進む。KENはVoiDに敗れたものの敗者側を勝ち進み、TLTCを破って他の5名に続いた。キリハラ、HIKARU、Rain、ライト、にえとの、ニャンこ、Harukiは一次予選を突破したものの世界の厚い壁に阻まれ二次予選敗退となった。

なおMew2Kingはスケジュールの過密さを理由にこの種目を棄権している。

準決勝トーナメント(ベスト32)は日本時間今夜0時から。スケジュール・ストリーミング情報はこちら


ベスト32勝者側:Mr. E(マルス), Vinnie(シーク), Regi(ゲーム&ウォッチ), VoiD(シーク), Mr. R(シーク), かめむし(ロックマン), あーす(ピット), Xaltis(ロゼッタ), Dabuz(ロゼッタ), 古森霧(クラウド), Ally(マリオ), dyr(ディディー), Nairo(ゼロスーツサムス), らない(むらびと), Larry Lurr(フォックス), あばだんご(ミュウツー)
ベスト32敗者側:ZeRo(ディディー), Hyuga(トゥーンリンク), Tyrant(メタナイト), KEN(ソニック), Ito(メタナイト), K9sbruce(シーク), Pugwest(マルス), Dath(ルフレ), SS(むらびと), Rich Brown(ミュウツー). Ned(クラウド), Marss(ゼロスーツサムス), ESAM(ピカチュウ), Trela(リュウ), Day(ルカリオ), 6WX(ソニック) 

トーナメント表(未更新の場合あり)

DX シングルス


SSB4と比べると上位陣のパフォーマンスは安定しており目をみはるような番狂わせはなかったが、もちろん『EVO』という大会において予定調和でことが進むはずもない。特にベスト32を決める二次予選勝者側決勝は波乱含みの展開となる。

勢いに乗る若きエースWizzrobeを百戦錬磨の古豪Chillindudeが凌いだかと思えば、新進気鋭のメキシコ代表Javiが熟練の戦士Wobblesを撃破してみせた。一方で新たにVG Boot CampをスポンサーにつけたベテランChudatはSFATから見事勝利を挙げて準決勝トーナメントへの切符をつかむ。Wizzrobe, Wobbles, SFATも敗者側でベスト32入りを果たしている。

Tempo Stormに加入することになったS2JはSwedish Delightに敗れたがCaptain Facerollに勝利して無事トーナメント残留を決めた。バージニアのSmashG0DはArmadaを最終ゲーム最終ストックまで追い詰める健闘をみせ、さらにその弟llodがHugSを倒す快進撃で会場を沸かせた。llodは二次予選で敗退したがSmashG0Dは敗者側で準決勝トーナメントに進出している。

会場を沸かせたといえば、アリゾナのヨッシー使いV3ctormanがPluto The Planetという登録名で華麗なテクニックを披露し、壮大なヨッシーコールが巻き起こる一幕もあった。

日本から参戦した選手ではLOKI、S-Royal、こうのとり、ケイが一次予選を突破したが二次予選で敗退を喫した。

準決勝トーナメント(ベスト32)は日本時間明日朝8時から。スケジュール・ストリーミング情報はこちら


ベスト32勝者側: Javi(フォックス), Plup(シーク), Mango(フォックス), Ice(フォックス), Shroomed(シーク), Axe(ピカチュウ), Hungrybox(プリン), Chillindude(フォックス), Swedish Delight(シーク), PewPewU(マルス), Mew2King(シーク), Gravy(ファルコン), Duck(サムス), Chudat(アイスクライマー), Armada(ピーチ), Lucky(フォックス)
ベスト32敗者側: SmashG0D(マルス), Nintendude(アイスクライマー), Westballz(フォックス), SFAT(フォックス), Cactuar(フォックス), Druggedfox(フォックス), S2J(ファルコン), FrootLoop(シーク), n0ne(ファルコン), Wozzrobe(ファルコン), Zhu(ファルコ), Laudandos(シーク), MikeHaze(マルス), Colbol(フォックス), Wobbles(アイスクライマー), The Moon(マルス)

トーナメント表(未更新の場合あり)